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二話 オカルト研究部

ようこそご覧ください。

二話 オカルト研究部


高校の入学式が終わり、心来みくるは自分のクラスに移動した。

「君達、黒板に席順表を貼ったから、それぞれ自分の席に座ってくれ。」

眼鏡をかけた少しばかり猫背の男が、教壇の前に立ち生徒達に呼びかける。

その言葉に、このクラスに居た生徒達が黒板を確認する。

その黒板を確認した生徒から、自分の席に座っていった。

全員が席に座るのを担任が確認すると、担任が自己紹介を始めた。

「俺はこのクラス、1ーAを任された担任の小林李沢こばやしりさわだ。

これからよろしく頼む。」

Aクラスの担任である小林先生は、

黒板に自分の名前を書きながら自己紹介をした。

その後、小林先生は名簿番号順に、生徒に自己紹介をするようにと言う。

生徒の自己紹介かつつがなく進み、心来の番になる。

狐烙心来こらくみくるです。好きなことは読書や、

知らない事を新たに知ることです。」

心来は少しばかり緊張しつつも、自己紹介を終える。

「次、14番。」

小林先生の声と共に、心来の後ろの席に居た少女が立ち上がる。

久瑠秋雷くるしゅうら。」

久瑠秋雷くるしゅうらと名乗った少女は自分の名前を言うと、

そのまま座ってしまった。

「えっと、他に言うことは……」

「ありません。」

小林先生が少しばかり驚くが、納得した様に気にせず進める。

「そうか。まあ、言いたくないことは

誰にだってあるもんな。次、15番。」


自己紹介が終わると、小林先生から全員にパンフレットが渡された。

「この学校は、部活に入る入らないは自由だ。

そのパンフレットは部活の一覧が載っている。

もし気になるのなら、その部室や活動を見に言ってくれ。

早い所なら、今日の放課後からやってぞ。で、その次に――――」

心来は担任の声を片耳に聞きながら、ある文字を見つける。

〝オカルト研究部〟という名の文字を。


放課後

心来は、オカルト研究部と書かれた部室の前に来た。

そのまま心来はオカルト研究部の扉に手を掛け開ける。

部室の中には、あり得ないほど落ち込んでいる青年と、

眉間みけんしわを寄せた小林先生が、

椅子に座りながら向かい合っていた。

その暗い雰囲気に心来が気おされていると、

小林先生が心来に気付く。

狐烙こらく。お前オカルト研究部に興味があるのか。

彼岸ひがん起きろ!オカルト研究部に興味があるのが来たぞ。」

彼岸と呼ばれた青年が頭を上げる。

視線の先に心来を見つけると、

先程の雰囲気とは一変いっぺんして目を輝かせる。

「ようこそオカルト研究部に!僕の名前は彼岸歩裕ひがんあゆたです。

このオカルト研究部の部長をしています。二年生です。

入部ですか?入部ですね!ようこそオカ――――」

小林先生が彼岸の額に軽くチョップを入れ、彼岸の暴走を止める。

「はぁ、すまない狐烙こらく。」

「いえ、大丈夫ですけど……」

心来は小林先生に向けて少しばかり疑問の視線を送ると、

小林先生はその視線に気付き、心来を座らせ話し始める。

「えーと、ざっくりと話すが、

まず俺はこの部の顧問こもんをしていてな。

この高校は最低三人部員が居ないと廃部になるんだが、

元々三人だったオカルト研究部の部長と副部長が去年卒業した。

そして、今の部員は当時一年生だった彼岸だけになった。」

「あ。」

心来の頭の中で、このオカルト研究部がどうなるか予想がついた。

「多分、今思い浮かべたことと同じ事にこの部はそうなってる。」

「だから必死だったんですか。」

二人の視線が額をさする彼岸に向く。

さいわい五月の初めまでに集めればいいから、まだ時間はある。

一応聞くが、オカルト研究部に入る気はあるか?」

その問いに、さも当然かの様に心来は口を開く。

「はい!」

心来の元気な声が、オカルト研究部の部室内で大きく響いた。


そのまま心来は小林先生に入部届にゅうぶとどけを出し、

高校を出てねこ目探偵事務所たんていじむしょに来ていた。

「なるほど、そんなことがあったのか。」

猫探偵は、ソファーの上でゴロゴロしながら心来の話を聞いていた。

その様子に、心来は少しばかり呆れつつも反対側のソファーに座る。

「今日はもう帰っていいよ。依頼もないし。」

猫探偵はだらながら心来に帰るように言い渡す。

「分かりました。ですが、まおさんが

今いるこの部屋を掃除してからです。」

猫探偵と心来が居る応接室は、毎日心来が掃除している。

応接室の掃除が一通り終わると、

心来はバックを手に持ち応接室を出ようとするが、猫探偵が心来を呼び止める。

「心来。お前はただでさえあやかし

引き寄せやすい体質なんだから気を付けろ。」

猫探偵は、オカルト研究部という懸念けねんを遠回しに伝える。

「大丈夫ですよ。私は()()()よりも強くなりましたから。」

心来の笑顔が猫探偵のひとみに映る。

「あまりやりすぎるなよ。」

その言葉で茶化しながも、猫探偵の懸念けねんは消えることはなかった。

猫探偵の真意しんいを知らない心来は、

自分の家に帰る途中で一言呟いた。

「確か明後日あさってだっけ、肝試きもだめし。」

ここで突然のざっくり人物設定

妖霊猫

性別 女性

身長 約160㎝

体重 約20キロ

頭髪 明るい茶髪

目の色 蒼

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