第17話 守るための戦い
第17話 守るための戦い
街の中では、まだ戦いが続いていた。
獣人の戦士たちが魔物を必死に食い止めている。
ユウトも次々と現れる人型の魔物を倒していた。
拳が振るわれるたびに、魔物が吹き飛ぶ。
だが――
「まだ来るのか……!」
ガルドが叫ぶ。
通りの奥から、さらに魔物が現れていた。
その時だった。
レオの父が前に出る。
巨大な剣を構え、魔物の群れへ向かった。
「ここは通さない」
低い声だった。
一体の魔物が飛びかかる。
剣が振られる。
ザンッ!
魔物の体が斬り裂かれる。
続けて二体目。
三体目。
次々と魔物が倒れていく。
その戦い方は圧倒的だった。
だが敵の数は多い。
一体の魔物が後ろから飛びかかる。
レオが叫ぶ。
「父さん!後ろ!」
だが――
その瞬間。
別の魔物が横から飛び出した。
鋭い爪が振り下ろされる。
レオの父は剣で防ごうとする。
しかし――
ドンッ!!
衝撃が走った。
魔物の爪が体に食い込む。
「ぐっ……!」
レオの父の体が大きく吹き飛んだ。
地面を転がり、壁にぶつかる。
ドサッ。
レオの目が見開かれる。
「父さん……?」
父は動かない。
胸には深い傷。
血が地面に広がっていた。
レオが走る。
「父さん!!」
その声は震えていた。
父の体を抱き起こす。
「父さん!父さん!」
父の呼吸は浅い。
目も半分しか開いていない。
レオの声が震える。
「嫌だ……」
涙がこぼれる。
「父さん……死なないで……」
小さい頃からずっと強かった父。
誰よりも強くて、誰よりも頼れる存在。
その父が、今――
血だらけで倒れている。
レオの手が震える。
「父さん……!」
周囲の戦士たちも言葉を失っていた。
その時。
ユウトがゆっくり近づいてきた。
倒れている父を見る。
そしてレオを見る。
レオの頬には涙が流れていた。
ユウトは小さく息を吐く。
「……まだ死んでない」
レオが顔を上げる。
「え……?」
ユウトは静かに言った。
「泣くのは早い」
そして拳を握る。
視線の先には――
まだこちらへ向かってくる 人型の魔物たち。
ユウトは前へ出た。
「そいつら全部倒してからにしろ」
低い声だった。
その背中は――
今までよりも少しだけ、怒っているように見えた。
第17話を読んでいただき、ありがとうございます。
今回は街の戦いの中で、レオの父が大きな傷を負う展開になりました。強かった父が倒れる姿を見てしまい、レオも大きく動揺しています。少し重いシーンになりましたが、レオにとって大切な場面でもあります。
そしてユウトも、ただ戦うだけではなく少し感情が見える場面になりました。ここから戦いがどうなるのか、ぜひ次の話も読んでいただけたら嬉しいです。
いつも読んでくださり本当にありがとうございます。よろしければ感想やコメントもぜひお願いします。




