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13 二日目、夕方前


 幌馬車シブマは、のんびりと進みます。


 御者席には、私。


 隣には、カミス。


 隣にいてくれると、なんか、すごく落ち着く。



「目的地の湖、いよいよ明日だね」


 お昼前には、着くと思うよ。



「僕、最初にアランさんのことを聞いたとき、すごいなって思ったんだ」


 お姫さまのユイさんを助けて一目惚れされて、それを受け入れて結婚したこと?



「それもそうだけど、奥さんがいっぱいいて、そのみんなと仲良く暮らせていること、かな」


 それは、私もすごいって思ってるよ。



「僕にも、出来るかな」


 エルミナさんも、シスカさんも、クリスも、すごく幸せそうだよ。


 もちろんハルシャちゃんもね。



「そうだよね、夫っぽいことはまだ何も出来ていないけど、結婚も婚約もしてるんだから、責任はアランさんと一緒だよね」


 どうかな、カミスはカミス、アランさんはアランさん、かな。


 今のままのカミスでも、責任、ちゃんと考えてくれていると思うし、


 それに、その、宴会の時のアランさんみたいに、女の子たちを眺めながらにこにこするのまで似ちゃったら、ちょっとやだな。



「だってアランさんは奥さんたちからのおしおき大好きだし、僕がアレを真似したらみんなから袋叩きだよ」


 カミスが奥さんたちを連れて街を歩いてる時の若い男の子たちからの嫉妬の視線、気付いてないのかな。



「うひゃぁ、どうしよう。 やっぱりもっと身体を鍛えなきゃ駄目かな」


 大丈夫、ゼルサニア王子にも勝てた真の勇者さま、でしょ。



「勘弁して欲しいよ」


 カミスが誠実でいてくれるうちは、周りのみんなは放っておかないと思うよ。



「僕、そんなに誠実かな」


 アランさんは男として誠実、カミスは人として誠実、かな。



「じゃあ、男としても誠実になれるように頑張るよ」


 期待しております、婚約者さま。



「そうか、エルミナとは結婚指輪で、モノカとは婚約指輪、だね」


 さすがは『プレイボーイ若旦那』ですこと。



「モノカはやっぱり、嫌なのかな。 あっちの世界的には、アレだよね」


 どうかな、まだ良く分かんない、かな。


 だって、カミスって何もしてこないし。



「えーと、それについては前向きに善処します」


 いいよ、カミスのペースで頑張れば。



「違うよ」


 ?



「僕たちのペースで、だね」


 フィアンセが、すっごく頼り甲斐があるんですけど。



「とりあえず、モノカをお姫様抱っこ出来るようになることが目標、かな」


 期待しております、フィアンセさま。



 ふたり、顔を見合わせて、にっこり。


 もうすぐ、今晩の野営予定地、です。



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