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最弱の私は知能999で無双する〜ステータスが知能以外全て0の私が最強になる話〜

作者: 土田土
掲載日:2026/08/09

私のステータスはひどい。


体力0。

魔法0。

戦闘0。

運0。

魅力0。


そして知能だけ999。


そのせいで私は戦えないし、走れないし、すぐ転ぶし、補習常連だし、

正直ちょっと泣きそうになる日もある。


だから私は“作った”。


私の弱点を補ってくれる子を。


---


その日、学園の中庭に魔物が現れた。


「きゃああああ!!」

「先生!魔法が効きません!」

「避難しろ!早く!」


生徒たちが逃げる中、私はバッグを抱きしめた。


「……ピコ、怖いけど……行ける?」


バッグの中から小さな声がした。


「もちろんです、マスター。守ります」


その声だけで、胸が少し軽くなる。


先生が叫ぶ。


「危ない!君は戦えないだろ!下がれ!」


私は首を振った。


「戦うのは私じゃないです……この子です」


バッグから小さな金属の箱を取り出す。


カチッ。


箱が変形し、手のひらサイズのロボットになる。


「……ロボット……?」


「ピコって言います。私の……友達です」


ピコは私の肩に乗り、魔物を見て言った。


「マスター、敵性体の動きを解析します」


魔物が吠え、地面を踏み鳴らす。

その振動で私は思わず後ずさった。


「ピコ……気をつけて……」


「任せてください」


ピコはふわっと宙に浮き、魔物の正面へ飛んだ。


魔物が腕を振り下ろす。

地面が割れるほどの一撃。


でもピコは、その腕の“ほんの少しの遅れ”を見逃さなかった。


「隙、発見」


ピコは魔物の腕の内側に滑り込み、

関節の一点を軽く叩いた。


コン。


魔物の腕がビクッと跳ね、動きが止まる。


「え!?止まった!?」

「何したのあのロボ!?」

「ルナ、魔法使えないんじゃなかったの!?」


魔物は腕を押さえ、バランスを崩す。

ピコはその足元に回り込み、

また“軽く”叩いた。


コン。


魔物の膝が折れ、地面に崩れ落ちる。


「うそ……あの巨体が……?」


ピコは魔物の背後に移動し、

最後に背中をトン、と押した。


魔物はそのまま前に倒れ、

地面に沈んだ。


砂煙が上がり、

中庭が静まり返る。


ピコが戻ってきて、私の手に乗った。


「排除完了。マスター、安全です」


私はピコを抱きしめた。


「……ありがとう。ほんとに……ありがとう」


ピコは少しだけ光った。


生徒たちがざわざわと話し始める。


「あの子って、魔法使えない子じゃない……?」

「戦えないのに、逃げなかった……」

「なんか……かっこよかったな」

「ピコ、かわいい……」


誰かが小さく拍手した。

それが連鎖して、ぽつぽつと音が増えていく。


私は驚いて顔を上げた。


拍手なんて、

補習常連の私には一生縁がないと思っていた。


ピコが私の手の上で光る。


「マスター、皆さんが喜んでいます」


「……うん。なんか……不思議な感じ」


風が吹いて、

中庭の空気が少しだけ暖かくなる。


私はピコを胸に抱えたまま、

ゆっくりと息を吐いた。


「ピコ。私……もっと助けられるようになりたい」


ピコは静かに光った。


「それは、とても素敵な願いです」


私は少し照れながら笑った。


「うん……まだ全然ダメだけど……

いつか、もっと……誰かの役に立てるように」


その言葉は誰にも聞こえていない。

でも、確かに胸の奥で灯った。


ーーーこれは、後に賢者になる私のエピローグだ。

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