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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
囚われのアリス ―紅き翼の檻―編
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第8話 再突入


第8話 再突入


静まり返った空間。


さっきまで、確かにそこにあった存在は――もうない。


「……くそ……」


レオンが低く吐き捨てる。


拳を握りしめる。


だが、アランは動かなかった。


ただ、手の中の結晶を見ている。


淡く光る、小さな石。


「……それ」


ピリムが不安そうに言う。


「……使うの……?」


アランは、少しだけ目を閉じた。


思い出す。


さっきの戦い。


届かなかった距離。


圧倒的な差。


――このまま追っても、同じだ。


だが。


「……それでも行く」


目を開く。


迷いはない。


レオンがニヤッと笑う。


「そうこなくちゃな」


ピリムも、小さく頷く。


「……一回だけ……だよ……」


「分かってる」


アランは結晶を握り込む。


わずかに、力を流す。


反応する。


光が強くなる。


空間が、震える。


「……来るぞ」


低く言う。


その瞬間。


パキッ――


小さな音。


結晶にヒビが入る。


そして。


ブワッ――


光が弾けた。


空間が歪む。


あの時と同じ。


だが、今度は自分たちから飛び込む。


「……行くぞ!」


アランが踏み出す。


レオンが続く。


ピリムも必死に追う。


三人の体が、歪みに飲み込まれる。


視界が崩れる。


感覚が引き裂かれる。


上下が消える。


それでも――


意識を保つ。


「……っ……!」


耐える。


押し潰されそうな感覚。


だが、離さない。


繋がりを。


そして――


ドンッ!!


強い衝撃。


地面に叩きつけられる。


「……っぐ……!」


アランがすぐに起き上がる。


「……ここは……」


周囲を見る。


さっきとは違う空間。


より広い。


より重い。


空気が、濃い。


「……来れた、のか……?」


レオンが息を整える。


ピリムが震える声で言う。


「……うん……近い……」


確信していた。


「……すぐそこ……」


アランの目が鋭くなる。


だが――


その時。


カツン。


足音。


三人の動きが止まる。


前方。


暗闇の中。


影が、現れる。


ゆっくりと。


確実に。


「……また来たか」


低い声。


聞いたことがある。


忘れるはずがない。


ローブ。


黒い影。


あの存在。


レオンが歯を食いしばる。


「……今度は逃がさねぇ」


アランは何も言わない。


ただ、剣を構える。


さっきとは違う。


逃げ場はない。


退路もない。


結晶も、もうない。


「……ここで決める」


静かに言う。


ピリムも、小さく頷く。


「……うん……」


空気が張り詰める。


ローブの男が、一歩踏み出す。


その瞬間。


圧が変わる。


空間が軋む。


「……来るぞ」


アランの声。


次の瞬間。


戦いが、再び始まった。

第8話を読んでいただき、ありがとうございます。


今回は「転送の結晶」を使い、再びあの場所へ踏み込む決断と行動を描きました。

一度は届かなかった場所へ、もう一度挑む――その覚悟が少しでも伝わっていれば嬉しいです。


そして、再び現れたローブの存在。

ここから物語はいよいよ大きな戦いへと進んでいきます。


いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。

引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。感想やコメントもお待ちしております。

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