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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
第3章 「響きの森と導きの旋律」
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第11話 立ち止まらない選択

第11話 立ち止まらない選択


朝の森は、静かだった。


けれど――


空気は、少しだけ張り詰めている。


リリアはその場に立ったまま、手を握る。


「……やっぱり、出ませんでした」


悔しさを隠さずに言う。


エルナは軽く肩をすくめた。


「そりゃそうだよ」


あっさりした声。


「一日でどうにかなるなら、誰も苦労しない」


リリアは小さく息を吐く。


分かっている。


それでも――


焦りは消えない。


「……でも」


視線を落としたまま続ける。


「時間、ないですよね」


その一言で、空気が変わる。


ユウトが顔を上げる。


少しだけ間を置いてから、答える。


「……ああ」


短い肯定。


頭に浮かぶのは、アリスの姿。


囚われたまま。


どこにいるかも分からない。


それでも――


待っている余裕はない。


ユウトは立ち上がる。


「行くぞ」


迷いのない一言。


リリアが顔を上げる。


「……いいんですか?」


ユウトは軽く肩を回す。


「ここで止まっても意味ないだろ」


自然な口調。


「できないなら、そのまま進む」


無理に整えない。


今のままで行く。


それがユウトの選択だった。


レオもすぐに頷く。


「……はい」


迷いはなかった。


むしろ、その言葉で覚悟が固まる。


エルナは三人を見て、少しだけ笑う。


「決めるの早いね」


ユウトは振り返る。


「遅いよりマシだろ」


軽く返す。


エルナは一歩前に出る。


「……じゃあさ」


少しだけ間を置く。


「私も行くよ」


リリアが目を見開く。


「え……?」


レオも驚く。


「一緒に、ですか?」


エルナはあっさり頷く。


「そう」


「どうせこの先、あの小屋にいるだけじゃ退屈だしさ」


軽い言い方。


だが、その目は少しだけ真剣だった。


ユウトは一瞬だけ考える。


止める理由はない。


むしろ――


必要だ。


「……好きにしろ」


短く言う。


それが許可だった。


エルナは少しだけ笑う。


「ありがと」


リリアは少し安心したように息を吐く。


「……お願いします」


レオも頭を下げる。


「お願いします」


エルナは軽く手を振る。


「気にしなくていいよ」


「勝手についてくだけだから」


空気が少しだけ軽くなる。


その時。


「ぴよ」


ヒヨコが小さく鳴く。


ユウトの肩の上。


いつも通りの位置。


だが――


その羽が、ほんの一瞬だけ揺れる。


空気が、わずかに歪む。


エルナだけが気づく。


「……へぇ」


小さく呟く。


だが、それ以上は何も言わない。


ユウトたちは、もう歩き出していた。


森の奥へ。


止まらずに。


振り返らずに。


アリスのもとへ。


道はまだ見えない。


それでも――


進む理由は、はっきりしていた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


今回は修行を続けるか、それとも進むか――その選択の回でした。

リリアはまだ力を出せないままですが、それでも立ち止まらず進むことを選びました。


そして新たにエルナが同行することになり、これからの展開も少しずつ変わっていきます。

それぞれがまだ未完成のまま、それでも前に進んでいく形を大事にしています。


この先は少しずつ戦いも増え、物語も動いていくと思います。


よければ感想やコメントもお待ちしています。

いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。

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