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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
第5章 「存在しないはずの魔法領域」
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第5話 分かたれる試練

第5話 分かたれる試練


リーフの後を追い、ユウトたちは集落の奥へと進んでいた。


空気が違う。


静かだが、重い。


一歩進むごとに、何かに見られているような感覚が強くなる。


「……さっきより来ますね」


レオが低く呟く。


落ち着いた声のまま、周囲に視線を巡らせる。


リリアも小さく頷く。


「はい……かなり強いです」


エルナが軽く息を吐く。


「ここが“入り口”って感じだね」


ユウトは何も言わない。


ただ前を見る。


リーフの背中は、迷いなく進んでいた。



やがて、開けた場所に出る。


木々が不自然に避けるように並び、その中心だけが空いている。


地面には、淡く光る紋様。


円形に刻まれたそれは、魔法陣のようにも見えた。


空気が揺れている。


見えない何かが、そこにある。


「……ここか」


ユウトが言う。


リーフが足を止める。


「ここから先が試練」


静かに告げた。



レオが一歩前に出る。


「全員で行くの?」


その問いに、リーフは首を横に振る。


「……違う」


短く。


「一人ずつ」


空気が止まる。


リリアが目を細める。


「……一人で、ですか」


リーフは頷く。


「ここは“個”を見る場所」


「一緒には行けない」


エルナが肩をすくめる。


「やっぱりそうなるか」


レオは静かに息を吐く。


「……そういう試練か」


ユウトは変わらない。


「順番は?」


「誰からでもいい」


リーフは答える。


そして――


「戻れる保証はない」



その一言で、空気がさらに重くなる。


レオが小さく息を吐く。


「……分かりやすいな」


リリアは静かに言う。


「覚悟はできています」


エルナが軽く笑う。


「ここまで来てやめる理由もないしね」


ユウトが一歩前に出る。


「俺から行く」


迷いはない。


リーフが頷く。


「……いい」



その時――


リリアが声をかける。


「ユウトさん」


ユウトが振り返る。


リリアは、ほんの少しだけ微笑む。


「お気をつけて」


短い言葉。


だが、それで十分だった。


レオも静かに言う。


「無理はしないで」


エルナが軽く手を振る。


「ちゃんと戻ってきてよ」


ユウトは小さく息を吐く。


「大丈夫だ」


それだけ言って、前を向く。



円の中心へ。


一歩、踏み入れる。


その瞬間――


光が走る。


視界が白に染まる。


音が消える。


感覚が、切れる。



気づいた時には――


そこは、別の場所だった。


地面はある。


だが、空がない。


空間が歪んでいる。


どこまでも広がっているのに、閉じているような感覚。


「……来たか」


ユウトが小さく呟く。


一人。


完全に。


背後に、仲間の気配はない。



前方の空間が揺れる。


歪みが広がる。


そして――


“何か”が現れる。


人のようにも見える。


獣のようにも見える。


だが、どちらでもない。


形が定まらない。


存在が、曖昧。


ユウトは双剣を構える。


呼吸を整える。


逃げ場はない。


援護もない。


「……いい」


小さく言う。


「やるだけだ」



その瞬間――


視界が揺れた。


ほんの一瞬の違和感。


だが、次の瞬間。


景色が変わる。



無機質な光。


整然と並ぶ机。


聞き覚えのある静けさ。


見覚えのある空気。


ユウトの目が、わずかに見開かれる。


「……ここは」


自然と、言葉が漏れる。


そして――


「……転生前の世界」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


ついに試練が始まりました。

そしてユウトが踏み込んだ先に現れたのは――まさかの“転生前の世界”。


ここからは単なる戦闘ではなく、ユウト自身との戦いになっていきます。

過去とどう向き合うのか、どんな答えを出すのか。


少し重たい展開になりますが、物語の大事な部分なので、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです。


引き続き応援・コメントもお待ちしております!

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