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ゴーストバスター!

"もしもし、私の声が聞こえますか?"


「こんにちは。(うるわ)しき幽霊のお嬢さん。」


"へ?あ、はい。こんにちは。ていうかがっつり目あってますよね。もしかして見えてたりもます?"


「見ちゃダメ?」


"いえ別にそういう訳ではなくて。こ、怖くないんですか?"


「あなたを怖がる人がいるとしたら、

そいつは女性を見る目が無いね。」


"ひゃい!?ああ…あの…その…えっと…"


「…しかし、この城に住民がいたとは思わなかったわ。

邪魔したわね。それでは御機嫌(ごきげん)よう。」


"ま、待って下さい!"


「?」


"お願いします!どうか、私の兄を救ってあげてください!"


「兄?」


"彼は今も、この城の牢獄でもがき苦しんでいます。

彼を呪縛から解き放って欲しいのです。"


「それってボクにもできるのかしら。

そういうのはクレリックのお仕事な気がするけれど。」


"魔力さえあればできます!

もし解き放っていただけるのであれば、我が家の財宝を差し上げますから!"


「財宝は要らないけど、ここに住んでもいいかしら。」


"え?え…ええ、まあ。良いですけど。"


「決まりね。」


最上階の牢を目指し、

ボクらは歩み始めた。


お化けさん曰く

この城は兄妹を現世に縛る為の鳥籠(とりかご)らしい。

罪を償わせるため、霊魂を永久に監禁する為の独房。


何の罪を犯したかと言えば、

魔女の一族だった、

それだけ。


"着きました。この向こうに兄がいます。"


木製の大扉。

表面に呪符が彫られてるけど、

削れてもう効力は無い。


ボクは扉を開け、中に入る。


ドーム型の大広間。

八方にステンドグラス。

床は滑らかな大理石。


綺麗な場所だ。

ここは研究部屋にしよう。


「…あ"あ"あ"あ"あ"…」


部屋の中心に大男が座ってる。


炭色の肌。

筋骨隆々。

上裸。

ぼろぼろのズボン。

ぱさぱさの長い黒髪。

背中に大剣が突き刺さっている。

目の場所には、代わりに白い光が灯っている。


"兄上様!もう大丈夫ですよ!今この方が、兄上様を…"


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」


お兄さんは背中の大剣を引き抜く。


"兄上様!…だめ、完全に正気を失ってしまっている。

魔女さん、ここは一旦引きましょう!…魔女さん?"


やっとまともな戦闘ができそうなんだ。

逃げるなんて勿体ない。


「うがばあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!」


お兄さんがこちらに走ってくる。


"やめて!ニルゴーンお兄様!その方は敵じゃ無いわ!"


狂戦士ニルゴーンは、ボクの頭上に剣を振り下ろす姿勢で固まる。

妹の声に応えた?のんのん。


【アルガ=ゼペドの破壊】


ニルゴーンに、否、彼のいる空間そのものに亀裂が入り、

ガシャンって音と共に破壊される。


「うぐがああああああああ!?」


ニルゴーンは吹っ飛び、背後の壁に激突する。


空間を一時的に固形化し、対象ごと破壊する。

相手の防御力を無視して大ダメージを与えられる、

無属性魔法の大技だ。


「うう…ぐわあああああああ!」


ニルゴーンがまた走ってくる

大剣での振り上げが当たる、

0.01秒この瞬間!


【セレスティアの盾】


"ガキン!"


ジャストガード気持ちい。


ニルゴーンが姿勢を崩したその隙に、

杖を彼の腹に向け、


【バルガッドの発動】


"バチバチバチッ…ドン!"


杖の先に爆発を起こす。


腹に穴が開いたニルゴーンは、

転げながら後退する。


とどめはこれだ。


【グヌマトゥスの槍】


杖の先から、白銀のレーザーが放たれる。

ボクの渾身の一撃は、ニルゴーンの頭を消し飛ばした。


ニルゴーンは光を放ちながら消散し始める。


"まさか本当に兄を倒してしまうなんて。

ありがとうございます!通りすがりの素敵な魔女さん!”


お化けさんも薄くなっていく。


"お城は好きに使っていただいて構いません。もともと不要な物でしたから。

ああ…これでやっと…解放される…"


「ねえ、お化けさん。」


"…?"


「最後に、名前を教えてくれないかしら。」


"リエーラ…リエーラ・アルファインよ。"


「なんて綺麗な名前なのかしら。じゃあね、リエーラさん。」


"あなたもどうか、お元気で…"


2人は天に帰った。


終わった。

と言う事は…


やったー!

優良物件をタダでゲットできたぞー!

それじゃあ早速…


ホールの天井が崩れ、床が抜ける。


早速、リフォームにとりかかろう。




~~~




聖タルチスタン王国。

聖教会。

執務室。


大主教バルーセンの元に。

一通の報告書が届いた。


「何いいいいいいい!?

中の霊魂を追い出して、

罰魂(ばっこん)の城に魔女が住み着いただとぉ!?」


バルーセンは怒りに身を震わせる。


「許せん!我が国と、我らが神の権威への冒涜だ!」


バルーセンは震える手で筆をとり、

一通の書状を作成する。


無属性の魔女の討伐命令。

大主教の名の下に発行される、

最も高い強制力を持つ命令書だ。




〜〜〜




同国。

タルチスタン聖騎士団屯所。


「ッチ…もう大主教の耳に届いたのか。

相変わらず、余計な時だけ働き者な暗部なこった。」


騎士団長オルゴンニースは、恨めしそうにこぼす。


聖騎士団は現在、

隊長クラスを失い混乱している真っ最中だった。


「[炎の巨人]の使用命令っつってもなぁ…ありゃポンポン使っていい代物でもねえんだぞ?」


オルゴンニースの前に、炎の巨人を扱うための部隊が集結する。


「はぁ…お前らには手間かけさせちまうな。第三特殊魔道具部隊。」


「いえいえ、これも我々の責務ですので!

それに炎の巨人も、今頃は戦いたくてうずうずしている頃でしょう!」




〜〜〜




タルチスタンに捕まった魔女は大体処刑される。

しかし稀に、死よりも凄惨な運命を辿る場合もある。


(う…通電する感覚…あたし…また使われるの…?)


フレイは不運な魔女だ。


タルチスタンで生を受け、

10歳の頃に力が発現し、すぐに捕まってしまった。


両手足を切断され、

目はくり抜かれ、

断面や身体中の穴という穴にはケーブルを詰め込まれ、

痛覚以外の全感覚は奪われている。


今は[炎の巨人]の炉心として、

死ぬまで魔力を搾取され続ける人生を送っている。


(嫌…お願い…エンジンだけは掛けないでぇ…!)


次の瞬間、

フレイは耐え難い苦痛に襲われる。

身体を焼かれながら高圧電流をかけられ、

さらに全身をやすりで削られるかのような。


「うあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


(ごめんなさいごめんなさい魔女に生まれてごめんなさいお願いもう許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許してひいぎゃああああああああああああああ!)


炎の巨人が起動する。

目指すはかつての罰魂の城。

悪しき魔女の根城だ。

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