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最終話(担当:浅岡真夏)

初めまして。浅岡と申します!

今回たまたまこの企画をお見かけしまして、締め括りの最終話ということですが参加させて頂きました。

トリなんて重要なところで私の文章を使って頂けたことに感謝です。

ありがとうございます。

では最終話、拙い文章ですがどうぞお付き合い下さい!

「ほお、ついにバーサクを使ってくれたか」



 俺の洗脳魔法の効果で戦っていた先輩の、右斜め上方に1人の天使が舞い降りた。



 見覚えはある。というか、忘れることなんざ出来ないやつだ。俺の復讐の根源。



「お前は、あのときの」

 エルとセレナを殺した、白衣の男だった。



「なぁに?お前ハルちんの敵ぃ?胡散臭そうな男だね」

 先輩は悪魔から奪い取った鎌を臨戦態勢に構えながら、天使を睨み据える。



「先輩、そいつは俺が殺るから他お願い」

 ハァイとつまらなそうに間延びした返事が返ってきて、先輩は他の悪魔やら天使やらの片付けに勤しみ始めた。



「ハル、記憶が戻って気分が良いだろう?俺のことも思い出したようだな」



 俺がまだ天界のエンジェル族の中で、バーサクの研究をしていた頃、研究所の施設長であったのが彼、リベイドだった。



 リベイドはその頃から欲深く、嫉妬に狂いやすい性質の男だった。部下の研究成果を、あるいは金にものを言わせて。あるいは暴力に頼って。自らの手柄にしてきた。

 俺からも同じようにして、バーサクの研究成果を奪おうとしていたのである。



 エンジェル族の女王であるエルは、リベイドの愚行を見抜いていたし、俺とは懇意にしてくれていたから、俺の判断には猛反対してくれたが……。



 俺がバーサクをリベイドに渡さないための判断。それは。



『俺が俺自身に対してバーサクを使い、記憶を一時的に眠らせること』



 リベイドはデビル族のやつらを金で雇っていた。

 いくら俺が大天使の称号を貰ったような戦闘・研究知識においての実力者であったとしても、敵の数では敵わない。



 だから、俺は。

 自らの象徴であった純白の翼をもぎとり、一切の研究資料と関わった被検体をすべて処分し、ただの記憶喪失で非力なヒト族の男として自身を地界へ堕としたのだ。



 そうまでしてもこの研究を渡すわけにはいかなかった。富や名誉なんてもののためじゃない。デビル族やリベイドの手にこの魔法が渡ったら、この世界の秩序が乱れてしまい、最終的にはすべての種族が滅ぶ可能性があるからだ。



「そうまでして、」

 俺は怒りを押し殺して言う。

「そうまでしてバーサクを守ったのに、結果がこの有様かよ畜生!」

 そう。バーサクを守ったが故に喪ったものがある。この左腕?そんなもんのことじゃない。

 エルは……セレナは……俺のせいで死んだ。

 こいつに、殺された。



「そう喚くなよハル=ミゼリアくん。キミが何を悔しがっているのかはお察しするが、あの2人はいずれ始末する予定だったんだ。遅かれ早かれキミはあの少女らの死体を見ることになっていた。ほら、嫌なことは早めに済ませておくべきだろう?俺からのせめてもの配慮だと思って欲しいね」



「クソがァ!テメェだけはぜってえ許さねえからな!」



 俺の理性は怒りによって半ば吹っ飛んでいた。

 俺の立ち位置から50mほど左方向に、悪魔が使っていたのだろうと思われる鎌が落ちている。あれを取れさえすれば。

 そのときである。



「奴隷!伏せろ!」

 少女の声が叫んだ。エーテルの声だった。振り返ればラロックも来ている。

「あらあら、天使風情が私の屋敷を襲撃しにきたと思えば。そこの奴隷は私の所有物でね、もう替えを買うことが出来ないんだ。お引き取り願おうか!」

 ラロックは叫んだと同時に、手元にあった見覚えのある機械のスイッチを入れた。



「ってうさ耳小娘!てめぇそれウイルスばら撒くやつじゃねーか!俺らまで全滅するだろうがアホ!」



 機械はリベイドたちのいる空中に向けて光線砲を発射した。

 辺りは一瞬赤い光に包まれ、何も見えなくなる。



「あぁ、説明不足だったか?この兵器はな、天界にいるヤツらにしか効力がないんだ。私が自分に有害になりそうなものを開発するようなアホと思わないでくれ」

 ラロックは得意気に笑って見せた。



「ハルは翼をもいだだろう?堕ちた天使は天界には戻れない。したがって地界の者と看做される。心配するな、ハルにウイルスは効かないはずだ」





「お、おのれ貴様らァ!」

 ウイルスの影響か、翼をボロボロにさせたリベイドが、苦しみながら鎌を持ってラロックに襲いかかってきた。



「はん!腰抜けが。精々そこで悶えてろ」

 エーテルの一撃をまともに喰らい、リベイドはやがて苦しみに歪んだ表情のまま落下、地面で痙攣して動かなくなった。



 敵は半数がウイルスの影響で死に、半数はウイルスの効能を引きずったまま天界へと逃げ帰ったようだった。



「ラロック、お前なんで」

 俺のことを助けたのか。

 あの時、いくらバーサクで強力になった先輩が味方にいたとはいえ、俺1人がリベイドに突っ込んで行ったら確実に悪魔に背後を取られて死んでいたことだろう。



 俺が問いかけると、ラロックは頬を染めながら返してきた。

「バーサクが欲しいからじゃないぞ!私の添い寝奴隷が殺られてしまっては困るからだ!」



「お嬢様の仰るとおりだ。奴隷の替えなぞまた雇ったら、今以上に私の給料が減るじゃないか。それに、」

エーテルは続けた。

「天界には親しかったエンジェルたちは存命していないのだろう?先ほどのあの男とのやり取りで聞こえた。だったらお前はこの屋敷の奴隷であり続けるしかあるまい?」

 エーテルの言い回しはつっけんどんだが、要は帰るところがないならここにいろと、そう言いたいようである。



 異国奴隷は、うさ耳たちの配慮により、今にも泣きそうです。









「ありがとうな、お前ら」

「ラロック様可愛いと3回言ってくれてもいいぞ」

「大好きだ」

「……む」

http://mypage.syosetu.com/981842/

↑浅岡真夏氏のマイペ

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