03 初日、お昼前
「モノカたちはとても良い雰囲気なのですが、あと一歩といったところでしょうか」
「こういうものは焦りは禁物と聞くぞ、エルミナ」
「もしやシスカにも、このような経験が」
「いや、恥ずかしながら本で読んだのみ、なのだよ。 クリス」
「ぜひ私にもその本をお貸しくださいっ、シスカさん」
「王城を去る際に全て譲渡してきてしまったのです、ネルコさん」
「無念です。 こちらの世界の貴重な情報源として、ぜひ読みたかったのですが」
「私はネルコさんのコレクションに興味があるのですが」
「もちろん大歓迎ですとも。 シスカさんのレベルは分かりませんが、モノカも大満足な秘蔵のアレコレをぜひっ」
「はて、レベルとはなんなのでしょうか」
「乙女レベルとでも申しましょうか、あまり高レベルなモノですと、夜も眠れなくなったりしちゃいますので」
『ごくりっ』
「もちろん、マクラちゃんやハルシャちゃんには絶対に内緒、ですよ」
「心得ましたっ」
「お姉さんたち、とっても楽しそうだね、マクラお姉さん」
「そうだね、ハルシャちゃん。 それじゃそろそろ、お昼の支度、始めよっか」
「えーと、いち、に、さん、……、今日は11人分だねっ」
「ミスキお姉さんたちはお仕事だからしょうがないけど、クロ先生とササエお姉さんも来ればよかったのにねっ」
「モノカママが、たまにはふたりきりにしてあげると、もっと仲良しになれるんだよって言ってたよっ」
「大人って、いろいろあるんだねっ」
「私たちもいっぱい食べて、早く大人になっちゃおうねっ」
「うんっ」