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第2話

○数年後・オーディション会場

<主要登場人物>

・鷺宮=元陸上自衛隊からの選抜ユニットメンバー・現オーディション審査員長

・女性=オーディション応募者

* * * * * * * *


審査員席の前で歌声を披露する女性。

歌い終わって緊張が解けてホッとする女性。

審査員席に並ぶ複数の人物が拍手する。

その中の一人、審査員長と思しき人物が席を立ち、褒め称える。


鷺宮「素晴らしい! 何という歌声だ。合格です。至急手続きできればと。」


目の前で評価され、合格を伝えられた女性は顔を紅潮し、身体全身で喜びを表す。

審査員長と思しき鷺宮、さわやかな笑顔で合格の女性を別の部屋へと案内する。

ドアが閉まる。

それまでさわやかで紳士的であった審査員たちの表情が不気味なものに変わる。

オーディション用紙等の情報を見つめて口をひらく鷺宮。


鷺宮「これで5人目がそろった。残るは、あと2人。」


ドアが閉まった別の部屋から、この世の物とは思えない女性の悲鳴が響き渡る。


--------------------------------------------------------------------------


○地方都市の朝


<主要登場人物>

・婦警のウタ(私服)

・伝蔵

* * * * * * * *


朝の通勤ラッシュ。

混んだ電車車内。

混雑の中、吊り革を掴み電車に揺られるウタ。


ウタ「はあ〜、今日も仕事の毎日。早くこんな生活からオサラバして、歌のお仕事、  

   できたらいいのになあ。なんで私の美声、何で届かないかな。」


その時、スマホの着信音が鳴る。

新着メッセージが来ている。


ウタ「あれ? これ?」


見ると『ボーカル・オーディション最終結果』の通知である。


ウタ「うわつ!」


ウタ、慌ててメールを開く。


ウタ「お願い! お願い! 落ちてないで!」


ビビって緊張しながら、メールを開くウタ。そこには『最終審査合格』の表示が。


ウタ「やったーっ!」


満員電車の中、思わず声を上げて喜んでしまうウタ。

周りの視線。


ウタ「あ、す、す、みません。」


ウタ、顔を赤らめて小さくなる。だが、自身の下半身に違和感を感じる。


ウタ「あれ? なに? なんか変?」


見ると、手に変な機械を持ってウタの下半身を狙っている人影が。


ウタ「え? 何? 盗撮? 痴漢?」


そう思った瞬間、お尻に違和感を感じる。

痴漢だ!

そう思ったウタはその手を掴む。


ウタ「ちょっと、あなた!」

伝蔵「うわっ! バレた! ここは逃げるが勝ち!」


絶妙のタイミングで電車が駅に到着し、ドアが開く。


伝蔵「僕は怪しくありましぇーん!」


そう言って、人ごみの中に消えていく伝蔵。


ウタ「ちょっと! 待ちなさいよ! 私の仕事を何だと思って……。あれ? 早い。 

   もういない。」


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○駅改札口外


<主要登場人物>

・伝蔵

* * * * * * * *


素早く改札を出て外へと逃げ込む伝蔵。


伝蔵「やべえやべえ。こんな事、親に知れたらめっちゃやべえ!

   『やっぱりお前に仏の道は似合わない。絶縁だ!』ってなっちまう。

   まあ、絶縁でもいいんだけど、でもなあ。とか言って、仏の道の勉強も

   大変だしなあ。

   ま、今しばらくは自分の好きな事でもやっとこう。どうせ住職になっちゃう

   と、好きな事できねえしなあ。」


伝蔵、そう言って手に持つ機械=隠しカメラを見てニヤける。


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