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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
第4章 「水の都と隠された血筋」
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第1話 水の都の入口

第1話 水の都の入口


水の流れが、少しずつ速くなっていた。


魚は迷いなく進む。


まるで道を知っているかのように、水路を選び、滑るように進んでいく。


空気が変わる。


湿気が増し、肌にまとわりつくような重さがあった。


「……近いですね」


リリアが小さく言う。


ユウトは軽く頷く。


「そうだな」


それ以上は何も言わない。



やがて、水路が大きく開ける。


目の前に広がったのは、整えられた水の通りだった。


自然ではない。


削られた岩。

均等に流れる水。


「……もう街の中みたいですね」


レオが呟く。


エルナが軽く頷く。


「もう入口だよ」



魚がゆっくりと減速する。


岸のような場所に近づいていく。


その先――


水の上に立つ、影。



「……止まれ」


低い声が響いた。



魚人族。


全身は人型だが、肌は湿り、わずかに光を反射している。


鋭い目でこちらを見ていた。


明らかに門番だった。



ユウトは動かない。


レオも止まる。


リリアは静かに様子を見る。



「ここから先は――」


言葉が止まる。



門番の視線がエルナに向く。


数秒の沈黙。


「……お前か」



エルナは軽く手を上げた。


「久しぶり」



門番は小さく息を吐く。


「また面倒を持ち込む気か」


「今回は違うよ」


エルナは肩をすくめる。


「ただの案内」



門番の視線がユウトたちへ移る。


一人ずつ、確かめるように見る。


「……人間か」


低く呟く。


「珍しいな」



ユウトは短く言う。


「通る」



門番は少しだけ目を細める。


だが、すぐに視線を戻す。


「……お前が連れているなら問題ない」



一歩、横に退く。


「通れ」



魚が再び動き出す。


ゆっくりと、その横を通り過ぎる。



しばらく進んだあと。


ユウトが言う。


「……顔が利くんだな」


エルナは軽く笑う。


「まあね」


「この辺じゃ、それなりにね」



水の流れが、さらに広がる。


視界の先に、建物が見え始める。


水の上に建てられた街。


今まで見てきたものとは、まったく違う景色だった。



レオが小さく息を吐く。


「……すごいですね」



ユウトは何も言わない。


ただ、前を見る。



水の都。


その中へ――


三人は、静かに足を踏み入れていく。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


第4章が本格的にスタートしました。

今回は水の都への入口、そして魚人族との最初の接触を描いています。


戦いではなく、静かな緊張感を意識した回にしました。

新しい場所に入る時の空気感も楽しんでいただけたら嬉しいです。


ここから少しずつ、この街の“違和感”や物語の核心に近づいていきます。


引き続き読んでいただけると嬉しいです。

感想やコメントもお待ちしております。

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