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第15話 現れた指揮者

第15話 現れた指揮者


森の奥に立つ巨大な人型の魔物。


黒い体。

異様に長い腕。

鋭く光る目。


その魔物が、ゆっくりとユウトを見た。


周囲ではまだ戦いが続いている。


獣人の戦士たちが人型の魔物と戦っていた。


レオも短剣を構え、魔物を警戒している。


だがユウトの視線は、巨大な魔物だけを見ていた。


「……あいつか」


小さく呟く。


次の瞬間。


ユウトは地面を蹴った。


――ドン!


土が跳ねる。


一瞬で距離が縮まる。


巨大な魔物が腕を振り上げた。


長い腕が、上から振り下ろされる。


ユウトは体を横に滑らせる。


魔物の爪が地面に叩きつけられた。


バキッ!


地面が割れる。


その隙にユウトが踏み込む。


拳を振り抜く。


ドンッ!


拳が魔物の腹に入る。


だが――


魔物は後ろに一歩下がっただけだった。


ユウトは眉を上げる。


「硬いな」


巨大な魔物が低く唸る。


「グオオオ……」


腕を振り回す。


横薙ぎの一撃。


ユウトはしゃがんで避ける。


そのまま地面を蹴り、魔物の懐に潜り込む。


拳を連続で叩き込む。


ドン!ドン!ドン!


鈍い音が響く。


魔物の体がわずかに揺れた。


だが倒れない。


その時だった。


魔物が片手でユウトを掴もうとする。


ユウトはすぐに後ろへ跳んだ。


爪が空を切る。


ユウトは少し笑う。


「いいじゃないか」


遠くからリリアが声を上げる。


「ユウトさん!」


周囲ではまだ戦いが続いている。


獣人の戦士たちが人型の魔物と戦っていた。


レオも短剣で魔物を押し返している。


だが皆、ちらちらとユウトの戦いを見ていた。


巨大な魔物が一歩踏み出す。


――ドン。


森が揺れるような足音。


そして両腕を大きく振り上げた。


次の瞬間。


拳を叩きつける。


ユウトは横へ跳ぶ。


ズドォン!!


地面が大きく割れた。


土煙が上がる。


その煙の中から――


ユウトが一気に踏み込む。


「終わりだ」


腰を落とし、全身の力を込める。


拳を振り抜いた。


ドゴンッ!!


今までとは違う衝撃音。


拳が魔物の胸にめり込む。


巨大な体が――


ゆっくり後ろへ傾いた。


そして。


――ドシン!!


地面に倒れた。


森が静まり返る。


レオが息をのむ。


「倒した……?」


ユウトは軽く息を吐く。


「たぶんな」


だがその時だった。


倒れた魔物の指が――


わずかに動いた。


ユウトの目が細くなる。


「まだか」


その瞬間。


遠くから叫び声が聞こえた。


「レオ!!」


全員が振り向く。


街の方から一人の獣人が全力で走ってきていた。


息を切らしながら叫ぶ。


「大変だ!」


レオが叫ぶ。


「どうした!?」


獣人は必死に言った。


「街だ!」


その言葉で空気が変わる。


「街が襲われてる!!」


リリアが目を見開く。


「え……?」


レオの顔が一瞬で青くなる。


「街が……?」


獣人は叫んだ。


「魔物が街の中に!」


その瞬間、森の奥で動いていた人型の魔物たちがさらに増えた。


ガルドが低く言う。


「……囮か」


森で戦わせている間に――


街を襲う。


ユウトは小さく笑う。


「なるほど」


レオはすぐに振り返った。


「街に戻ります!」


獣人の戦士たちも動き出す。


ユウトも歩き出した。


リリアが聞く。


「急がなくて大丈夫ですか!?」


ユウトは軽く笑う。


「大丈夫じゃないだろ」


そして一言。


「だから急ぐ」


次の瞬間。


ユウトは地面を蹴った。


――ドン!!


一瞬で森を駆け抜ける。


その先には――


魔物に襲われている獣人の街があった。

第15話を読んでいただき、ありがとうございます。


今回は森での戦闘が本格的に始まり、巨大な人型の魔物との戦いになりました。そして最後には、森での戦いが囮で、街も襲われているという展開になりました。


ここから物語は一気に大きく動いていきます。ユウトたちが街を守るためにどう戦うのか、ぜひ次の話も読んでいただけたら嬉しいです。


いつも読んでくださり本当にありがとうございます。よろしければ感想やコメントもぜひお願いします。

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