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僕、お師匠様になりました ~六日目 地下迷宮と異端審問~

 ようやく軌道修正できました。

 長かったです、本当に長かったです。

 一度、地獄が見えました。

 ・・・・・ストック大丈夫だろうか・・・




 霧のかかる畑の畦道を、セラは一人歩いていた。

【アムナグア】の戦闘で疲れ果てたセラは、昨日の早朝から昼にかけてに十分な仮眠を取ったため、さほど眠らずに目が覚めてしまったと思われる。


 昨夜の馬鹿騒ぎじみた【アムナグア】の追悼の宴は、日付が変わる頃にはお開きとなり、酔いつぶれた村の人々は無残な屍と化していた。

 幸いこの辺は気候が温暖であり、夜に腹を出して寝ても風邪をひく心配はない。

 セラもその騒ぎに参加していたが、二十人余りを酔い潰し村人に恐怖を与えたのである。

 だが、大量の酒を飲んだのにも拘らず、何故かこんな朝早くに目が覚めたのだった。

 宴が終わった後も起きていたのだだが、少し仮眠を取っただけで目が覚めてしまい、暇を持て余しこうして散歩がてらの見回りに勤しんでいた。


「結構霧が立ち込めるんだね、前を進むにも【フィールド・サーチ】が必要になるなんて、でも魔獣は居ないみたいだから良いけどね」

『うむ、中々清々しいものだのう、鱗だらけの元の躰ではこうもいかぬ、誠に新鮮じゃ』

「鱗や鋼殻って何も感じないの? ヴェルさん」

『全く感じぬ、このような至福のひと時が有るなど、ついぞ知らなんだ・・・羨ましいのう』

「そう言えば、お風呂に入った時はどうしてたの? 目覚めたのは一昨日の夜なんでしょ? じゃぁ、その前は?」

『う~~む、何やら夢心地の様な気分じゃったが・・・おぉ、そうか! アレが風呂とやらか・・・今日は入るのじゃろう? じっくり楽しみたいのじゃ』

「満喫してますねぇ、まぁ、しょうがないか、願いが叶ったんだから」

『うむ、しょがないのじゃ! じゃから今日は頼むぞ、風呂を味わいたいのじゃ!』


 どうも、ヴェルさんは結構可愛い性格の様だ、初めての物に一喜一憂し子供のようにはしゃぐ。

 この龍王様は、今まで感じた事の無い体験を楽しんでいる。

 そんなヴェルさんが微笑ましく、また、人で無い事が残念だった。

 微笑みながら畦道を進んでいると、ちょうど居住エリアの少し離れた場所に、何かの建物を発見する。

 霧で翳んでよく見えないが、明らかにこの村には不釣り合いの物である。

 

「何だろねアレ、何かの建物のようだけど?」

『我に聞かれても判るはずなかろう、確かめるには近づけば良いだけじゃ』

「それもそうだね、それじゃあ、行ってみますか!」

『うむ、思い立ったら即決行じゃ!!』


 可愛らしく弾んだ声が脳裏に響く。

 人の世を知りたくてしょうがないという感じだ、そんなヴェルさんが本当に可愛い。

 あの、とんでもなく巨大な最強のドラゴンとは思えない。

 だが、ひとたび怒り出せばその脅威は半端じゃ無い。

 圧倒的な攻撃力と破壊力で、敵対する者全てを殲滅する恐るべき魔獣なのである。

 そんな事を考えていると・・・


「!?」

『なんじゃぁぁ!!』


 転んだ。

 幸い下には生い茂った草が有るため、怪我一つ負わなかったが、何か大きな物に躓いたのは間違いは無かった。ただ、かなり固い物である事が脛から伝わる痛みで分かる。

 躓いた右足の脛を摩りながら、何に躓いたたのかを確認すると、そこには非常識な物が転がっていた。


「・・・・・何で・・こんな物が・・・」

『・・・・・在り得ぬ事じゃのう・・・・・』

「・・・コレは・・・何処から来たのか・・・・・」

『・・・・・・考えたくも無いのじゃが・・・・・』


 セラとヴェルさんは困惑する。

 こんな畦道には、いや、どこの道にもこんな物が落ちている筈がないのだ。

 鏡の如く磨き上げられた金色に眩く輝く、純金の水洗式便器がだ。

 その黄金便器が畦道に半ば程埋まっているのである。

 変な汗が流れて行く。


「・・・・・見なかった事にしようか・・・有名な某メーカーさんが見たら怒るよ? コレ・・・」

『・・・・・その方が良かろう・・・某風呂技師が見たら喜びそうじゃが・・・・・』

「逆に怒るよ、品が無いって・・・けど、取り敢えず、初志貫徹、目的地に、Lts、GO!!」

『・・見ない事が幸せと言う事もある・・・忘れようぞ・・』


 黄金便器を置き去りに、セラとヴェルさんはその場を逃げるように離れた。

 だが、その行為はあまり意味などなかった。

 目的の建物を見たとき絶句する。


 その建物は三分の一程の状態で建っており、その内部が丸見えであった。

 壁一面に黄金のタイルが張り巡らされ、何処かの神殿の様な柱が辛うじて残っている。

 後は殆んどが瓦礫となっており、その建物の周りには大きな岩が無数に転がり、あるいは突き刺さっていた。まるで、この岩全部が吹き飛んで来て、この建物を破壊したかのようだ。

 いやな汗が止まらない。

 この建物が破壊された原因に、心当たりが有り過ぎた。


「・・・これ、もしかして、【ディストラクション・バースト】と【エアバースト・ブレス】で・・・」

『・・・・・それしかあるまい・・・にしても、神殿とやらにしては品が無いがのう・・・』

「・・・・・あの便器・・・まさかここから?・・・・」

『・・・・・・・思い出させるでない・・・記憶から消したいのじゃ・・・・』


 この建物が何なのかは分からない、しかしこの建物が破壊された原因は少なからず自分に在る。

 まさかこの建物を弁償するために、この村で奴隷生活に為るのではと後ろ向きな想像が脳裏に過る。

 流石にこれは嫌な想像だった。

 しかし在り得ない事では無いので、頭を抱えるしかない。

 セラはこの謎の建造物を呆然と見つめていた。


『のうセラよ、あの床の所に穴が開いておる様じゃが・・・何であろうのう?』


 ヴェルさんの声で我を取り戻し、云われた場所を見ると確かに穴のような物が見える。

 近づいて調べてみると、金のタイルの下に石畳が有り、その石畳が崩落して人が通れる位の穴が開いていた。初級魔法の【ファイアー】瓦礫を破壊して次いでに穴を広げてみると、どうやら地下に続く階段の様であった。

 どう見てもタイルが後から敷き詰められたようで、この建物自体は相当古いものらしい。


 そうと分かれば気にも留めなくなる。

 村が出来る以前の物であるなら、それは遺跡である。

 冒険者たるもの、遺跡を見たらまず入るがモットーでなければならない。

 俄然やる気が出てきたセラであった。


「ヴェルさん、ちょっと覗いてこようかと思うんだけど」

『ふむ、面白そうじゃのう! 構わん、Lts、GOじゃ!』


 同意を得たセラは、嬉々として階段を降りて行く。

 暗く何処までも続く長い道のりを、鼻歌交じりでスキップしながら下りて行った。

 完全に散歩の延長である。

 五分くらい階段を降り続けたであろうか、突然開けた場所に出る。

 そこは地下にあると言うのに明るく、重厚な石積みの壁が広がっていた。

 予感は的中した。


「間違いない、ダンジョンだ! 村の地下にダンジョンが在るなんて、最高だね!」

『なるほどのう、これが目的じゃったか! 得心が行った、あの冒険者達は迷宮に足を踏み込んでおったのか! 知りたかったことが体験できるとは実に良いのう!』


 こうしてセラは朝の散歩がてらに、迷宮へと突き進んでいった。



 フィオが目を覚ますと、セラの姿は何処にもなかった。

 どこを見渡しても姿は見えず、きっと散歩にでも出かけたのだろうと思う。

 フィオにとって、セラは憧れの存在になっていた。

 歳も近いと云うのに他者の追随を許さぬ圧倒的な強さを持ち、誰も知らない様な知識を備え、何よりそれに溺れていない意志の強さと優しさを持つ、最高にて最強の冒険者である。

 自分の遣りたい事を貫いてきた本物の実力者で、母の話の通り教師にするには正に理想の存在だった。

 

 フィオが本物の冒険者を目指しているのには、両親のとりわけ母親の影響が強い。

 物心ついた時には両親達は家を空ける事が多かった。

 父親は行商人で各地を回り、商品を安く仕入れては別の町や村で売る、聞いた話ではかなり御得意様がいるらしい。

 そして母親は冒険者で、父親の護衛を兼ねて共に旅をし、夫の商いの合間を縫っては依頼を受け魔獣の討伐をしている。


 父親は寡黙な人で余り言葉を交わさないが、優しい人だという事は分かる。

 逆に母親は少し落ち着きが無く、騒がしい人であった。

 その両親達が村に帰って来る度に、この母親は身振り手振り、時には誇張を踏まえ土産話に華を咲かせるのである。

 

 そんな母親の話から外の世界に目を向けるようになり、いつしか自分も両親の様に旅をしたいと思う様になっていった。

 そして駆け出しの冒険者となり、村の冒険者達の協力で簡単な仕事なら出来るようにまでなった。

 そんなある日、フィオは出会ってしまったのだ。

 銀色に輝く髪をなびかせ、観た事も無い強力な武具を身に纏い、魔獣すらも瞬時に倒す最強の冒険者に。

 母親以上の存在、圧倒的な美しさと禍々しさを兼ね備えたその姿に、フィオは魅入られた。

 この数日一緒に暮し、その凄さに当てられ、憧れを抱いたのも無理はない。

 そして、【アムナグア】をセラが倒したと聞いた時が決定打になった。


 内に芽生えた思いは、もう止められない。

 今日こそ、勇気を出して言うのだと心に誓う。

 だが、そのセラが見当たらないのだ。

 どこに行ったのだろうかと首を傾げる。


 丁度その時間に、まさかダンジョンに嬉々として足を踏み入れていた等とは、夢にも思は無いだろう。

 その事実を知り驚くには、まだ少し時間が在った。




「・・・何と言う事じゃ・・・・様の・・・祭壇が・・・」


 セラがダンジョンに突入した少し後に、ロカス村の村長コゴックは、崩れ落ちたその建物の惨状を見て身を震わせていた。


 そこは先程セラのいた場所であり、村長にとっては神聖な場所であった。

 数日前セラやフィオと別れた後、自宅で持病のぎっくり腰に苛まれ、ここ数日床に伏せていたのだが、ようやく歩けるようになり日課の祈祷に訪れた時、この惨状を目にしたのである。

 村の衆の報告によれば、災害指定魔獣【アムナグア】がこの村を襲撃したらしいのだが、まさか此処までの被害を被るなど思っても見なかった。


 建物の三分の二が崩れ落ち、中央には大きな穴が口を開き、辺り一面には瓦礫が散乱し、所かしこに巨大な岩が転がっていた。

 余りの惨状に身を震わせていたが、やがて崩れ落ち、悲しみの嗚咽を上げる。


「・・・おお・・お許し下い・・・必ずや・・・様の祭壇を・・・貴方様の威光の象徴を・・・」


 悲しみに打ち震える村長は、静かに立ち上がり、新たな決意を胸に秘めていた。


「・・・祭壇を直さねば・・・村の衆は解体小屋か・・・」


 その足取りは力強く、まるで覚悟を決めた聖人のようである。

 その顔には、ある種の決意が見えて取れるほど、毅然としたモノであった。

 村長は歩む、果てし無き茨の道を・・・・




「いやぁ、良い朝だ! 今日も快調、素振りも捗るぜ!!」

「・・・・・レイも飽きないわねぇ、どうして男って強さに拘るのかしら・・・・」

「それがレイルの良い所です。常に自分を鍛える事等、なかなかできる事ではありませんよ?」

「・・・そうなんだけど・・・ハァ・・・(何でこんなの、好きに為っちゃったんだろ)」

「思いは、割り切れる物では無いと言います、まま為らないモノですね・・・」


 レイルの朝の日課でもある素振りを横目に、ミシェルとファイは女子トーク。

 この女子二人の感情は、他人から見てもまる分かりであり、隠す意味など無いのだが、当のレイル自身が全く気付いていないのである。

 ミシェルもファイも、お互いを思いやる友情のために、身を引く決意すら立てていると云うのに、レイルは只ひたすら強くなるために己を磨き続けている。

 そんな三人を周りはどう見ているかと云うと・・・・・


「・・・・・何であいつ、気付かないんだ?・・・・」

「・・・・知らん!・・・・・くそっ!! リア充めっ、爆発しろっ!!」

「・・・・・ファイ、ミシェル、辛い恋をしているのね・・・・」

「・・・いい加減、気づきなさいよ! 可哀想でしょ!!」

「・・・・・気づいたらどうなるんだ? 両手に華か?・・・」

「・・・・・それは許せん!! 異端審問にかけるか!!」

『『『『『『『異議なし!!』』』』』』』


 何やら物騒な会話が飛び交うが、矢張りレイルは気付いていない。

 鈍感にもほどが在る。

 傍から見れば、やきもきさせられるのが半分、残り半分が嫉妬と憎悪であった。

 レイルがこの村から、生きて帰る事が出来るのかは謎である。

 彼の無事を祈りたいと思う。



 セラは迷宮の五十七階層まで進攻していた。

 襲い掛かる魔物を交わし、鼻歌交じりで一撃で始末する。

 倒された魔物は、まるで砂のように崩れ消え去ってゆく。

 中にはドロップアイテムと思しき・・・と云うより其の物と言うべきアイテムを置いて行く者もいた。

 まるでゲーム感覚で進んできたが、これは決してゲームなどでは無い。

 現にステータス画面など見当たらず、また各種アイコンなども存在しない。

 現実にゲームの様な魔物が存在しているのだ。

 首を傾げながらも、セラは問答無用で魔物を蹴散らしていた。

 一切の魔法を使わずに。


「大漁、大量、ジャンジャン来なさい! 纏めて蹴散らしてあげるよ! あははははははははっ!!」

『何故に、このような魔物が存在するのじゃ? まるで電子世界の様じゃ』

「いいじゃん、いいじゃん、細かい事なんて! 手に入らなかったアイテムが山のよう!!」

『・・・・・テンション高いのう、まぁ、良いか! それより少し小腹が空いてきたのう』

「・・・・・この辺でお開きにして、ご飯にしようか。どうせ一撃必殺なんだし、楽に上まで上がれると思うし、腹が減っては何とやら!」

『そうじゃの、焦る事など無いしのう、食事は大切な物じゃ』

「そんじゃ、上までLts、GO!!」


 こうしてセラ達は元来た道を戻ってゆく。

 バカみたいな笑い声を上げ乍ら、アイテムを回収し、嬉々として地上を目指して行く。

 正に、魔王の様な所業で殺戮を繰り返しながら。



「皆の衆、聞くのじゃぁ!!」


 解体小屋まで来た村長は、普段からは想像もつかない様な声を荒げ、村人全員を招集する。

 丁度その頃、【アムナグア】の解体作業の真っ最中であり、この村の人間すべてが集まっていた。

 村長の様子からかなり深刻な事態が起きた事を察する。

 一次解体作業を止め、全員がその場に集結する。


「皆の衆、深刻な事態が起きた!! この作業を止め、この事態に総力を挙げて取り掛からなければならぬ!!」

「何だ爺さん、また何処かの商人が、いちゃもん着けて来たのか?」

「ソンな温い事でわないわぁっ!! このバカたれがあぁっ!!」


 今までに無い剣幕からかなり深刻な事態だと結論付け、村人が真剣な面持ちで固唾をのむ。

 そん顔を村長は睥睨し、用件を伝える。


「祭壇が壊れたのじゃ!! 至急修復をする必要がある、皆の者は総力を挙げ其方の作業に従事するのじゃ! 分かったか、このバカ共があぁっ!!」


 それを聞いた村人達は、ある者はあきれ果て解体作業に戻り、ある者は頭を抱え、またある者は戦慄して震えていた。

 解体作業に戻ったのは若者たちで、頭を抱え戦慄したのはそれなりの年齢を重ねた者達だ。

 ただ解る事は、この村で再び厄介な事態が起こったという事である。

 ボイルも頭を抱えた一人であった。


「爺さん、無茶を言うなよ。この村の何処にそんな金が在んだよ! 修復は無理だ、諦めろ」

「何を言うかっ、この罰当たりがあっ!! 金が無ければ作れば良いではないかっ! それこそ村の若いモンを奴隷として売り捌いてもなぁっ!!」

『『『『『『ふざけんなあぁっ!! この糞爺いぃっ!!』』』』』』


 若者たち全員が声を上げて逆らう。

 まぁ、高々祭壇が壊れたからと云う理由で、奴隷として売られたらたまった物ではない。

 この暴言は、あまりにも殺意を掻きたてる物だった。


「なんで、爺のおかしな信仰のために、あたし達が犠牲に為らなきゃならないのよおっ!!」

「まったくだ!! 俺達を何だと思っているんだっ、ザケンなっ!!」

「・・・・・村長さん・・・酷いです・・・そんな屑な人だったなんて・・・くたばれ!!」

「あの祭壇作んのだって、相当金塊を使ったんだろ? あの金塊が在れば、生活もまだマシだったんじゃ・・・・・」

「とんだ狂人だぜ!! 構う事はねぇ、シカトだ! シカト!!」


 若い衆の怒りはもっともだ。

 しかし、信仰に生きる者は大抵が盲目的で敬虔である。

 だが時として、それは狂気に走り出す事も在るのだ。

 この村長の様に・・・・


「何を言うのだ、この痴れ者共!! お前達は神に生み出され、神に生かされているのだ!! その神の為に身を捧げ様とは思わんのかぁ、この罰当たりがぁっ!!」

『『『『『『思わねぇよ、ふざけんじゃねええぇぇぇぇっ!!』』』』』』

 

 行き過ぎた宗教弾圧は、当然反抗勢力が現れ駆逐される事が多い。

 それは今起こっている事態でも同じことである。

 若者達は手に武器を持ち、危険な目で村長を睨みつける。


「・・・な、何じゃ!? お主等何をするつもりなのじゃ!!」

「別に大した事じゃねぇよ、この村に必要のないモノをぶち壊すだけだ!」

「あの金塊を融かして売れば、道を整備する位は出来そうよね・・・」

「・・・・・だな、破壊からこそ秩序は生まれる・・・・」

「野郎共おおっ!! あの祭壇を完膚無きまでに破壊するぞ!! 跡形も無く存在を消し去れぇっ!!」

『『『『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』』』』』』


 若者達はどこぞの革命を興した民衆の如く、怒涛の勢いで進軍してゆく。

 村長に止める術はない。

 彼等の殆どが冒険者であり、体力も一般人よりも遥かに高い。

 村長は気付くべきだったのだ、祭壇の為に村人達が相当不満を溜め込んでいた事を。

 そして、それは滔々爆発したのだ。

 彼等の反逆は始まった、もう止める事など不可能に近い。

 村長は言葉を選ぶべきだった・・・・・・・


「・・・・・何か、変な事が起きてますね・・・皆さん何処に行くのでしょう?」

「・・・あたし達には関係ないわよ、それよりお腹すいたわね」

「んじゃ、飯にしようか! あぁ~~いい汗かいたぜ」

「・・・・あんた達、悪いんだけど、あいつらを見て来てくれない? あたし達は手が離せないから」

「イーネさん・・・あいつら如何したのよ? かなりおかしな状態なんだけど・・・」

「・・・・いろいろあるのよ、この村には・・頭の痛い問題がね・・・」


 その時のイーネは、心底疲れた顔をしていたという。

 レイル達は顔を見合わせ、首を傾げる。

 ただ、何故かは知らないが不憫に思え、その頼みを受けたのであった。



 怒りに身を任せた村の若者たちは、祭壇を手当たり次第に壊していった。

 金のタイルは剥がしまくり、建物は叩き壊す。

 村長の暴言が、ここまでの事態を招いてしまったのだ。

 最早、この祭壇が存在する事を許さない。

 彼等は、エルサレムを奪還した十字軍の如く、祭壇を破壊して行く。


「・・・やめろ、止めるのじゃ痴れ者共よ! 神の裁きが下るぞ!!」

「知るかぁ!! 変な神より明日の飯だあぁ!!」

「こんなに金を溜め込んで、何て無駄な事してんのよ!!」

「ギャハハハハハハッ!! 壊せ、壊せぇっ!!」

「・・・・・この穴に在るの階段じゃないか? けど此処にはアレが在ったはず!?」


 最早収拾の着く問題では無かった。

 追いついたレイル達も流石に如何するべきなのか、困惑するばかりである。


「・・・来たまでは良いけど・・・ど~ぉすんだ是? 止める気はないけどな」

「そうよね、勝手に奴隷として売り捌こうとしたんだから、天罰よ! きっと・・・」

「自業自得ですか、怖ろしいものなのですね・・・・・」

「お主たち!! あやつらを止めてくれぇっ、何なら殺しても構わん!!」

『『『無理!!(です!!)』』』


 正義はどう考えても彼らに在り、止める積もりは毛頭無い。

 何より彼等の恨みを買いたくなどなかった。

 誰だって我が身がかわいい。


 そんな折、セラが嬉々として穴の中から姿を現した。


「あれ? 皆さん何をしているんですか? 純金タイルも剥がして、もしかしてこの建物壊すんですか? もしそうなら、穴は残しておいてください」

『『『『『『セラ!?(さん!?)《《先生!?》》』』』』』』


 一同驚愕する。

 だが注目の人物は、かなり舞い上がっていた。

 満面の笑みを浮かべ小躍りしながら、ステップを踏みクルクル回りながらこの場から去ろうとする。

 呆然としていたボイルが我に返り、セラを止める。


「お、おい、ちょっと待てセラ、おめぇ何処に行って、何で穴から出てくんだよ?」

「この下に在るダンジョンで遊んで来ただけですよ? 御蔭で欲しかったものが手に入りました」

『『『『『『ダンジョン!?』』』』』』


 この世界において【ダンジョン】とは、かつての【神族】の居住地の成れの果てである。

 建造物に自己修復魔法屋や時空間魔法など、多様な魔術を持って造られていたのだが、先の大戦で破壊され放置されていたものが、術式の暴走により再構築されたものである。

 原理としては、まず自己修復魔法が建物を再生させようとする、ある程度の大きさにまで建造物が再生すると時空間魔法が発動するのだが、あくまでこの魔法は狭い部屋を広く使う為の物であり、広大な広さを持つ場所では効果が無く、再生された建物の内部に効果が発揮してゆく。


 その結果、狭い部屋の中に広大な敷地面積を持つ入れ物が完成する。

 その入れ物が、近くにある同じ入れ物と結合し、また同じことが繰り返される。

 そうして巨大な建物の中に、途轍もなく広い空間を持った再生建造物が【ダンジョン】であった。

 また、ゴーレムなどの防衛兵士構築魔法が誤った作動で、近くにある骨や虫と云った屍を取り込み、その遺伝子情報を組み込み再構築を繰り返す事で、多くの魔物が作り出されるのである。

 

 魔術式は常に暴走状態で、術式が複雑に絡み合い、当時の装飾品だけでなく薬草や【スクロール】と云ったものまで再生され、それを求めてダンジョンに足を踏み込むのが冒険者であった。

 ドロップアイテムは無機物なので持ち出す事は可能だが、魔物は防衛機構の一部なので倒されると壊れ、再び再生される。またドロップアイテムの殆どが魔物の核としての役割が在り、倒すと残るのは素材に為った物に限りなく近いものでなければならないからだ。


 例えば植物の魔物を倒すとする、その魔物が薬草を基盤としたモノなら、核である薬草が残ると云う訳だ。そうしなければ、この植物の魔物は簡単に崩れる事になる。

 核となる物が多ければ多いほど魔物も強くなるのが、その分残るアイテムも増える。

 また、薬草は植物で生き物であるが、ダンジョンの薬草は、薬効成分のある無機物である。

 物質構成は同じなので、体に影響はない。


 余談ではあるが、自己修復魔法は物質の再構築魔法の事で、原子単位から物質を生成するのだから【神族】の魔法技術は驚嘆物である。


 そのダンジョンがこのロカスの村の祭壇の真下に広がっている。

 村の若者たちは息をのんだ。



「ダンジョンの方は取り敢えず置いといて、皆さん何遣っているのでしょうか?」

「置いとくのかよ、まぁいい。実はよぉ・・・・・・・・」


 一通りボイルから説明を受けたセラは、可哀想な目を村長に向けた後、深いため息を吐く。


「皆さんの方が正しいですね。壊すのは兎も角、金は売り払いましょう」

「だよな、やっぱ、お前ら気持ちは分かるが金だけを集めろ! 村長には良い薬だ!」

『『『『『『おおおおおおおおおおおおっ!!』』』』』』


 若者たちは金だけを集め始める。

 かなり大量で重いが、怒りが勝り容赦なく剥がして行く。

 瓦礫を調べては、金を見つけ剥ぎ取っている、欠片も残す積りが無いようだ。


「やめろおおっ! やめるんじゃぁ!! ダンジョンが発見されたのも、カワヤハバカリ神様のお導きじゃ!! そのお慈悲を、この様な唾棄すべき真似をするなど、神罰が降るぞぉつ!」


 ―――――今この爺さん、何て言いましたか?

 ―――――カワヤハバカリ神?

 ―――――トイレの神様!?

 

「・・・・この村・・・トイレの神様信仰しているんですか!? しかも、女神じゃないのっ!?」

「村長だけだがな、俺達には迷惑なだけだ・・・・ついでに、全裸で便座に座るイケメンらしいぞ?」

「何をいうかぁ!! カワヤハバカリ神様は、ありとあらゆる不浄の物を、洗い流してくださる偉大な神様じゃぁ!!」

「確かに流すよねぇ!! 別の意味の不浄の物をっ!!」

「ボイル!! お主とて、この祭壇を作るのに喜んで手を貸したではないかぁ!!」

「そうなのぉっ!?」

「そこが分かんねぇんだよな、気が付いたら俺達はこんなもん作ってやがった」


 その一言で嫌な予感がした。

 一人いるのだ、今も似たような状況に身を苛まれている、不憫なドワーフを。

 もし彼の病気がこの祭壇と関係が在るのなら、そうなる理由がそこに存在する。

 ゼンマイ仕掛けの様な動きで村長を見据え、セラは聞く。


「・・・村長・・・アンタ・・・いったい、何した?・・・」


 村長は首を背け、こちらを見ようとしない。

 よほど後ろめたい事が在るのだろう。


「な・に・を・し・た!!」


 詰め寄るセラ。しかし村長は顔を背けたまま額に多量の汗が流していたが、それでも答えない。

 明らかに、この老人は何かを知り隠ぺいしようとしている。


「・・・・・俺、知っている・・・」

「なんですとぉっ!? 詳しく聞きましょう!!」

「アレは・・俺がまだ俺が九つになったばかりの事だ・・・・・」


 彼がまだ九才になった頃、突然村長は祭壇を作りたいと言い出した。

 村人達は何でそんな物を作ろうとするのかは分からなかったが、他ならない村長の話だったので真剣に耳を傾けた。しかし、村長の話は余りにも莫迦ばかしいものであり、村の人達は次第にあきれ果て、やがて聞く耳を持たなくなった。

 それと云うのも、まつる神がトイレの神であり、祭壇には黄金をふんだんに使う物であった。

 それだけの金が在るのであれば、村を改善するのに回した方が百倍増しである。


「けど村長は諦めなかった!! 毎日、村の家を周り何度も頭を下げ、便所神の祭壇を作るのを何度も懇願し続けた!!」

「何でそこで、何か偉業を成し遂げる、偉人を褒め称える言い方なのさ!!」

「その内に、一人、また一人と村長に賛同し始めて、いつしか村中の人達が村長に従う様になった・・・」


 彼の両親は最後まで抵抗したリーダー格であったと云う。

 しかし、仲間たちは次第に減ってゆき、彼の両親を含む数名だけが孤立していった。

 そしてある晩、彼は見てしまった。

 夜中にトイレに起きた時、両親の寝室が開いてる事に気付き、そっと中を覗いてみると、そこに村長がいたのである。

 村長は、眠る両親の枕元で、耳元に何かを呟いていた。

 次の日、両親の様子は明らかに異常だった。

 目は虚ろで、何処かをあらぬ方向を見つめ、何やらブツブツと呟いていた。

 挙句の果てに、『偉大なる、カワヤハバカリ神様、万歳!!』等と言いだしたという。


「・・・・あの時のオヤジ達、明らかに狂っていたなぁ・・・・・・」

「マインドコントロールぅ!? 洗脳だよねそれ、しかも住居不法侵入!! 完全に犯罪だよそれ!!」

「村長・・・アンタ何て真似をしやがったんだ!!」

「くっ、まさか目撃者がいたとは、だが証拠はない!!」

「この爺さん、開き直りやがりましたよ!」


 犯罪とは状況証拠では立証できない。

 明確な物的証拠が在って、初めて立証できる物である。

 それを笠に着て、村長は踏ん反り返る。

 マジでムカつく。


「・・・・・皆さん、金を回収したらロックさんの所で全て融かしてください。祭壇は僕が跡形も無く消滅させます!!」

「なっ!? させんぞ、やらせるものか!!」

「後、村長はロープか何かで捕縛しておいてください! 人の心を弄んだ者に、最早見る夢は有りません!!」

『『『『『『まかせとけぇ!! 村長を異端審問だあああああああああああっ!!』』』』』』

「やめろおおおおおおおおおおおっ!!」


 村長は縛り付けられ連行されて行く。

 その後、金を回収し終えた後、村長の目の前で祭壇を跡形も無く消し去った。

 消滅する祭壇を、狂信者はただ呆然と見続けていたと云う。


「・・・・・何であんな人が村長をやっているんですか・・可笑しいですよ、カテジナさん・・・」

「誰だよそれ、まぁ、村長もアレが無ければ良い人なんだよ。信仰が入ると人が変わるが・・・」

「この村には真面まともな人は居ないんですか・・・」

「失礼だな、おい! そう言いうセラも十分おかしいじゃねぇか!」

「酷い、僕は充分真面ですよ」

「そう、言いきれる奴の何処が真面だ? 真面なら黙っているもんだろうが」

「否定できない・・・・」


 ボイルのスピード狂、ジョブの筋肉至上主義、そして村長の異常な邪教信仰。

 これがロカス村の三大禁忌である。

 その非常識振りに、セラも頭を抱えたくなる。

 この村は非常識の集団であった。

 その全てを知り、最早溜息すら出なかった・・・・・



「ダンジョンか! セラの奴、面白いモン見つけたな!」

「もう既に迷宮に潜る気ですね。ですが、迷宮は是までの依頼で培ってきた技術は、通用しないと言われています。準備は怠らない方が賢明ですよ?」

「そうね、考えてみるとあたし達、迷宮に入った事なんて無いもんね」

「セラは行き成り降りて、無事に戻って来たぞ?」

「あの子と比べるのは間違いよ! あの子、慣れてるみたいだし、各が違い過ぎるわよ!」

「上を目指すのは悪い事ではありませんが、足元を疎かにしてはいずれ失敗します。慎重に行きましょう」

「確かにな、取り敢えず準備を整えて置くか、セラとパーティ組めば何とかなるだろ!!」

「「・・・・直ぐにでも行きたいのね(ですね・・)・・・ハァ・・・」」


 レイルは、まるで子供のように楽しそうな笑みを浮かべ、ダンジョンへと続く階段を眺めている。

 彼は知っているのだ、本当の冒険者とは、冒険をする者達の事を指すという事を。

 そして、まだ見ぬ世界が今目の前に在るのだ。

 彼の好奇心は止まらない。

 それを知っている故に、フィオとミシェルはため息を吐くしかなかった。



「うん、美味しい! フィオちゃん料理が上手だね、お嫁に来てほしいな!」

「はう、そんな事在りませんよぉ、セラさんの方が上手です」

『謙遜するでない、誠に美味じゃぞ? うむ!』

「あううぅ、ヴェルさんまで・・・恥ずかしですよぉ・・・」


 フィオの家に戻ってくると、既に朝食ん準備は出来ており、フィオはセラが戻ってくるのを待っていてくれた。

 別に先に食事を摂ってくれて居ても構わなかったのだが、フィオのこう云う所がまた微笑ましかった。

 セラは、きっとフィオは良いお嫁さんに為るだろうと、本気で心からそう思っている。

 元の世界で出会っていたのなら、間違いなく可愛がっていただろう。

 ロリと言われても構わなかった。

 セラは知ったのだ、可愛いは正義だと。


「セラさんは、朝早くから何処に出かけていたのですか? 私が目を覚ました時には、いませんでしたけど」

「ちょっと、ダンジョンの五十七階層まで散歩してたよ。欲しかった物が手に入って、気分は最高!!」「・・・ダンジョンて・・迷宮ですか!? そんな場所何処に在ったんですか!?」

「壊れた祭壇の床から出て来た、アレを見たら踊りたい気分だったよ」

「・・・祭壇・・・あの場所にて、セラさんあの場所を見たんですか!?」

「うん、ダンジョンから出て来た時には、皆さんがぶっ壊している最中だったけど」

「・・・壊してって、いったい何が在ったんですか?」

「さあ、みんな色々とあるんだよ」

『アレは壊して於くべきものじゃ、気にする事は無い』


 フィオは首を傾げる。

 だが、あの祭壇が壊されたことは喜ぶべき事だとも、思っている。

 セラがこの村に来た日、ボイルとの話でセラをあの祭壇に近づけさせない事を約束していた。

 何故なら、あの祭壇は何処に出しても恥ずかしい、この村で一番の恥だからである。

 だから村の人間全てが、あの祭壇の事を隠蔽しようとしていたのだ。


 トイレの神を信仰しているなどと、恥ずかしいうわさが流れたら正直死にたくなる。

 ましてや其処の村の住人だと知れたら、想像するだけで恐ろしい。

 正直、フィオも死ぬほど恥ずかしかった。

 ましてや、尊敬するセラに知られたらと思うと、顔も合わせる事が出来ない。

 この問題が、フィオの一大決心の邪魔をしていた理由の一つである。

 だが既にその問題は解消された。

 後は勇気を出すだけであった。


「セラさん! お願いが有るんですけど、聞いてくれますか?」

「な、何フィオちゃん、僕に出来る事であるなら構わないけど・・・」


 唐突に真剣な表情で切り出してきたフィオに、セラは少し怖かった。


「どうしてもセラさんに頼みたいんです! いえ、セラさんじゃなきゃ駄目なんです!! セラさんが良いんです!!」

「えっ!? えええぇっ!? そんなに重要な案件なのぉっ!? 一体どんな・・・・」

「セラさん!! 私の、お師匠様になってください!!」

「へっ!?」


 珍しいフィオの強引な行動に戸惑うセラ。

 だが次第に言葉の意味を理解してくる。


 ――――お師匠様≪何かを教える者≪つまりは冒険者≪師弟関係≪僕がフィオちゃんの!?


『それは良いのう、我も人の世を知るためには協力者は多い方が良い! 何より楽しそうじゃ!』

「やっぱり、逃げ場を塞がれてる!!」

「セラさんが、これでもう安心だと言う位の実力が付く迄でいいんです!! 御願いします!!」

「完全に、逃げ場を塞ごうとしてる!?」

「・・・・・ダメ・・・ですか?・・・」

「うっ!!」


 期待と不安の篭った涙目で、セラを見詰めるフィオ。

 正直、狡いと思う。

 そんな風に御願いされたら、男として引き受けざるを得ない(今は女だが)。

 セラは理解した、もう逃げ場が無い事に。

 長いため息が出る。


「わかった、でも独り立ち出来る実力が付く迄だよ?」

「はい!! ありがとうございます、セラさん!!」


 満面の笑みで抱き付いてくるフィオに、苦笑いするしか無かった。

 考えてみれば、人に何かを教える事等した事が無いのだ。

 是からの事を思うと、気分が重くなってくるのだった。


 この世界で冒険者としての術を教える事は、命の危険も伴うのだ。

 間違ったことは教えられない。


 この日、セラはフィオの命を左右する、重大な立場になったのである。


  

 今回は悪ノリと、伏線回収です。

 色々とばら撒き過ぎて、どこから手を付けてよいやら。

 逃げ場が無くなったのは、自分の様な気がします。

 もう少し、ご都合主義の話にすれば良かったのかと自問自答。

 きついです。


 このような不安定な作品ですが、楽しんでくれた方、お気に入り登録をされた方、本当に感謝です。

 今後、こんな話を聞きたいとか、このキャラでこれは無いんじゃね?などの意見がございましたら、ドンドン書き込んでください。

 全て受け止める所存です。


 こういった意見の中から、偶に神が降りてきたりするんです。

 アムナグアがそうでした。

 評価の方はお任せします。

 


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