01 初日、朝
『リヴァイス 25 若旦那と特使勇者の共振』の続きで、
チームモノカのお話しです。
お楽しみいただければ幸いです。
秘崎萌乃果です。
召喚されちゃったり、特使勇者になっちゃったり、なんやかんやとありましたが、楽しい冒険者暮らしです。
こっちの世界で家族や友人も出来ましたし、いい感じに安らげるおうちまで手に入りました。
とても楽しい毎日ではありますが、悩みが無いわけでもないのです。
召喚者で同い年のカミスと、まあその、いろいろあって婚約しちゃったのですが。
この件で周りがちょびっと騒がしいのですよ。
出来ればそっとしておいて欲しいのですが、ね。
「お母さん、お出かけの準備できたの?」
愛娘マクラが、チェックしに来ましたよ。
しっかり者のマクラがうっかり者の私をチェックするのは日常茶飯事。
でも大丈夫、旅行の準備はちゃんと出来ていますよ。
「駄目ですよ、モノカ。 乙女がフィアンセとお出かけするハレの日に、いつもの冒険者服のままじゃないですかっ」
ノルシェからのダメ出しです。
私とは固い絆で結ばれた誓いの騎士ノルシェ、性格もお堅いのが玉に瑕。
乙女関係の事柄となると、堅さに磨きがかかっちゃうのです。
でも大丈夫、彼は見た目でどうこう言ってくる人じゃないのですよ。
「大丈夫よ、ノルシェ。 カミスさんはありのままのモノカが好きだって言ってくれたんだからっ」
アイネからのフォローです。
最強冒険者にして完璧乙女のアイネ、人助け大好きなとっても良い娘なのです。
ありがとう、アイネ。
でも、なんでそのことを知っているのかな。
「せっかく用意したおニューの衣装を着てくれないなんて、モノカのいじわる、なの」
シジミがごねっ娘です。
試作型自立式未分類生命体のシジミは、仲間の様々な技を習得済みの万能メイド。
もちろんお裁縫も大得意で、暇さえあれば衣装を作りまくり。
私の身体を参考に生み出されちゃったので、採寸されなくても私の全てを把握済み。
そもそも私とシジミは身長・体型が全く一緒なので、シジミが自分の衣装を作れば私が着れるものも増えていくわけで。
でもね、いくら旅行にお出かけでもひらひらふわふわドレスは勘弁してね。
今日から、チームカミスと合同で遠征旅行。
行く先はアルセリア王国との国境付近にある湖。
ギルドの依頼とかでは無いのです。
仲間のアランさんが奥さまのユイさんと運命的な出会いを果たしたというその絶景の場所に、仲間の乙女一同が興味津々ということで、物見遊山のまったり旅となった次第。
みんな合流してから、シブマ1号幌馬車モードで片道2〜3日ほどの旅の予定です。
それではまずは、あちらのみんなを迎えにカミス邸へ、
「チームモノカ出発!」