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02 初日、朝 2


 王都の王城のそば、商店街の外れにあるカミスのお宅。


 幌馬車シブマを停めて、呼び鈴を鳴らしますと、


「おはようございます、皆さん」


 おはよう、カミス。


 おはよう、皆さん。


 カミス、エルミナさん、シスカさん、ハルシャちゃん、クリスさん。


 みんな、にこにこ笑顔で幌馬車に乗り込んできました。



「それでは、出発しますね」


 私は定位置の御者席に座って、出発進行です。



 お日柄もよく絶好のお出かけ日和。


 幌馬車のお馬さんたちも気持ちよさそうですね。



「このお馬さんたちは魔導馬なんでしたっけ」


 隣に座っているカミスが興味津々ですね。



 シブマ1号がバトルモードから幌馬車モードに変型する際に、どこからともなく現れるこのお馬さんたち。


 どうしても気になって、以前、製作者の魔導具技師アリシエラさんに聞いてみたのです。


『あの子たちは半実体型魔導映像なんですよ』


 幌馬車シブマは四つの車輪が駆動輪、そのままでも移動可能ですが、幌馬車らしく見せるためにはお馬さんのダミーが必要。


 それで実体のある立体映像なる物を発明しちゃったとか。

 

 確かに、見た目も動作もお馬さんそのもので触った感触すらあるのですが、体温とかは感じられないのです。



「さすがはアリシエラさんですね」


 いつも驚かされてばかりなのです。



「いえいえ、モノカにもお仲間さんたちにも、みんなから驚かされてばかりですよ」


 私もですか。



「見ましたよ。 ふわふわプリンセスドレス姿」


 なんですと!



 以前、ユイさんから着せられたふわふわプリンセスドレス。


 あまりにもアレだったので、あれ以降あの手のドレスは絶対に着用お断りしておりました。


 ところが、アリシエラさんがやってくれちゃいましたよ。


 なんでも、シジミの記憶の中の映像・音声を復刻させる新技術を開発しちゃったとか。


 で、試験的素材として私のアレな姿の記憶を使用したらしくて、


 どうやら知り合い全体にその姿を印刷したものが出回っているようなのですよ。


 おのれアリシエラさん、本人の意思を無視したその手の行為、このモノカ、断じて許すまじ!



「すっごく可愛らしかったんで、コピーをもらって僕の部屋に飾ってあるんです」


 言いたいことはたくさんあったのですが、カミスの照れた顔を見たら、何も言えなくなっちゃったよ。



「映像を記録・再生する装置も、印刷する魔導具も、まだまだ改良と小型化が必要だってアリシエラさんが言ってましたけど、頑張ってもらって、早くモノカたちの写真をいっぱい残したいです」


 もう、なんなんだよ。


 そんな事言われたら、いつもみたいに暴れられなくなっちゃうじゃん。



 その後は、しばし無言で、幌馬車を進める私。



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