表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

第十一話(担当:ニトニクチスチ)

バン!

「うが~~~!」

「うるさいですね、あなた。まだまだ続くんですからもう少しはこらえてください。」

 いや、そんなことは言われても...

 だって、棘付の鞭ですよ。

 鞭なだけでも痛いのに、棘とかそんなのありかよ...


 ところで、普通鞭の擬音はヒュンやビュンなんのだが、この鞭のせいか、使っている人のせいか(俺は、前者だと思う)なのかこの鞭はソニックブームのようなバンという音がするのだ。

 それの痛いったらなんの、でも刺さったり切れたりはするけどあまり出血はしないんですよね。


「おわったら、ちゃんと処置はしますから。一応」

 い、一応ってなんだよ...


 ところで、俺は今懲罰房にいる。ここの主人であるラロックが入れろと言ったから入れるのだろう。

 そこで、言い渡されたのは鞭で100回だった。

 なぜこんなとこにいるのかと言えば簡単だ。

 あのエーテルとの戦闘等のあった夜の後、俺は出ていこうとしたのだがいろいろ疲れさせる二人との話だったので足元がふらついてしまって手をつこうとしたが倒れたのは腕がない方で、偶然横にいたラロックにぶつかり...

「あんたみたいな劣等種が私に触れないで!! エーテル!こいつを懲罰房に連れていけ!」


「うぎゃあ~~~!」

 ふぅ~

 小さなため息が聞こえ彼女はへたり込んだ。

「これで、100回めですね。では、一応処置をしておきましょう」

 げ! 例の処置が来る!

 嫌な予感しかしないが...まぁどうしようもないが。

「でははじめますね」

「ぎゃ~~~!」

 やめてくれ~~後生だから~~

 ペタペタ、ヌリヌリ

 うん? 痛く...

「ぎゃ~~~~!!」

 なんかが傷にしみる~~!

「沁みてるのは効いてる証拠ですから。安心してください」

 効いてる? 何がだ? もしや毒か? 毒で黙らせてから処置する気か?

 やめろ! やめてくれ~~!

「暴れないでください。薬・を塗ってるだけなのですから」

 うん? 薬...薬か~。

「では、もう少し塗っておきますね」

「うぎゃ~~~!」

 そういえば、この薬沁みるんだった。


 ちなみに、薬自体が高いので近くの山で休暇中に薬草をとってきて、奴隷の中に一人いる薬を調合できる人が調合しているらしい。

 その薬を調合している人はもと凄腕の薬師で作った薬の効果は市販の物よりいいらしいが、そんな人が何で奴隷なんかやっているかはみんなが一度は考える謎らしい。

 俺の傷も三日ほどで治った。

 ただし、傷の回復を待たずにおれにまかされたのが下水道の点検だった。

 何せ、臭いものだからだれもやりたがらないから一番力の弱い人、主に新入り、つまり俺がやらされていた。何よりも臭い。臭すぎる。


 ちなみに、この屋敷は家の主人(ウサ耳少女、もといラロック様)がよくわからないが管理している屋敷で基本的には奴隷しかいなくたまにラロック様がどこからともなくあらわれるらしい。そういう時に、よく若い奴隷が懲罰房に入れられたりする。そう言った例外を除きこの屋敷は奴隷だけがいる。

 一応、一部の部屋は鍵がかかっているが、ほとんどの部屋は鍵が開いていて自由に入れるらしく、べつに部屋を使っても元の状態を維持していれば文句は言わない。


 下水か~、臭いな。

「今日も異常なし、と」


 文字は書けなかったが、仕事に必要な文字だけ教えてもらって何か例外的なことが起きた時はエーテルに伝えればいいらしい。

 ちなみに、エーテルさんは一応ここの管理人ということで私たち奴隷のまとめ役だが彼女自身も奴隷なので、ちょっとしたリーダーという感じだ。

 彼女自身、別にここに長くいるわけでも、もっとも年上というわけではないが語学に達者で三か国語ほど話せるらしく、書くだけならもう一つできるらしい。

 それがいいか悪いか働いて彼女を今の状況に追いやったようだ。


 にしても、下水のにおいが傷にしみる。

 こんな仕事さっさと終わらせて戻ろう。

 と、思っていた...


 この後に起きたことはすぐには理解できなかった、地上までの階段を見たのを覚えている。


 ラロックは10代続くこの土地の名手で大資産家で、そして貴族でもある。

 貴族と言う称号は本来、貴族の家が王の命令によってできた時に与えられるものだ、位にも一等爵位、二等爵位...という位など他にもいくつかあり、それらは着く仕事によって与えられるもので、属人的なものだ、しかし貴族の家という物は家に付随していて、本来はうまくやら(王に認められる)ない限り貴族にはなれない。

 しかし近年、没落貴族や没落はしていなくても軍事費用が負担できずにまともに領土の防衛ができないという様なものたちが増え、それを防ぐために貴族であることを金に換える、つまり貴族を相手に売るということができるようになった。

 一応、国への忠誠心(国を裏切らない程度)がある事などは確認されたうえで王府(政府機関)を通して貴族の授受が行われる。

 それによってこの家は現当主の代から貴族で、現当主は王宮で働いているらしい。

 それ故に、この家は相当色々なものが埋め込まれている。

 別荘でこれなのだから実際に住んでいる家はもっとすごいんだろう。

 (この家についてるもの)

 水道、水洗トイレ、動かし方がよくわからないギミックなどがある。おそらく、隠し部屋みたいなのにつながっているだろうというのが俺の推測だが実際のところ家の主しか知らないだろう。

 そう言うものの管理も奴隷俺たちの仕事だ。

 何が言いたいかと言うと、ここは広くたくさんの曲がり角があってこの階段のところにも曲がり角がある。

 そういう、曲がり角があるとのぞいてみたくなるのは人間のさがだ。

 初日のころには見つけていたが、その日ついにその角を覗いてみたんだ。

 そこには、延々と続く長い長い道が続いていた。

 何だか俺はそれに吸い込まれるようにして入り込んでいった。


 その先にあったもの、それは...摩訶不思議な装置、そして空間だった。

 装置は空間に根のようなものを張って浮いていて、その根のようなものはその空間を支えるように縦横無尽に貼られていた。

 いや、そもそもこの空間はここにあるのではなくここからも入れるという表現が正しいのだろう。

 なぜならその空間はどこまでもどこまでも、俺がさっきまでいた地下の下水よりも何百何千倍も広い空間だった。

 しかし、俺にそんな世界をゆっくり見ていられるような時間はなかった。

「おい! 奴隷の分際で何してやがる! 奴隷なら奴隷らしく従順にしてやがれ!」

 この声は確かにうちの主人の物だ、しかしその姿は見当たらない。

「す、すみません。こちらも下水につながっているのかと思ったら、まったく違くて。ここは一体何をする場所なのでしょう?」

「あ~? てめぇ、奴隷の分際で無駄なことしてくれてるんじゃねえよ」

「す、すみません」

「ちなみに、私はお前の後ろな」

 そう言われ、振り向くとウサ耳の少女がそこにはいた。

「まぁ、ばれてしまったものはしょうがない。お前も使える気はしないし、ここで殺してしまうのも手だな。お前は確か普通の奴隷だったな。てことは殺せるな」

 そう言う、彼女の顔は嗜虐心にあふれ、実際にやってやろうかという雰囲気を漂わせていた。


 ちなみに、奴隷には主に3種類いる。

 一つは借金奴隷。

 これは、借金のかたで自らを奴隷に貶めたものでその分の金を返すことで奴隷の身分から解放される。

 彼らは、国が管理しており。市民権は剥奪されているものの、生命権は確保されており持ち主は殺害、または死亡に至るようなことはしてはならない。

 次に、犯罪奴隷だ。

 これは、重罪を犯した者から市民権を剥奪し半永久的に奴隷の身分に固定するものである。

 一応、功績があれば市民権を返してもらえる可能性はあるものの、生命権がないため大抵は10年たてば死んでしまう。

 最後に、俺もそうだが、普通の奴隷ってやつだ。

 正確には存在しないもので、所謂人身売買ってやつで生み出されるものたちで、理由は様々で奴隷商人たちにつかまって奴隷になったもので、本来は存在しないもので、主人がどう扱おうが自由なので裏では公然と取引される。

 では、なぜ奴隷が必要なのか、それは普通には人を雇えないような仕事をさせるためだ。

 人殺しはやってくれる人がいるが、ほぼ100%殺そうとして返り討ちに会うような相手を殺せという様な仕事をさせられる。ただ、その場合は玉砕だが。

 また、国に認可を受けていない鉱山では普通には人を雇えないため奴隷を雇う。

 それ以外にも、何らかの理由があって人を雇えないような時に奴隷は使われる。

 今回の場合は主人があの屋敷で何か隠れて作業をしているようだ。


「冗談だ...何だかお前をここで殺すのは惜しい気がするな...」

 ふぅ~胸をなでおろすも...

「ちょっと実験に参加してもらおうか。もちろん被検体はお前だが」

「えっと...それはどんな実験でしょう?」

「いや、なに。なんで一回の奴隷に過ぎなかったお前のことをデビル族だか、エンジェル族だかが狙っているんだろうかなと思ってな。あいつらの願いは大体思いつくからそれに近い能力関係でいくつかしてみればいい...」

 実験...しかも人体実験。

 俺の記憶では(こんなどうでもいいことはご都合主義的に入っている)、大体の人体実験の被検体は死んでいたような...

「まぁ、嫌だって言うなら辞めてやってもいいが。ここから生きて出られるとは思うなよ」

 そう言ってラロックは手で合図すると、彼女の背後からは完全武装の兵士が数人現われた。

「あなたが実験に参加しないというなら彼らにあなたを殺させる。その代わりに参加してくれるというなら終わった後に腕も直してあげる。どう?悪くない提案だと思うけど?」

 提案て言うのは...まぁ行ってもしょうがないか。

 さてどうしようか...エル、セレナ俺は今死にそうだ。

こんにちは、ニトニクチスチです。

只の鯨さんに続いて二週目に入らせていただきました。

雑談は活動報告の方でやらせていただきます。

では、次話もお楽しみに。


http://mypage.syosetu.com/469111/

↑ニトニクチスチの、ニトニクチスチによる、ニトニクチスチのためのマイペ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ