第13話
○敵アジト内広間
<主要登場人物>
・鷺宮=<元>陸上自衛隊からの選抜ユニットメンバー
・婦警のウタ
・黒装束の一団
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異形のオブジェがそびえ立つアジト内。
鎖で吊るし上げられている婦警のウタ。
鷺宮「俺たちが必要なのはお前の声。お前の声帯のみだ。お前の声帯がそろえば、
神を召還する7つのラッパが完成する。」
ウタ「何わけわからない事言ってるのよ! 頭おかしいんじゃない? それに神を
召還してどうするつもり? あなたはいったい何がしたの?」
鷺宮「俺は、この世を破滅させたい。こんな世の中を俺は破滅させたい。神が、
この世の中を、全世界を創造した神がそれを望んでいるのであれば、それを
実行するのみだ。俺は、今、神の子となる!」
ウタ「いい加減馬鹿なこと言ってないで、放しなさいよ! それにそんな、
身勝手なわけわからない事!
神がいるとして、この世を創造した神が、なんでこの世を破滅させるの?
神がこの世を破壊するって、本当なの?」
鷺宮「知らん。そんな事は俺には関係ない。神が、全世界の創造神ミロクが、
世界を滅ぼすのが事実であれば、それで満足だ。」
鷺宮、婦警のウタの服を切り裂き、ナイフを喉元にあてる。
その衝撃でウタの胸元に仕舞われていた伝蔵の隠しカメラが床に落ちる。
鷺宮「あ? 何だこれは?」
床に落ちた隠しカメラ、点滅している。
アジト内に警報が鳴り響く。
鷺宮「...ふっ、そういう事か。」
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○アジト内通路
<主要登場人物>
・草薙=警察庁からの元選抜ユニットメンバー
・藤堂=元警察庁からの選抜ユニットメンバー・現在田舎警察の一刑事
・新人=田舎警察の新人刑事
・婦警のお局さん
・渡辺=新聞記者
・助八=運転手
・伝蔵=運転手助八高校時代の悪友
・婦警の神子
・婦警のミサ
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スマホを操作する伝蔵。
その後を続く、助八、渡辺、新人、藤堂、草薙、婦警のお局さん、婦警の神子、婦警のミサ。
助八「本当にここでいいのか?」
伝蔵「まかせろって! 俺を信じろ! たぶん、本当に、きっと、おそらくここ
だ。」
助八「何かたよりないなあ。」
伝蔵「俺がチカンと盗撮をした婦警のウタさんが囚われている場所は、きっとここ、
この先だ。」
新人「何でわかるんだ?」
伝蔵「婦警のウタさんが証拠物件として押収しちゃった俺の盗撮用隠しカメラは、非
合法のアキバゾンで買ったスグレモノ。毎秒、信じられないほどの無線通信転
送モードと、パワーアップしたGPS機能を持つ、犯罪者御用達のグッズでやん
す。」
助八「でもそれって、お前が盗撮とチカンをした確かなる証拠にならないか?」
伝蔵「だから、今、こうして善良な一市民として捜査協力してるでやんすよ。
...無罪にならないかなあ。...えへっ。」
人の走る音が響く。
黒装束の集団が走って来る。
助八「来たっ!」
伝蔵「やっぱ正解だあ!」
新人「喜んでる場合か!」
黒装束の集団と銃撃戦になる。
応戦しながらバラバラになる一同。
次の瞬間、地震のような強烈な振動があたりに響く。
草薙「...。」
藤堂「これは...。」
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○敵アジト内広間
<主要登場人物>
・鷺宮=<元>陸上自衛隊からの選抜ユニットメンバー
・婦警のウタ
・黒装束の一団
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異形のオブジェが異様な音響とともに輝きだす。
アジト内中央に光点が出現する。
鷺宮、手にしたリモコンを押し、絶叫する。
鷺宮「第1のラッパは鳴った! 時は来た! 来れ破壊の神よ! 降臨せよ!
創造の神、ミロクよ!」
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○敵アジト内通路
<主要登場人物>
・草薙=警察庁からの元選抜ユニットメンバー
・婦警のお局さん
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地震のような衝撃が走る。
通路の角で倒れこむ婦警のお局さんを支える草薙。
お局「...あっ、ごめんなさい。」
草薙「...無理はしなくていい。この一件は俺と藤堂がやり残した事件だ。君には関係
ない。」
お局「...な、何を言ってるんですか? 私にもやりぬく義務があります! これは、
この事件は、私の任務でもあります!」
草薙「...君には無理だ。」
お局「...私じゃ、私じゃダメなんですか?」
草薙「...。」
婦警のお局さんの背後から現れる黒装束。
草薙、すかさず婦警のお局さんを庇って銃撃で黒装束を撃ち倒す。
お局「あ、後ろ!」
草薙の背後から襲い掛かる黒装束。
婦警のお局さん、すかさず草薙を庇って銃撃で黒装束を撃ち倒す。
草薙「すまん。」
お局「私だって警察官です。」
お互い笑みを交わす。
倒れている黒装束、その頭には巻かれた帽子のような布が。
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○別の通路
<主要登場人物>
・藤堂=元警察庁からの選抜ユニットメンバー・現在田舎警察の一刑事
・新人=田舎警察の新人刑事
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地震のような衝撃が走り、あたりに聖歌のような音響が反響する。
新人「...この音は...。」
藤堂「...これは、第3のラッパだ。早くしないとこのままでは天国の門が開いてしま
う。」
新人「...。」
駆け込んでくる黒装束、新人とはち合わせになる。
新人「...くっ!」
黒装束と目があう新人。
銃を握り固まってしまう新人。
間。
銃撃音とともに頭を打ち抜かれる黒装束、
頭に巻いた布がはだけて倒れている。
硝煙の中、銃を発砲した藤堂の姿。
新人「...。」
藤堂「次は自分でやれ。」
先へ進む藤堂。
呆然とする新人、黒装束の頭を見つめる。
黒装束の頭に装着されたヘッドギア。