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第11話 獣人の街

第11話 獣人の街


長老の部屋を出ると、廊下の空気が少し軽く感じられた。


リリアは小さく息を吐く。


「……緊張しました」


レオが少し笑う。


「長老はあんな感じなんです」


ユウトは肩を回した。


「最初は怖い雰囲気だったけどな」


「最初だけです」


レオはそう言ってから、少し考える。


「でも、長老が街にいていいって言ったなら大丈夫です」


三人は建物の外へ出た。


外は夕方に近づいていた。

街の通りにはまだ人が多く、店の前では獣人たちが買い物をしている。


ユウトは周囲を見回す。


「で、案内って言ってたな」


レオは頷いた。


「はい。まず街を少し見て回りましょう」


リリアは楽しそうに周りを見る。


「いいですね」


レオは通りを歩きながら説明を始めた。


「あっちは市場です」


少し先の広場を指さす。


そこにはたくさんの屋台が並んでいた。


肉を焼く匂い。

魚を売る声。

野菜や果物を並べた店。


獣人たちが集まり、賑やかな場所になっている。


「この街で一番人が集まる場所です」


ユウトは少し笑う。


「確かににぎやかだな」


三人が市場に近づくと、やはり視線が集まった。


「人間だ」


「珍しいな」


そんな声が聞こえる。


リリアは少し困ったように笑った。


レオは申し訳なさそうに言う。


「すぐ慣れると思います」


ユウトは気にした様子もなく屋台を見る。


「腹減ってきた」


リリアが小さく笑う。


「さっきからそればっかりですね」


レオは少し考えてから言った。


「それなら食べてみますか?」


「いいのか?」


「もちろんです」


レオは一つの屋台の前で止まった。


魚を焼いている店だった。


店主は大きな猫の獣人だった。


「おう、レオ」


気さくな声だった。


レオが少し頭を下げる。


「こんにちは」


猫の獣人はユウトとリリアを見る。


「おや、人間か」


少し驚いたようだったが、すぐに笑った。


「珍しいな」


ユウトは軽く手を上げる。


「そうみたいだな」


店主は串を一本持ち上げる。


「食べてみるか?」


焼き魚のいい匂いがした。


ユウトはそれを見る。


「うまそうだな」


レオが言った。


「この店は街でも人気なんです」


店主は笑う。


「当然だ」


そう言って焼き魚を差し出した。


ユウトはそれを受け取る。


一口食べる。


「……うまい」


思わずそう言った。


リリアも笑う。


「本当ですね」


レオは少し嬉しそうだった。


その様子を見ながら、周囲の獣人たちも少しずつ警戒を解いていく。


人間が街にいる。


それでも、少しずつ普通の空気になっていく。


ユウトたちは――


獣人の街での時間を、少しずつ過ごし始めていた。

第11話を読んでいただき、ありがとうございます。


今回は長老との話が終わり、ユウトたちが少しずつ獣人の街を見て回る回になりました。市場や食べ物など、街の雰囲気が少し伝わっていたら嬉しいです。


これからユウトたちは、この街でしばらく過ごすことになります。どんな出会いや出来事が待っているのか、ぜひ次の話も読んでいただけたら嬉しいです。


いつも読んでくださり本当にありがとうございます。よろしければ感想やコメントもぜひお願いします。

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