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田舎に泊まろう ~ロカス村の住人たち~

 夕暮れもあと一時間位と間近にに迫り、舗装すらされて居ない荒れた街道を、どこか足取りの重い二つの影が進んでいた。

 旅人であるならば、このような道を通りはしないだろう。

 いつ現らわれるかも知れない魔獣から身を隠すこともできない開けた草原が広がり、背後にはその魔獣の住処である鬱蒼と茂る森が、底の無い沼の如く口を開けている。

 何の準備もせずこの森に侵入すれば、たちまち魔獣達に囲まれ己の愚かさを悔いるであろう。

 では商人であろうか?

 それも有りえない。商人であるならば商団を率いて、荷馬車で移動するのが常識だ。

 当然、護衛も付けるのだから、それなりの規模になる。

 何よりこの場所は『ハアァハモウソ半島』東側に位置し、西には人の住める町や国などないのである。 考えられるのが冒険者である。

 彼らは、時に商人たちの護衛につき、時には人の寄り付かない密林へと足を踏み入れる。

 ある者は富を求め遺跡の中へ、またある者は名声を求め強力な魔獣に挑み、またある者達は日々の生活のために商人の護衛につき、またある者達は冒険者とは名ばかりで酒におぼれる。

 早い話、冒険者とはただのロクデナシノ総称なのである。


「うっぐ、・・・ひっく・・・・うえぇ・・・・」

「ほら、もう泣かないでくださいセラさん。何でそんなに悲しいのかは、分かりませんけど・・・・」

「・・・いえない・・。ひぐっ・・・・・僕の口から・・・・・ふぐっ・・・・言えないよぅ・・・・ひっぐっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」


 街道を行くのは年上の銀髪の少女と、年下の淡い紫の髪の少女。

 まるで母親のような母性で歳下の少女が困惑した顔を浮かべ、子供の様に泣きじゃくる歳上の少女を宥めすかしながら街道を進んでゆく。

 泣きじゃくるセラと、宥めるフィオである。

 

 二人は魔獣の生息する森で出会い、そこに生息する魔獣の群れを一掃し、街道先のロカス村を目指して歩き続けているのである。 ただし悲嘆に涙を流すセラを宥めながらなので、普通に歩けば三十分の距離をその倍の時間がかかっている。

 この分であるとまだ村には辿り着けそうもない。

 

「セラさん、取り敢えず村まで行きましょう。泣くのはそこでもできますから」

「……分かってる、分かっているんだけど……ふみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ」

「・・・・・・これは重傷・・・ですね」


 ・・・・・・・万事この調子である。

 フィオでは理解など無理であろう。

 この世界で育ち、生まれ持った性を、その短い人生経験で培った常識を変わる事なく享受しているのだから。


 だがセラは違う。

 彼女は、この世界の外側から来た存在であった。

 もっと言えば、彼女は彼であった。

 現代日本で男として生を受け、多少は問題ある家族とそれなりに平穏に生きていた、それが数時間前に物の見の事に無残に完膚なきまでに破壊されたのだ。

 気が付けば異世界、体は女に変り果て、下手すれば死ぬような状況を軽く乗り越えた。

 百歩譲てそれは良しとしよう。

 約10日間我慢すればよいのだから。

 だが、それ以上の更なる不幸が彼女(?)の身に降りかかった。

 生きていれば必ずなさねばならない生理現象、それに耐える事の出来なかったかため(と言うより、耐える事などまず不可能)、止む終えず処理することにしたのだ。

 美少女になってしまた自分の体を、結果的に再確認してしまう事になる。

 ・・・・・そこに観測者ノームがいるとも知らずに。

つまりは、粗相をしてる所を見られたかも知れないのだ。

 そして、その事に気付いてしまったのた。

 とてもではないが、精神的に耐えられるものではない。

 同時にそれは、男としての大切なものを、色々な意味で無くしてしまった事でもある。


 ・・・・・・あとはもうお分かりだろう。

 森から出る前からこの場に来るまでの約三十分、セラはただ泣き続けた。

 そんな事情などフィオには知りえるはずも無く、彼女は献身的に宥めてはいるのだが、さして効果も出せないまま現在にまで至る。

 犬のお巡りさんもこんな状況だったのであろうか・・・・・


 それは兎も角、こんな状況ではいつまでたっても村に辿りつかない。


「うぅ、どうしよう、このままじゃ暗くなちゃいますぅ。馬車でも通ると良いのですが・・・・・」


 それは都合の良い勝手な願いでった。

 そもそも、こんな辺境の村に商団が来るなど稀であり、大抵は半日をかけて隣の街まで商いに行くしかない。そんな旨みのない村で商売をするのは、駆け出しか訳アリのどちらかである。

 村の名を知らない人達が圧倒的に多いのだ。

 それ程までにロカスの村は小さいのだった。


 だが、今回は運が良かったったようだ。

 街方面から凄まじい砂塵を巻き上げ、途轍もない勢いでこちらに向かってくる、四頭引きの馬車が一両、急速に接近してきた。・・・・・・・・あれは暴走しているのかもしれない。


「あれは、ボイルおじさんでしょうか?」


 知り合いの様だ。

 馬車は二人を視認したのか、徐々に速度を落としてゆく。

 やがて徐行速度で二人に近づき、少し手前で停車した。

 乗っていたのは四十代後半の無造作にひげを生やした、野性味あふれる男である


「なんでぇい、フィオじゃねぇか! どうしたこんな所で」

「村に帰る所ですボイルさん、良かったら乗せてくれませんか?」

「いいぜ、乗んな! そんで、そっちの嬢ちゃんは誰なんだ? 見ねぇ顔だな、ってなんで泣いてんだ?」

「・・・・セラです・・・・・今は・・・うぐっ・・・・そっとしておいてください・・・ひうっ・・」

「私の恩人です。10日ほど村に滞在するようなので、案内していた所なんです」

「・・・・・そう・・か、まぁ良い、荷台に乗んな!」

「はい、ありがとうございます」

「・・・うぎゅっ・・・・お世話に・・・ひっく・・・なります・・・」


 フィオは御者台に座り、セラは荷台の角に膝を抱えるようにうずくまる。

 直ぐに馬車は動きだし、僅かの間にマックス・スピードに到達した。

 その加速力は馬車とは到底思えないイカレタ速度を叩き出し、粉塵砂塵を巻き上げ舗装のされて居ない荒れた街道を爆走する。

 ルマンやパリダカを思い浮かべると判りやすいかもしれない。

 それを只の四馬力の馬車がやっているのだ、異常もいいところである。

 だがそれよりも転倒の危険性の方が怖い。


「ハアァッハァーッ、今日も快調だぜぇ~俺のハニー達、たまんねぇ~イッちまいそうだっ!!」

「ボイルさん? 速度を上げるのはダメって、奥さんに言われていませんでしたか?」

「カッテェ~事言うなや、こうして乗せてやってんだろぉ? 大目に見ろヤァッ!!」

「でも、セラさんも載っているんですよ?」

「お嬢ちゃんなら、もうオネンネダゼェ~ッ! 遠慮はいらねぇな!! ヒャアッ~ハァーッ!!」

「遠慮してください!! セラさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

「ハッハァーッお嬢ちゃんにはまだ早かったかぁ~っ? 天国見せちまったぜっ!!」


 ボイルの言葉通り、セラは気絶していた。

 而も、激しく振られる荷台を左右に果てしなく転がり続けながら。

 ロカス村のボイル 又の名を、ハイ・スピード・ジャンキーのボイル。

 彼の馬車に乗って、無事に帰ってきたものは少ない。 


「しっかりして、セラさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

「ヒィヤァッ――――――――――――――――ッハァッ――――――――――――――――ッ!!」

 

 街道に少女の悲痛な声と、イカレタオヤジの叫びがこだましていた。  



 暴走馬車に振り回され続け二十分(途中、村の周りを何度も周回した)、ロカスの村へとたどり着く。

 ロカスは簡素な村であった。

 小高い丘の上に二百棟もの簡素な家屋が密集し、あたりは畑に開墾され適当に組まれた防護柵が村の周りを囲っている。

 本当に何もない村である。


「さあ、着いたぜ、なかなか楽しかったろ?」

「そう、思うのはボイルさんだけです」

「そういうフィオも、昔は楽しんでいたじゃねぇか」

「昔の話です! それに今日はお客さんもいたんですよ!?」

「あぁ、そう言えばそうだったな・・・・」


 ボイルの視線の先には、先程とは打って変わって口を両手で押さえ、青い顔でうずくまるセラの姿が在った。

 途轍もない速度で走る馬車の荷台で転がされ続ければ、こうなることは当然といえよう。

 ボイルは「やりすぎたか?」と頭を掻いて苦笑いを浮かべる。

 疑問形で言うあたり、中々太い神経の持ち主のようだ。


「それよりフィオ、あの嬢ちゃんいったい何もんだ?」

「えっ、冒険者じゃないんですか?」

「そうじゃねぇ、良く考えてみろ、あの嬢ちゃん・・・・・・どう見ても、ただもんじゃねぇぞ」

「でも良い人ですよ? 優しくて、ちょっと意地悪で・・・」

「どっちなんだよ? 嬢ちゃんの装備を見てみろ、あんなっスゲェ装備オメにかかったの初めてだ。見た目で誤魔化されちゃなんねぇ、相当の修羅場をくぐってるぜ、ありゃあ・・・」


 ボイルはセラの『聖魔砲剣』と『ヴェルグ・レジェンド・シリーズ』を畏怖のこもった眼で見ている。

 この辺りでも観た事のない、相当凶悪な魔獣のモノだと、装備の放つ威圧感から感じていた。

 そんな魔獣と遣り合う冒険者など聞いた事も無い。

 さらに言えば、そんな魔獣の装備を纏っているということは、倒したのだ。

 ボイルはセラの実力の底が見えず、寒気を覚える。


「んなぁことより・・・フィオ、分かっているとは思うが・・・・・・」

「はい、わかっています。セラさんはあの場所に近づけたりしません・・・・・」


 深刻な顔でうなずき合うフィオとボイル。

 そんなこととは知らず、セラは押し寄せる吐き気と蒼白の表情で格闘していた。


 

 何とか持ち直したセラとフィオは、村の広場にあるベンチに腰を下ろしている。

 時折通り過ぎる村人が、セラを見ると足早に遠ざかる。

 よそ者には閉鎖的な村なのかと、怪訝な顔で観察する。

 

「うぅ、酷い目にあったよぉ。あの人はいつもあんな調子なの?」

「大体があんな調子ですねぇ、奥さんも心配しているんですよ」 

「大変だなぁ、あの調子じゃぁいつか事故るよ」

「もう何度か事故を起こしています。でも、何故かピンピンしてるんですよねぇ」

「タフすぎる。なんで冒険者にならないの? あの人・・・・・」


 すでに事故を起こしていたらしい。

 しかし怪我らしい怪我を負わずいるのだから、その頑丈さに呆れた。


「フィオちゃん、この村に宿はあるのかなぁ」

「ありますけど、誰もいませんよ? 人手が足りないので皆それぞれに副職を持っていますから、外れにある作業小屋で仕事をしていると思います」

「それって、宿って言えるの?」

「仕方がないんですよ。この村に人が訪れるなんて事、年に一回か二回あるかないかですから」

「う~ん、そなると僕はどこに宿をとればいいの?」


 まさか宿屋が開店休業状態とは、思っても見なかった。

 そうなると必然的に野宿という事に為ってくる。

 一日位なら良いが、今日を抜いてあと九日、とても耐えられそうにない。

 

「良かったら、家に泊まりますか?」


 深刻な問題に頭を悩ませるその横で、フィオがそんな嬉しい提案をしてきた。


「えっ、いいの?」

「はい、どうせ一人暮らしですし、部屋も空いてますから」


 そのとき、セラにはフィオが天使に見えた。


「ありがとう! フィオちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

「ひょあぁぁぁぁぁぁ!? セラさん!?」


 感極まったセラは思わずフィオを抱きしめてしまう。

 だが、考えてみよう。

 今は少女だがセラは元男である。

 精神が男の少女が、幼気な年端のいかない少女に抱き付く・・・・・・

 なんか、ヤバくね?


「それじゃ、早速準備を始めましょう」

「準備? なんの?」

「食事の準備ですよ。私は一人暮らしですから、食料もそれ程ありません」

「食費は僕が出すよ、え~とこれかな?」


『無限バック』に手を突っ込みあさりだす。

 セラが取り出したのは、両手で持つことすらできないパンパンに膨れた、革製の袋である。

 おもむろに口紐をとき中身を確認すると、中身は金貨がギッシリと詰まっていた。


「お~ぉ、あったあった、って、フィオちゃんどうしたの?」


 フィオは驚きのあまり、目が点になり金魚のように口をパクパクさせていた。

 気のせいか蒼白な顔で震えているような・・・・


「セラさん! ダメですよぉ、早く閉まってくださぁい!!」

「えっ? うん、えぇ?」


 フィオに急かされ、革袋を『無限バック』にしまう。

 

「あぁ、驚きました、こんな所でお財布を出さないでください!! 誰に見られるか判らないんですよ? 盗まれたり、つけ狙われたりしたらどうするんですか!!」

「あっ! うんごめん、これから気をつけるよ」 

「セラさん、意外に無防備なんですね。それに信じられない位お金持ち・・・ハァ・・・」

「いっ・・・色々入用だったから稼いだんだよ・・・・・まだほんの一部だし・・・」

「いっ今、信じられないこと、さらりと言いませんでしたか?」

「気のせいだよ、それよりも日が落ちないうちに買い物済ませよう。荷物は僕に任せて!」


 お金が有るかを確認しただけなのだが、自分がどれだけ非常識なのかを再確認してしまった。

 更に『無限バック』には、お金だけじゃ無い、まだまだ色々と高額なアイテムがゴロゴロしている。


 幸いこの『無限バック』は、持ち主以外の人間は中のアイテムを取り出す事が出来ないため、盗んでも意味がないうえ、盗もうとしても途轍もなく重いため運び出す事が出来ないのだ。

 その最大の理由が実はこの『無限バック』、『ガジェット・ロット』なのである。

 正確には『プロト・ガジェット』を素材に使っている、最強のセキュリティーアイテムなのである。


 オンラインゲーム『ミッドガルド・フロンティア』では当然PKが横行していた。

 というより、PKすら容認されていたゲームなのだ。

 他人のアイテムを奪うことで、楽に強力アイテムを手に入れることができ、ゲームを有利に運ぶプレイヤーが増えすぎたために、それを防ぐための救斉アイテムの一つが『セキュリティーバッグ・シリーズ』なのである。

 ちなみに、セラ(優樹)はPKプレイヤーを返り討ちにしていた。

 更に言えば、PKして返り討ちにあった場合、アバターは牢屋に入れられ三年凍結される。

 新しいアバターを作っても、アドレスを抑えられている為にログインできないのである。

 ゲームとはいえ犯罪者に妥協しないシビアな設定であった。


 村道を歩きながら、セラはフィオに『無限バック』の説明をしていた。

 無論、ゲームの事は抜きにしてだが。


「そんな装備が在るなんて、だからセラさんは、安心して人前でお金が出せるんですね」

「でも、気をつけるに越したことはないんだよね~、ありがと、フィオちゃん」

「いっ、いえ、そんな事は・・・・・」

 

 真っ赤に頬を染め照れるフィオに、セラは密かに萌えていた。


 ――――――やっぱ、かわえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!


 そろそろこいつ、ヤバイかも知れない。


 そんな二人の向かう先は、まず村はずれの小屋であった。

 そこには、セラ達の倒した『ヴェイグラプター』と『ヴェイグポス』が運び込まれ、村の殆どの人で解体作業が行われていた。


「こんばんは、イーネさんいますか?」

「なんだい、フィオちゃんかい? こんな所に何を・・・・・って、ああ、聞くだけ野暮か!」


 まだ三十代後半の女が、手に血塗られた包丁をもって小屋から出てくる。

 飛び散ったけ血液が顔についた状態で、実に良い笑顔で二人を出迎える。

 ――――――――怖い。


「防具の素材は、明日まで待って頂戴。如何せん数が多いうえに、あのデカブツがねぇ」

「違いますよ、お肉を分けてもらおうと思って、少しだけいいですか?」

「肉? なんでって、隣の子は・・・・・ああ~、ノームの連中が言っていた子か」

「セラです、九日ほどフィオちゃんの家に、お世話になります」

「『半神族』、またトンデモない子が来たもんだねぇ」

「『半神族』?」


 『半神族』とは、かつて『神族』とよばれた、いにしえの種族と『人間』との間に生まれた一族の末裔と言われている。

『神族』にとって、『人間』を含む他種族は奴隷であった。

 だが、『神族』同士の戦争、『ラグナロク』により『神族』は滅び、世界が『混沌』に包まれる。

 更に大気中の『エーテル』と『神族』の力、死んで逝った者たちの『魂』が混じり合い、魔獣という怪物が誕生したという。

 只でさえ荒廃した世界に、更には魔獣が蔓延り、他種族達は混乱した。

 苦しみ、怒り、憎悪、嘆き、恐怖、ありとあらゆる負の感情は、『人間』と『神族』との間に生まれた混血種に向けられた。

 多くの混血種が、他種族に処刑されたという。

 中世の魔女狩りと同じである。

 だが、結局は世界が魔獣の住処に代わり、他種族たちは魔獣の少ない限られた土地で、細々と暮らすことを余儀なくされた。

 混血種狩りなど意味がなかったのだ。

 そして現在、ごく稀にではあるが、混血種が他種族の間に生まれてくるのだ。

 それが『半神族』である。


 フィオの疑問をセラが淡々とこたえる。


「これが、『半神族』の大まかな歴史かな」

「そんな、酷い・・・・・・・」

 

 フィオは、涙目でセラを見ながら震えている。

   

「あんた、よく自分の歴史を損な風に言えるね。逆に感心しちゃうよ、ホント」

「所詮歴史、されど歴史、過去に起きた事は変えられないけど、今を変える事はできるでしょ? それに、僕には関係無い事だし」

「あっはははははっ、いいねぇ、気に入ったよ! そういう前向きなとこ!!」


 イーネは乱暴に、セラの銀の髪を撫でる。


「セラさんはよくても、他の『半神族』の方たちはどうするんですか?」

「他のと言われても、僕、他の『半神族』に会った事ないんだよねぇ」

「それだけ、少ないって事よ、フィオちゃん」


 この純粋な少女の優しさに、セラの胸に暖かい物がこみ上げてくる。


 ―――――――これが、萌えって奴か!!


 ・・・・・・・・何でだぁ!!


「フィオちゃん、ホント可愛いね、僕のお嫁に来ない?」

「んえぇぇぇぇぇっ!?」


 セラの行き成りの告白に、思いっ切り動揺するフィオ。


「うちのフィオちゃんに目を付けるなんて、中々ヤルじゃないか! でもそうはさせない、フィオちゃんは、あたしが貰う!!」

「イーネさん!? 何を言っているんですかぁ!?」

「僕では不足ですと? 諦めませんよ、こんな良い子そうは居ない!? 僕が幸せにして見せます!!」

「今日会ったばかりのぽっと出に、ホイホイ渡すほど甘くないよ! フィオちゃんは、あたしが幸せにする!!」

「二人とも何言っているんですか! それに、お二人も私も、女ですよぉ!? それに、イーネさんにはボイルさんが居るじゃないですかぁ!?」


 フィオ白熱する二人に、混乱しながらも何とか常識を説く。

 だが二人には常識など通じなかった。


「ボイルぅ? 駄目よ、あのロクデナシ! 今日も爆走して来たんでしょ。いい歳こいて、約束も守れない駄目な夫より、フィオちゃんがいい!!」

「お父さんが言っていた! 愛の前に歳の差や、性別の違いなど無意味だと!!」

「あぁぁっ、もう、どうすればいいんですか!!」

「今日は僕、明日はイーネさんと、交互に付き合えば良いんじゃない?」 

「なるほどぉ! それはいいアイデアね、早速今日から実践・・・・・・」

「勝手に決めないでくだぁ~さい!! それと、セラさんのお父さん何かおかしいです!!」


 互いに握手するセラとイーネ、頭を抱えるフィオ。

 彼女は、どこまでもイジられる星の元に生まれたのかも知れない。



 イーネから肉を分けてもらい、ふたりは村道を引き返していた。

 ついでに野菜なんかも購入して、日が完全に落ちる前に用事を済ませようと、二人は足早に歩みを進めていた。


「次はどこ行くんだい? フィオちゃん」

「道具屋さんです、スクロールとポーションを買おうかと思いまして」

「おっ? 早速自己強化するんだ、熱心だね」

「はい、探査魔法と補助魔法どちらにしようか迷っていますけど」

「駆け出しだと『フィールド・サーチ』か『フラッシュ』、『スピード・ブースト』かな」

「いくら位するのでしょう? 手持ちが少ないんですけど」

「全部購入でだいたい、450ゴルタぐらいかな?」

「んえぇ、ポーション買えなくなっちゃいますぅ」 


 金額を聞き、悩みこむフィオ。

 ゲームだろうが、現実だろうが、初心者には厳しいのが世の常。

 回復薬か、魔法をとるか、それが問題であった。


「下位ポーションならあるけど、分けてあげようか?」

「えっ、いいんですか?」

「いいよ、フィオちゃんの家に泊めて貰う事に比べたら、このくらい」


 セラの一言でフィオの悩みは一度解消されたかに見えた、しかし「でも、それはそれで悪いんじゃないでしょうか・・・・」と再び本気で悩みだす。

 本当に良い子だった。


「えぇ~と、在庫はどれくらい残ってたかな? フィオちゃん、100個位で足りる?」

「きゃぁぁぁぁ!? そんなに要りません!? 2、3個位でいいです!!」


 どこまでも常識外れのセラに、フィオはその凄さを再認識させられるのであった。



 目指すべき道具屋は、村の少し奥まった所にあった。

 その件の道具屋を目にしたとき、セラの足は入り口を見て牏著する。

 何というか、そこに入るのが気が引けるというか、勇気がいるというか、そんな店だった。

 美少女フィギュアを思わせる木製のメイドさんが、入り口の左右に可愛らしいポーズをとり、吹き出しの看板に『いらっしゃいませぇ、お帰りなさい、御主人様ぁ』と書かれている。

 窓は黒い緞帳で隠されており、中の様子を窺い知れない。

 一言でいうなら、――――――――――怪しい!!


「こ、ここに、本当に入るの? って言うか、本当に道具屋なの!?」

「そうですよ? どうしたんですか? セラさん」


 何故迷っているのかが本気で分かっていないのか、フィオは小首を傾げている。

『僕がおかしいの? それともこの世界がおかしいの?』と本気で頭を抱えたくなってくる、そんな店であった。


「こんばんわ、ブッチさんいますか」


 牏著無く店に入るフィオに、意を決して『ええい、ままよ』と怪しげな店に足を踏み入れる。

 内装もコレでもかと言わんばかりに可愛らしく飾り立て、入り口のアレと相まって益々不安が掻き立てられる。

 カウンターには室内にも拘らず、ローブのフード目深に被った、蛙ズラの太った男が座っていた。

 ―――――――怪しい!!


「ふひっ、ふぃ、フィオちゃん、いらっしゃい、まっ、待っていたんだなっ」


 ――――――――――こいつ、待っていたと言いやがった!!


 不安が確信に変わった瞬間だった。


「ふっ、ふひっ、今日は、何がほしいのかな、なんだな、ひひっ」

「魔法の『スクロール』が欲しいんです、『フラッシュ』『フィールド・サーチ』『スピ-ド・ブースト』なのですけど」

「ひっひっ、ずいぶん、本格的なんだな、ひぃひっ」

「はい、今日採取に行ったのですけど、魔獣に囲まれてしまって危なかったんです」

「ひひぃ!! そっ、それは、大変だったんだなっ、おっ、奥で怪我が無いかっ見てあげるんだな!!」


 ―――――――こいつ、この機に乗じてセクハラする気だ!!


 セラの目が、どんどん塵でも視るかのような眼つきになってゆく。


「心配ありません、こちらのセラさんに助けて貰いましたから」

「そ、それは、よっ、良かったんだなぁ、ふひぃぃ・・・・」


 あからさまにガッカリした態度に、益々セラの目は厳しくなってゆく。


「はぅ、はじめましてなんだな、天使さん、錬金術師のブッ、ブッチ、なんだな、ふひっ」

「・・・・・・セラ・トレントです、どうも・・・背後に立ったら殺すかもしれないので、気をつけてくださいね!」

「どうしたんですか、セラさん!? なぜ、そんなに高圧的なんですか!?」


 セラの態度で、ブッチは自分がどう思われているのか理解できた、更には天敵であることも。


「ふひぃ! ぼ、ぼくは、この子、嫌いなんだなっ、ふひぃ!!」

「好かれちゃ、迷惑!!」

「セラさん!?」


 今までのセラの態度とは違う、明らかに好戦的な様子を見てフィオは当惑する。

 解る事は、セラは間違いなくブッチを毛嫌いしているという事だった。


「まっ、まぁ、いいんだなっ、それより『スクロール』だったんだな、今用意するんだな、ふひっ」


 太った体で、のそのそと奥に商品をとりに行くブッチ、それを見届けるとフィオはセラに振り返り、ため息をつきながら問いかける。


「セラさん、どうしてあんな態度をとるんですか!?」

「う~ん、難し質問だね。平たく言えば彼とは生理的に馬が合わない、かな?」

「でも、もう少し言い方と言うものが・・・」

「フィオちゃん、本当に天使だね。きみは、ずっとそのままでいてね」

「・・・・はいぃ??」


 セラが何故か温かい目で自分を観ているのかがわからず、彼女は困惑するばかりであった。

 そうこうしてる内に、ブッチが戻ってきた。


「おっ、お待たせなんだな、ふぃ、フィオちゃん。『スクロール』なんだな、ふひっ」

「はい、ありがとうございます。お代は幾らですか?」

「よっ450ゴルタ、なっなんだな」

「凄い、セラさん! 金額がぴったりです!!」

「大した事じゃないよ」

「ふひ?」


 店に来るまでのやり取りは、ブッチには知るはずも無いので、フィオが何に感心してるのかは理解できない。

 だが彼にとって、このやり取りは非常に不愉快であった。


「ふひっ、そ、それよりフィオちゃん、ポーションどうだった? 今度のは自信が在るんだぁ、ふひっ」

「正直に言えば、凄く飲みズラかったです。それになんだか、口の中と喉がイガイガして」

「ひっひ、そう、口と喉がイガイガ・・・・ふひぃ!!」


 蛙ヅラが顔を赤らめてのけ反っている。

 きっと、ろくでもない下卑た想像をしているに違いない、セラにはそう見えた。

 此の侭だと、フィオの身に取り返しのつかない事が起きるかもしれない。

 すかさず反撃に出る。


「口と喉にイガイガ? 悪いけど、君の調合の腕、大した事ないね」

「ふひぃぃ!?」

「だって、そうでしょ? ポーションは、多少苦味はあってもそんなイガイガする喉越しなんて無いし」

「ふひぃぃぃぃ!? なっ、何を言うんだな、ぼ、ぼくはこの村一番の、れ、錬金術師なんだな」

「けど、実際問題、のど越しに不快感の残るポーションを、フィオちゃんに売ったんだよね? だとしたら、君の腕前は大した事無い事になる」

「ふひぃぃぃ!! しっ、失礼なんだな、ぼっ、ぼくは今迄にそんなミスした事無いんだな!! 村の人達に聞いてみるといいんだな!! ふひぃぃ!!」

「じゃぁ、不良品をワザとフィオちゃんに売ったってこと?」

「ふひぃぃ!?」


 蛙ヅラが青ざめる。

 セラの最後の一言が、致命的な一撃となってブッチの心臓に突き刺さった。

 もう解っていると思うが、ブッチはその歪んだ性癖を満足させるために、フィオにワザと不良品のポーションを渡し、本人の口からその経過報告を聞いて、下卑た妄想をして楽しんでいた。

 ブッチはこの時気付いた、セラによって自分が誘導されたことに。

 口車に乗せられて、自分が致命的なミスを犯したことに。


「ちっ、違うんだな! ぼっ、ぼくは、そんな積りは無かったんだな、ふひぃ!?」

「そんな積りってどういう積り? ワザと不良品を売った事? 間違って不良品を売った事? フィオちゃんだけに売った事? フィオちゃんだけにしか不良品を作らなかった事? フィオちゃん以外の村人にしか、まともなポーションを売らなかった事?」

「ぼっ、冒険者の君に、れ、れ、錬金術師のことなんて、わっ、分からないんだな、ふひぃ!!」

「まぁ、そうなんだけどね」

「ふひぃぃぃぃっ、分かればいいんだな・・・これでも、ぼ、ぼくは寛容なんだな、謝れば許してやるんだな・・・ふひぃ」

「でも商売をしている身としては、これって信用問題になるんじゃない? 下手をすると客が減るんじゃないの?」

「ふひぃぃぃぃぃっ!?」


 セラの言ったことは正論である。

 自分の下卑た欲望を満たすために客を選ぶ商売人に、信用なんてされるはず無いのだ。

 だが、ブッチにはこの状況を打開する切り札が在った。


「し、信用なんて、い、要らないんだな! こ、この村には、錬金術師は、ぼっ、ぼくしか居ないんだな」

「ふぅ~ん、それで?」

「きっ、君には、ぽ、ポーションを売ってあげないんだな! き、君だけ、ポーションを買えず困ればいいんだな、ふひひぃ!!」

「別にいいよ、自分で作れるし」

「ふひぃ!?」

「えぇ!?」


 事の成り行きを見守っていたフィオも驚いた。

 冒険者だと思っていたセラが、錬金術師でもあるなんて、規格外もいいところだ。

 そして、自分の切り札が何の役にも立たないことを突きつけられたブッチも驚愕する。

 当然であろう。

 今目の前にいる少女は、ブッチにとって最悪の商売敵であったのだから。

 優位に立ったと思ったら、足元から崩されたのだ。


 オンラインゲーム『ミッドガルド・フロンティア』では、プレイヤーは冒険者であると同時に、二つの副職を選べるのだ。

 セラが選んだのは、『錬金術師』と『探検家』、アイテム調合とアイテム発見採取に特化した職業であった。

 アイテムマニアのセラならでわの選択である。


 そんな訳でブッチは今、人生最大の危機に直面することになったのである。


「ポーションを売らない? だから何? そんな事で僕をどうにかできると思っていたの? だとしたら、認識不足だったね。その程度の事は、僕にとって何の足枷にもならないんだよ?」

「ふひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「商売は、信用第一! 信頼なんていらない? よく言えたね、そんな事!! その言葉、村の人たちが聞いたらどうなるかな? 君はどうなるのかな? 興味深いね」


 天使の様な悪魔の如き断罪。

 その後、ブッチは泣きながらセラに謝ったのだ。

 ドン引きする位の土下座で。


 


 ブッチの道具やを出た二人は、フィオの家に向かっていた。

 所詮は小さな村なので、大して掛からずに着くのだが、セラの規格外の潜在能力に、フィオはスッカリ心酔して色々聞いてくる。

 村につく前と立場が逆転してしまっていた。


「フィオちゃん、もう日が暮れてきてるし、この辺でね」

「えぇ? ですが、もっと聞きたいことがぁ・・・・」

「さすがに、僕も疲れたよ。フィオちゃんも体を洗わないと」

「あっ、そこが私の家です・・・・て、あれ? 村長さん?」


 同じような家が軒を連ねるその先に、一軒だけ玄関口に人が立っている家が在る。

 すぐ傍まで行くと、白い髭を生やした初老の老人であった。

 そしてここがフィオの家なのだろう。


「やぁ、フィオ、お帰り、今日は大変だったと聞いとるよ。無事に帰って来てくれて何よりじゃ」

「村長さん、ただいま帰りました。それと、ご心配かけてごめんなさい」

「なぁに、いいんじゃよ、それよりそちらの御嬢さんが・・・」

「恩人のセラさんです」

「セラ・トレントです、今日を抜いて九日ほど滞在しようと思っています。よろしくお願いします」

「ふむ、何もない所じゃが、ゆっくりしていきなさい。外から来る冒険者は大歓迎じゃて」


 村長は長い髭をさすりながら、柔和な笑みをたたえている。

 一見して人の良さそな人で、ブッチの様な危険なものを感じない。

 まさしく好々爺といったいでたちだ。


 ―――――――――――アレと比べるのが間違いかなぁ。


「村長さんは、どうして私の家に?」

「ふむ、お前さんの事は、出稼ぎに行っとる二人にくれぐれもと頼まれているからのぉ、様子見がてらに来てみたんじゃ」

「そうですかぁ、あっ、じゃあ、こんな所でもなんですから、中でお茶でもどうですか?」

「よいよい、フィオも疲れたじゃろうて、今日はゆっくりと休みなさい。それに、風呂も入った方が良さそうじゃのぉ」


 村長はそう言いながら、フィオの着ている装備を指さした。

 衣服や防具は、血がこびり付きシミに為っている。

 髪も血で固まり、生臭い臭気を放っていた。

 

「・・・・・食事よりも先にお風呂にした方が、良いですね」

「僕はそれ程でも無いけど、フィオちゃんは先に入った方が良いよ絶対・・・」

「そうじゃろ? 儂の事などどうでもよい、年頃の娘がそんな恰好など気分の良いものではないぞ?」

「でも、せっかく家まで来てくれたのに、このまま返すのも失礼なんじゃ」

「律儀じゃのぅ、じゃがその格好でもてなされてものぅ」

「あうぅぅぅぅぅ」

「ここは、村長のご厚意に甘えた方が良いんじゃないかなぁ。その姿でお茶入れられても、むしろ失礼だよ。ていうか、美味しく飲めないと思う」

「うぅぅぅぅ、分かりました。今日はご厚意に甘えますぅ」 

「うむうむ、素直が一番じゃて、じゃぁ、またのぅ」


 本当にフィオを心配していたのであろう、どこか足取りが軽く見える。

 何せ魔獣に囲まれたうえに、大物まで倒したと聞いたら、どんな無茶をやらかしたのか気が気でしょうがなかったに違いない。

 手にした杖を突きながら、村長はゆっくりとした足取りで帰って行った。

 だが、その後姿を見送っていたその時、信じられない物を見た気がした。

 それは、村長の杖の先端に取り付けられた金細工。


 「!?」


 ―――――――――あっ、あれは、まさか、便器!?

 ―――――――――まさか、気のせいだよね? そんな事ないよね?


 セラはそのまま呆然と立ち尽くしていた。

 村長はすでに角を曲がって見えない、今から追いかけて確かめるのも、それはそれで失礼だ。

 しかし気になる。

 誰かに聞いても、きっと精神に多大な問題のあるイカレタ狂人扱いされ兼ねない。

 只一つはっきりした事は、この村はなんかおかしい。


「・・・・・さん・・・・セラさん」

「・・・・フィオちゃん? いま、村長の杖に・・・・便器が・・・」

「・・・・セラさん・・・・・疲れているんですよ。今日は色々ありましたから・・・」


 フィオはにっこりと微笑みながら、家の中に入るよう手を引てくれている。

 疲れていると言えば、そうかも知れないとセラは思う。

 召喚される前は、朝から高校に登校し、帰ってきて『ミッドガルド・フロンティア』にログイン。

 その後色々在り、この世界に強制召喚。

 そして現在に至る。

 約24時間起きたまま、睡眠も当然ながら取っていない。

 自分が思っている以上に、精神的に疲れていると判断する。


「セラさん、ようこそ我が家に」

「お邪魔します。フィオちゃん、今日から九日間よろしくね」


 こうして二人の長い一日が終わった。

 セラにとっては、初めての異世界生活である。

 元の世界に帰れるまであと九日、セラの異世界生活は始まったばかりなのである。



 余談

 今現在、セラとフィオは風呂に入っている。

 最初は、フィオが先に入るべきだとセラは断っていた。

 何せ、血塗れ状態になったのだ、セラは早めに風呂に入ってもらって、スッキリして貰いたかった。

 しかし、ここでフィオが、客より先に風呂に入る訳にはいかない、それに自分が先に入ったら風呂が汚れると断固として譲らず、止む終えずセラが先に入る事になる。

 そして、セラが入った後に、直ぐフィオが風呂に入ってきたのだ。

 今どうなっているかと言うと・・・・


「うわぁ~ セラさん、肌綺麗、それにこんなにスベスベ・・・・いいなぁ」

「ひょわぁ!? いきなり触らないでぇ、くすぐったいぃ」

「わたし、ちょっと、ぷにぷにだしぃ~~ぃ、うらやましよぉ」

「ちょ、そう言いながら、お尻さわるのは、ちょっとぉ~~~っ!?」

「胸も、大きいし、えい! うわ~~ぁ、やわらかぁ~~い」

「ひにやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 揉まないでぇ~~~~~~っ!?」


 今日一日で色々な物を無くし、更に今も無くし続けるセラ。

 彼女の、いや、彼か? の受難は続く。

 ―――――――合掌

 

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