第1話
<主要登場人物>
・鷺宮=陸上自衛隊からの選抜ユニットメンバー
・藤堂=警察庁からの選抜ユニットメンバー
・草薙=警察庁からの選抜ユニットメンバー
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暗闇に浮かぶ赤い月。
その光に照らされて、森の中を蠢く集団。
警察庁と防衛省の選抜ユニットである。
赤い月に照らされて浮かぶ山奥の朽ち果てた神社。
朽ち果ててはいるが、規模は大きい。
木々の間からそれを覗く選抜ユニット。
鷺宮「ここからは手信号で行くぞ。」
その言葉に反応して、藤堂と草薙、手信号で返事をする。
周りに潜む他の選抜ユニットも同じ反応で返す。
閃光が走る。
激しい銃撃戦が起きる。
敵テロリスト集団の反撃だ。
近代的兵器で重武装している敵テロリスト集団。
警察庁と防衛省の選抜ユニットは効率的に反撃し、撃退していく。
テロリストが『占拠』している山奥の朽ち果てた神社の中央は、近代的な武装とは相反する中世の宗教儀式場のようであった。
薄暗い神社の中、儀式演出を醸し出す炎と芳香。
地面に描かれた魔法陣。
そして掲げられている複数の『臓器』。
藤堂はそれを見て、気分が悪くなる。
藤堂「うっ!」
草薙「今さら、びびるな!」
その横で防衛省選抜の鷺宮が視線を逸らす事なく口を開く。
鷺宮「甘いな、お巡りさんたちは!」
不服の表情を浮かべる警察庁選抜の藤堂と草薙。
『戦闘』のエキスパートである防衛省選抜メンバーは、鷺宮の手合図に合わせて突撃、敵テロリスト集団を制圧する。
立ち込める硝煙の中、不気味にシルエットで浮かぶ掲げられている複数の『臓器』。
藤堂と草薙は不快感に支配されていたが、鷺宮は敵を制圧し、任務の達成感に満たされ、恍惚の表情を浮かべていた。