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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
第3章 「響きの森と導きの旋律」
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第13話 水底に潜むもの

第13話 水底に潜むもの


森の奥へ進むほど、空気が変わっていく。


湿り気がさらに濃くなる。


足元は柔らかく、踏みしめるたびに水を含んだ音が返ってくる。


「……水の気配、強いですね」


リリアが周囲を警戒しながら言う。


ユウトは頷く。


「ああ」


短く返す。


言葉は少ない。


だが、意識は研ぎ澄まされている。


レオも無言でついてくる。


周囲を見ながら、わずかな異変も見逃さないように。


エルナは少し前を歩いている。


その足取りは軽いが、迷いはない。


「もうすぐ」


それだけ言った。



木々が途切れる。


視界が開ける。


そこにあったのは――


水。


静かな水面。


広く、深く、底の見えない場所。


風はない。


なのに、水面がわずかに揺れている。


「……ここか」


ユウトが呟く。


エルナが頷く。


「うん」


「ここにいる」


その瞬間。


――すぅ……


また、あの音。


前よりもはっきりと。


耳の奥に、直接触れてくるような感覚。


レオが顔をしかめる。


「……強い」


リリアも一瞬だけ呼吸が乱れる。


「これ……前より……」


ユウトは一歩前へ出る。


「構えろ」


短く言う。



水面が、揺れる。


波紋が広がる。


ゆっくりと。


何かが、下から上がってくる。


気配。


重い。


今までとは違う。


「……来る」


リリアが言う。


エルナは笛を握る。


だが、まだ吹かない。


タイミングを見ている。


ユウトは双剣を構える。


視線は水面。


一点に集中している。



ボコッ……


水が盛り上がる。


ゆっくりと。


だが確実に。


影が浮かび上がる。


人の形。


だが、歪んでいる。


水で構成されたような輪郭。


長く揺れる“髪”のような流れ。


そして――


目。


暗く、底の見えない視線。


「……あれが」


レオが呟く。


エルナが小さく答える。


「そう」


「本体」


その瞬間。


空気が変わる。


重くなる。


圧が、かかる。


音が――


鳴る。


今までとは比べ物にならない。


直接、意識に触れてくる。


「……っ!」


リリアが一歩下がる。


レオも歯を食いしばる。


ユウトは動かない。


ただ、前を見る。


その存在を。


真正面から。


そして――


小さく息を吐いた。


「……見つけた」


それだけ言う。


双剣を握る手に、力が入る。


次の瞬間。


水面が大きく揺れた。


“それ”が完全に姿を現す。


逃げ場はない。


距離もない。


ここが――


戦場になる。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


ついに本体が姿を現しました。

これまでの“影”とは明らかに違う存在感と圧を感じてもらえたら嬉しいです。


次はいよいよ本格的な戦いになります。

どこまで通用するのか、ぜひ見届けてください。


よろしければ感想やコメントもお待ちしています。

いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。

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