第11話
○資料室前&廊下
<主要登場人物>
・婦警のお局さん
・草薙=警察庁からの元選抜ユニットメンバー
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あたりに非常警報が鳴り響く。
お局「......何?」
廊下に出る婦警のお局さん。
すると反対側にいた黒装束に遭遇する。
お局「...あなた、いったい、ここで何を...?」
黒装束、すかさず銃口を婦警のお局さんに向ける。
固まる婦警のお局さん、動けない。
狙いを定める黒装束。
婦警のお局さん、緊張が走る。
次の瞬間、資料室から飛び出す草薙。
草薙、婦警のお局さんの身体を抱きかかえ、一回転して黒装束の頭を打ち抜く。
崩れ去る黒装束。
何が起きたかわからない婦警のお局さん。
草薙「...大丈夫ですか?」
お局「......。」
ウルウル表情の婦警のお局さん。
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○廊下
<主要登場人物>
・藤堂=元警察庁からの選抜ユニットメンバー・現在田舎警察の一刑事
・新人=田舎警察の新人刑事
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非常警報が鳴り響く。
小走りで辺りを見回す新人。
激しい銃声と悲鳴が響く。
曲がり角の壁に背を向け、緊張する新人。
新人「...何だ? いったいここで何が起きているんだ?」
曲がり角から顔をのぞかせる新人。
奥の通路を狂気の笑い声を上げ、各部屋に連射する別の黒装束。
新人「...な、何だ、あいつ? ここを...ここをどこだと思っているんだ?」
銃を撃ちつくした黒装束、弾倉を入れ替える。
そのすきに、意を決して前へ出る新人。
新人「動くな!」
間。
銃をかまえる新人の腕がブルブル上下に震えている。
それを確認した黒装束、笑みを浮べ、見せつけるように、ゆっくりと弾倉を銃に装填する。
動けない新人。
ゆっくりとかまえる黒装束。
新人「...動くな! う、動くな!」
発砲する新人、だが弾は明後日の方向に飛んでいく。
黒装束、ゆっくりと標準を新人の頭を狙う。
緊張の一瞬、新人の背後から入ってきた人影がすばやく発砲する。
新人の目の前で、倒れこむ黒装束。
驚いて振り向く新人。
藤堂が銃をかまえて立っている。
新人「......。」
藤堂「...新人、お前には無理だって言っただろう?」
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○留置場
<主要登場人物>
・助八=運転手
・伝蔵=運転手助八高校時代の悪友
・婦警のウタ
・鷺宮=<元>陸上自衛隊からの選抜ユニットメンバー
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鳴り響くサイレン。
ウタ「......あれ? どうしたのかしら? 非常訓練は今日だったかしらねー?
ま、いいわ。」
助八「...あのう...。」
ウタ「...何?!」
助八「誘拐事件の瞬間が写っていた隠しカメラですけどぉ...。」
ウタ「...ああ、これ?」
ウタ、胸元から隠しカメラを取り出す。
助八「そのカメラ、返してもらえませんかねぇ...。」
ウタ「ダメよ! これ証拠物件だし。だいたい何よ! 婦人警官を盗み撮りする
なんていい根性してるじゃない。これは、証拠として、没収します!」
ウタ、隠しカメラを再び胸元にしまう。
ウタ「ほらっ! 取れるもんなら、取ってみなさい!」
胸元を強調する婦警のウタ。
伝蔵「...あああー、どうしよー? あれには、イケナイはずかしい写真がいっぱい
写ってるんだ。これじゃあ、俺、一生出て来れないかも...。仏様に失礼な事
したなー。これじゃあ、極楽浄土に行けないや...。」
助八「お前、仏教徒だったっけ?」
伝蔵「そう。俺んちのオヤジ、お寺の住職。」
助八「...はあぁ、何やってんだかー。シュン...。」
入ってくる黒装束の人物=鷺宮である。
鷺宮「......。」
ウタ「...あなた、何やってるんですか? ここは一般の方は立ち入り禁止です!
出てってください!」
鷺宮「...お前が歌川ウタ...か?」
鷺宮、手にオーディション用紙を見て確認する。
ウタ「......はいっ? あれ? それ私が応募したオーディション用紙。何であなたが
持ってるんですか?どこかで拾ったんなら、遺失物の受付は、ここじゃない
です。」
鷺宮、いきなり婦警のウタのみぞおちに拳骨を入れて気を失わさせる。
鷺宮「...これで全部そろった......。まさか、最後の素体が、こんなところにいようと
は、な...。」
鷺宮、婦警のウタを抱きかかえ、出ていこうとする。
その光景を見て驚く伝蔵と助八。
助八「...なに、なに? なにぃ?」
伝蔵「......って、おい! こりゃ、すげえぇ!」
鷺宮、振り向き、おもむろに銃を連射する。
助八&伝蔵「はっ! よっ! ほっ!」
飛んでくる弾丸を絶妙なタイミングでよける。
遠くから声が聞こえてくる。
藤堂や草薙たちである。
鷺宮、それを確認し、雑魚たちはそれを無視し、きびすを返し、留置場を出ていく。
それを4つの大きな眼で見つめる伝蔵と助八。
伝蔵「...おいおいおい! 何なんだ、あいつ!」
助八「...びっくりしたーっ! しぬかと思った。」
伝蔵「あんなモンでおれたちがやられると思うかってんだ!」
助八「そうだい! 高校が終わって帰宅途中、毎日、大田舎ストアで万引きした、
おれたち、ド田舎工業高校低能児クラブ黄金のコンビ助八と伝蔵をなめる
なっつーの!」
伝蔵「おうよ! ...いや、違う! 助八と伝蔵じゃなくて、伝蔵と助八だろ?」
助八「...いや、違う! 助八と伝蔵だ!」
伝蔵「おまっ! お前何言う! 俺の方が年上だろ? 俺1年留年してんだぜ!」
助八「あれ? 伝蔵? そうっだったの...?」
伝蔵「...ありゃっ! しまったっ! ずっーと隠してたのに...しまったーっ!
はずかしい...シュン...。」