21 五日目、お昼すぎ
お昼はまったりと。
いや、むしろぐったりと。
シスカさんの容赦のない柔らかハグ、堪能させられちゃいましたよ。
「ハルシャちゃんよりも、抱き心地が良いです……」
比較対象がアレすぎやしませんか、シスカさん。
お昼の片付けも済ませて、今はのんびりお茶タイム。
まあ、後でシジミをアレしてコレして、悪巧みを白状させちゃいましょうか。
「モノカはこれからどうするの」
特に予定は無いけれど、そろそろ帰るよ、カミス。
「また一緒に遠出したいね」
今度は遠征討伐依頼でもやっちゃおうか。
「お手柔らかにね」
こちらこそ。
なんか、みんなの視線が生温かいですね。
おうちに着いたらシジミだけじゃなくて、みんなをアレして問いたださねば。
マクラは明日の夕方頃迎えにきますと約束して、いざ我が家へ。
「お疲れさまでした。 気を付けて」
笑顔のカミスたちに別れを告げて、チームモノカ+1の5人は歩いて我が家へ。
「とっても楽しい旅でしたねっ」
そうだね、ノルシェ。
いつもの特使勇者旅とは違って、のんびり出来たね。
「もう少し進展すると思ったんだけどなっ」
出来れば急かさないで欲しいんだけどなっ、アイネ。
「お馬さんにいろいろおしゃれさせるのが最近の幌馬車おしゃれトレンド、なの」
うちのお馬さんたちは普通じゃないから、アリシエラさんに相談だね、シジミ。
「なんだかモノカの視線が厳しいのですが……」
おうちに着いたら反省会ですよ、ネルコ。
特使のお仕事ひとやすみ
まったり気分の乙女と男子
婚約などとは言いますが
普段通りなアレ進行
そこそこ堅物、焦りは禁物
どうせ流され召喚人生
不肖秘崎萌乃果
なるようにしかなりませんって
「そういえば、街中でこんなのが出回ってたんだけどっ」
なにかな、アイネ。
号外、ですか。
あの盗聴ストーカー成りすまし脱獄犯のおっさんの件ですかね。
『速報! 特使勇者モノカとプレイボーイ若旦那カミス、
温泉地での疑惑の密会は"混浴"で!』
って、なんじゃコリャ!
隅っこの方に小さく(足湯で)と書いておりましたとさ。
あとがき
リヴァイスという世界は、ひとりの少年がプレイしている仮想現実ゲームです。
彼は長い時間この世界を旅するうちに『鏡の賢者』と呼ばれる存在になりました。
お供のメイドさんは『伝説のメイド』と呼ばれております。
ここで暮らしている人々はいわゆるAIですが、それなりに大変なこの世界を楽しく生きているみたいです。
リヴァイスの物語は、そういう人々のあれやこれやを短編として紹介するものとなりそうです。
iPadのメモ帳につらつら溜め込んでいたショートストーリーや小ネタをひとつの世界にまとめようとしたら、こういう設定になりました。
整合性や何やらいろいろアレですが、お話しがまとまり次第投稿したいと思っております。
楽しんでいただけたら幸いです。




