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第14話 森の影

第14話 森の影


街の門を抜けると、空気が変わった。


街の中とは違い、森の空気はひんやりとしている。


すでに何人かの獣人の戦士たちが前に出ていた。


剣や槍を構え、森の方を警戒している。


その中の一人が叫ぶ。


「来るぞ!」


次の瞬間――


森の奥から黒い影が飛び出した。


「グルルル……!」


低い唸り声。


だがその姿は、普通の魔物とは少し違った。


体は人の形に近い。


だが皮膚は黒く、腕は異様に長い。


鋭い爪。


歪んだ顔。


まるで 人の姿が歪んで魔物になったような存在だった。


獣人の戦士が声を上げる。


「人型の魔物だ!」


その魔物が地面を蹴り、一気に飛びかかる。


戦士が剣で受け止める。


金属の音が響いた。


「くっ……!」


その力は予想以上に強かった。


レオもすぐに短剣を抜く。


「ユウトさん!」


ユウトはゆっくり前に出る。


「任せろ」


その瞬間、一体の魔物がユウトへ向かってくる。


長い腕を振り上げ、鋭い爪を振り下ろした。


ユウトは体を少しだけずらす。


爪が空を切る。


そのままユウトの拳が魔物の腹に叩き込まれた。


ドンッ!


鈍い音が響く。


魔物の体が後ろへ吹き飛び、地面を転がった。


リリアが小さく声を上げる。


「すごい……」


ユウトは軽く手を振った。


「まだいる」


森の奥には、まだ影が動いていた。


レオは森の方を見つめる。


その表情が少し変わった。


「……おかしい」


ユウトが聞く。


「何がだ?」


レオは小さく言った。


「こんな魔物、森の近くには出ないはずなんです」


その時だった。


森の奥から、今までとは違う音が聞こえた。


――ドン。


重い足音。


獣人の戦士たちもその音に気づく。


森の奥の暗闇がゆっくり揺れる。


そこから現れたのは――


他の魔物よりも 明らかに大きい人型の魔物だった。


その体は二倍近い大きさ。


黒い体。


鋭い目。


そしてゆっくりとこちらを見た。


ユウトは小さく笑う。


「なるほど」


どうやら――


本命はあいつらしい。

第14話を読んでいただき、ありがとうございます。


今回はついに森の外で戦いが始まり、人型の魔物が現れる展開になりました。これまでの魔物とは少し違う存在なので、街の戦士たちも警戒している様子です。


そして最後に現れた大きな魔物。ここから戦いはさらに激しくなっていきます。ユウトたちがどう戦うのか、ぜひ次の話も読んでいただけたら嬉しいです。


いつも読んでくださり本当にありがとうございます。よろしければ感想やコメントもぜひお願いします。

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