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さまざまな短編集

田舎に越してきたが召集令状が来た

作者: にゃのです☆

 とある田舎、家の周辺は一面たんぼの傍らで。

 その風景には似つかわしくない機械音が響く納屋があった。

 私はその納屋でバイクを走れるようにと整備していた。

 時は戦争中。

 田舎の大人たちは戦争に駆り出され、というよりも、みんな進んで軍隊に志願していた。

 理由はお金が無いからだ。

 ではなぜ、バイクを整備で来ているのか?

 これまた簡単だ。

 唯一、私だけが自動車工学を学んでバイクで帰ってきたからだ。

 元々、静かなところが好きだったという理由もあるが、何より戦争に行きたくないから逃げ込んできたという言い方が正解に近い。

 しかし、そんな悠長なことも言っていられず。

 私の元にあの赤い手紙が来た。


「おめでとうございます! 召集令状です!」

「あ、ありがとうございます……」


 私は震える手で手紙を貰う。

 欲しいとも受け取りたいとも当然思わない。

 ただ、一言違ったのは、出向のあとにバイクも持って来いと書かれている。

 バイクは敵性語。書かれているのは“自動二輪車”キッチリ書かれてあった。

 

「はぁ……」


 出向命令。

 軍に逆らうと何されるかわからない。

 行きたくはない。

 が、この家も私一人だ。

 母も病気で死んで、つい二、三日前に父も戦死通達が来ていた。

 大陸のたんぼの中で死んだと一緒に同封された。戦友の手紙に書かれていた。

 さて、私はどこで死ぬことになるのだろうか。

 愛車の陸王と共に出向先の軍駐屯地に向かった。


 この数年後、私は大陸のジャングルを愛車で走っていた。

 偵察者としてずっと頑張った。

 大作戦の参加前に後方に転属となった。前線との連絡役ということで。

 戦争という行為とは遠い所で終戦を迎え、私は生き残った。


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