最弱の私は知能999で無双する〜ステータスが知能以外全て0の私が最強になる話〜
私のステータスはひどい。
体力0。
魔法0。
戦闘0。
運0。
魅力0。
そして知能だけ999。
そのせいで私は戦えないし、走れないし、すぐ転ぶし、補習常連だし、
正直ちょっと泣きそうになる日もある。
だから私は“作った”。
私の弱点を補ってくれる子を。
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その日、学園の中庭に魔物が現れた。
「きゃああああ!!」
「先生!魔法が効きません!」
「避難しろ!早く!」
生徒たちが逃げる中、私はバッグを抱きしめた。
「……ピコ、怖いけど……行ける?」
バッグの中から小さな声がした。
「もちろんです、マスター。守ります」
その声だけで、胸が少し軽くなる。
先生が叫ぶ。
「危ない!君は戦えないだろ!下がれ!」
私は首を振った。
「戦うのは私じゃないです……この子です」
バッグから小さな金属の箱を取り出す。
カチッ。
箱が変形し、手のひらサイズのロボットになる。
「……ロボット……?」
「ピコって言います。私の……友達です」
ピコは私の肩に乗り、魔物を見て言った。
「マスター、敵性体の動きを解析します」
魔物が吠え、地面を踏み鳴らす。
その振動で私は思わず後ずさった。
「ピコ……気をつけて……」
「任せてください」
ピコはふわっと宙に浮き、魔物の正面へ飛んだ。
魔物が腕を振り下ろす。
地面が割れるほどの一撃。
でもピコは、その腕の“ほんの少しの遅れ”を見逃さなかった。
「隙、発見」
ピコは魔物の腕の内側に滑り込み、
関節の一点を軽く叩いた。
コン。
魔物の腕がビクッと跳ね、動きが止まる。
「え!?止まった!?」
「何したのあのロボ!?」
「ルナ、魔法使えないんじゃなかったの!?」
魔物は腕を押さえ、バランスを崩す。
ピコはその足元に回り込み、
また“軽く”叩いた。
コン。
魔物の膝が折れ、地面に崩れ落ちる。
「うそ……あの巨体が……?」
ピコは魔物の背後に移動し、
最後に背中をトン、と押した。
魔物はそのまま前に倒れ、
地面に沈んだ。
砂煙が上がり、
中庭が静まり返る。
ピコが戻ってきて、私の手に乗った。
「排除完了。マスター、安全です」
私はピコを抱きしめた。
「……ありがとう。ほんとに……ありがとう」
ピコは少しだけ光った。
生徒たちがざわざわと話し始める。
「あの子って、魔法使えない子じゃない……?」
「戦えないのに、逃げなかった……」
「なんか……かっこよかったな」
「ピコ、かわいい……」
誰かが小さく拍手した。
それが連鎖して、ぽつぽつと音が増えていく。
私は驚いて顔を上げた。
拍手なんて、
補習常連の私には一生縁がないと思っていた。
ピコが私の手の上で光る。
「マスター、皆さんが喜んでいます」
「……うん。なんか……不思議な感じ」
風が吹いて、
中庭の空気が少しだけ暖かくなる。
私はピコを胸に抱えたまま、
ゆっくりと息を吐いた。
「ピコ。私……もっと助けられるようになりたい」
ピコは静かに光った。
「それは、とても素敵な願いです」
私は少し照れながら笑った。
「うん……まだ全然ダメだけど……
いつか、もっと……誰かの役に立てるように」
その言葉は誰にも聞こえていない。
でも、確かに胸の奥で灯った。
ーーーこれは、後に賢者になる私のエピローグだ。




