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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
第5章 「存在しないはずの魔法領域」
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第7話 響きの正体 (リリア修行)

第7話 響きの正体


ユウトの姿が、光に包まれて消えた。


「ユウトさん!」


手を伸ばす。


だが届かない。


光は一瞬で消え、そこには何も残っていなかった。


「……」


リリアはゆっくりと息を吐く。


「……大丈夫です」


小さく呟く。


「ユウトさんなら、きっと」


その言葉を胸にしまう。


信じているからこそ、迷わない。


その瞬間、足元に光が広がる。


「……!」


視界が白に染まる。


次に目を開けた時、そこは森だった。


柔らかな光。


揺れる葉。


だが静かすぎる。


風の流れが、不自然に止まっている。


「……不思議な場所ですね」


一歩踏み出す。


その瞬間。


「……リリア」


背後から声。


振り向く。


そこにいたのは、自分だった。


同じ姿。


同じ顔。


だが、目が違う。


冷たく、揺れがない。


「……あなたは」


短剣に手をかける。


もう一人のリリアが口を開く。


「ルミナ村で育ったんですよね?」


「……はい」


「じゃあ、“来た時”のことは?」


言葉が止まる。


記憶を辿る。


だが、その前がない。


「……小さい頃のことは、よく覚えていません」


「都合よく、抜けてるよね」


胸がざわつく。


否定できない。


「それに、あなたは“音”に反応する」


「……」


「気づいてるはず」


そして。


「あなたは、妖精族」


世界が揺れる。


視界が歪む。


だが、リリアは静かに受け入れる。


「……そう、かもしれません」


これまでの違和感が繋がる。


だが。


リリアは顔を上げる。


「でも、それで何か変わりますか?」


一歩踏み出す。


「私は、ルミナ村で生きてきました」


はっきりと。


「ユウトさんと出会って」


「一緒に戦って」


「ここまで来ました」


さらに一歩。


「それが、私です」


空気が揺れる。


もう一人のリリアが崩れる。


黒い存在へと変わる。


「……なら」


低い声。


「教えてあげる」


次の瞬間、襲いかかる。


速い。


直線的な攻撃。


リリアは最小限でかわす。


だが。


「遅い」


「……!」


次の攻撃。


フェイント。


読みきれない。


わずかにかすめる。


「目で見てるから遅れる」


低い声が響く。


「妖精は違う」


再び来る。


「感じろ」


リリアは目を細める。


風。


わずかな空気の揺れ。


攻撃の前に流れが変わる。


「……これ」


踏み込む。


一閃。


当たる。


「そう」


「次」


連撃。


速い。


だが、今度は見える。


音。


空気の震え。


すべてが先に教えてくる。


「そこです」


最短で入り込む。


斬る。


深い。


影が揺れる。


「まだ甘い」


反撃。


だが。


リリアは流れる。


避けるのではない。


風に乗る。


「……動きが軽い」


「それが本来の動き」


さらに速くなる戦闘。


だがリリアは止まらない。


読む。


感じる。


流れる。


「私は――」


踏み込む。


「逃げません」


連撃。


速さが変わる。


明らかに違う。


「……いい」


影が呟く。


「それが妖精の戦い方」


最後の攻撃。


全力。


だが。


リリアは先に動く。


風が導く。


音が教える。


「……ここ」


最短で入り込む。


「終わりです」


一閃。


空気ごと切り裂く。


影が崩壊する。


完全に消える。


静寂。


リリアは息を整える。


「……はぁ」


胸に手を当てる。


「……風」


「……音」


小さく呟く。


「……これが」


「私の戦い方、ですか」


その時、足元に光が落ちる。


「……?」


拾い上げる。


短剣。


自分と同じ形。


「……同じ、ですね」


その瞬間、視界に表示が浮かぶ。


装備進化可能

同系統武器を確認

統合しますか?


YES / NO


「……ユウトさんと同じですね」


迷わない。


「YES」


光が弾ける。


短剣が溶け合う。


一つへと収束。


形が変わる。


刃が細く、鋭くなる。


だが、どこか未完成。


「……未完成」


小さく呟く。


振る。


空気が鳴る。


軽い。


速い。


だが。


「……まだ、足りませんね」


本来の力は、もっと先。


それでも。


確実に強くなっている。


「……ユウトさんみたいに」


小さく微笑む。


「私も、進みます」


その時、空間に声が響く。


「早く帰ってあげてね」


リリアが顔を上げる。


「あなたのいるべき場所に」


「……」


少しだけ目を細める。


「……でも」


小さく首を振る。


「今は、まだ行きません」


はっきりと。


「私には、やることがあります」


ユウト。


アリス。


仲間たち。


それが今の居場所。


足元に光。


帰還の印。


「……いつか、向き合います」


一歩踏み出す。


光に包まれる。


新しい力とともに。



ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!


今回はリリアの試練回でした。

これまで曖昧だった「正体」と「戦い方」が、少しずつ見えてきた回になっています。


ユウトとは違う形での成長、

そして“音”と“風”という新しい戦闘スタイル。


まだ「未完成」ですが、ここからどう進化していくのか、ぜひ見守っていただけると嬉しいです。


そして物語は、再びユウトたちの合流へ――。


次回もぜひよろしくお願いします!

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