17 三日目、お昼前
観光地のお店や屋台を、みんなが自由に散策。
みんな、楽しそうですよ。
「ハルシャちゃんがアランおじさんのほうで良いの?」
「だってマクラお姉さんのほうがお姫さまだもんっ」
似顔絵絵巻物、ふたりの良い思い出になりそうです。
ふたりはシスカさんにお任せして大丈夫、かな。
「これですよこれ。 観光地に来たらこれをゲットせねば」
ネルコが買ったのは、武器のキーホルダー?
抜刀、出来るのね。
「本当はこのような景色だったのですね」
エルミナさんが、案内所の大きな絵を見つめながらため息。
観光地化する前の湖のほとり、ですね。
「おいくらくらいなのかしら」
その絵は売り物じゃないと思いますよ。
「モノカは挑戦しないのですかっ」
なんだい、ノルシェ。
えーと、プリンセスまんじゅう早食いコンテスト。
いや、さすがにコレは。
「アイネとクリスさんが名勝負を繰り広げておりますよっ」
あー、なんか見てはいけないモノを見ちゃった気がするよ。
「決勝で勝利すると、賞品は湖畔の宿の家族宿泊券、だそうですっ」
へぇ、今ふたりが頑張ってるのって、
「第一予選だそうですよっ」
アイネたちに、ほどほどにって言っておいてね。
「むぅ、なぜ輪に入らんのだ」
たぶんシスカさんが狙っている景品が、輪投げの輪っかよりも大きいからですよ。
「「シスカお姉さん、がんばれーっ」」
シスカさんのことはふたりにお任せして大丈夫、かな。
「……」
シジミがきょろきょろしているここは、
駐車場っていうか駐幌馬車場ですね。
「どの幌馬車もおしゃれさん、なの」
なるほど、幌馬車ファッションチェックですか。
「でもやっぱり、ねこさんマークが一番、なのっ」
そうだね、かなり有名にもなっちゃったし。
「いろいろ調べて、スマキちゃんたちにも教えてあげるの」
頑張ってね。
おや、カミスがあんなところに。
「ふぃー」
足湯、ですか。
「モノカも、どうですか」
うむ、それでは失礼して、
「はふん」
これはたまらん。
浸かっているのは足だけなのに、なぜか全身ぽかぽかに。
「みんな、楽しんでいるみたいですね」
そうだね、たまにはこんなのも良いかも。
「なんとなくここの施設って、召喚者の人が関係してる感じが」
確かに、あっちの世界の観光地まんまだよね。
「僕は、この旅がすっごく楽しかったです」
ふふふ、甘いな、カミス君。
「?」
遠足は、家に帰るまでが遠足なのだよ。
「確かに、いろいろと遠足っぽかったかも」
というわけで、帰りもよろしくね。
「こちらこそ、よろしくです」
まったり、出来ました。




