表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/104

第6話 森を知る者、少年の道

第6話 森を知る者、少年の道


昼間なのに薄暗い森の奥。枝葉が重なり合い、光はほとんど届かない。

苔むした倒木や絡まる蔦が足元を妨げ、湿った土と落ち葉の匂いが漂う。鳥や小動物のささやきが、森の静寂の中で微かに響いた。


ユウトとリリアは、先頭を歩く狼の少年の後ろについて進む。


「……で、君の名前は?」

ユウトは思わず尋ねた。


少年は少し照れたように耳をぴくりと動かし、尻尾を小刻みに揺らした。

「僕……レオです。森の奥でひっそり暮らしてます」


リリアは胸元でヒヨコを抱え、にこりと微笑んだ。

「レオくん……よろしくね」


レオは少し誇らしげに胸を張るが、すぐに俯いて小さくつぶやく。

「でも、同じ森の獣人に、よくからかわれたりするんです……」


ユウトは眉をひそめ、息を吐いた。

「……そうか。俺たちが助けたのも、無駄じゃなかったな」


レオは少し笑みを浮かべ、尾を揺らす。

「ありがとう……本当に。あのとき、怖くてどうしようもなかったから」


リリアはヒヨコを胸元でそっと揺らしながら言った。

「出会えてよかったですね。森の奥は一人じゃ危ないですから」


三人はゆっくりと森の奥へ進む。


ユウトは背の剣に手をかけ、森の影に潜む何かを警戒しながら歩いた。

レオは倒木を飛び越え、枝の隙間を器用に抜けながら先導する。

「この森には危ない魔物もいます。でも僕、少しは森の中で身を守れるんです」

レオの目が真剣に光る。


「そうなのか……」ユウトは目を細め、少年を観察した。

小柄だが、動きには柔軟さと敏捷性があり、森の中ではかなり頼もしいことがわかる。


「森にはいろんな植物や小動物もいて、迷子になると大変です。こういう道は僕がよく使うんです」

レオは枝をかき分け、倒木を伝って進む。


「なるほど……」

ユウトは慎重に足を置きながら、少しずつ森の道を覚えていく。

リリアはヒヨコを抱えながら、「案内が上手ですね」と微笑む。


歩きながらレオは少しずつ自分のことを話した。

「僕、たまに同じ森の仲間にからかわれます。弱いと思われてるのかな……でも、ユウトさんなら安心です」


「ユウトさん、リリアさんと出会えて本当に良かった」

レオの瞳に少し安心が戻る。


ヒヨコは胸元で丸くなり、静かに呼吸を整えている。


森の中、倒木や茂みを越えながら進む三人。

静かな森の空気の中で、互いに少しずつ距離を縮め、信頼を積み重ねていく。

まだ見ぬ獣人族の森は、少しずつ姿を現し始めていた。


「もうすぐです。獣人族の森はこの先にあります」

レオが先を指さす。


ユウトは剣を握り直し、森の奥を見据えた。

ヒヨコは胸元で小さく羽を震わせ、森の空気に包まれている。

読んでくださり、ありがとうございます!


今回は森の奥での探索と、狼の少年レオとの出会い、自己紹介の場面をお届けしました。

ユウトたちが少しずつ信頼を築く様子や、森の緊張感を楽しんでもらえたなら嬉しいです。


レオのことや森のこと、これからどう関わっていくのか……次回もぜひ見守ってくださいね。


コメントや感想もいただけると、とても励みになります。

読んでくださる皆さんのおかげで、物語を続けることができます。


次回も森の奥での冒険、そして新たな出会いを一緒に楽しんでください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ