第3話 冒険者ギルドとチートスキル
第3話 冒険者ギルドとチートスキル
「ここが……村?」
森を抜けると、小さな村が見えてきた。
木でできた家が並び、畑では何人かの人が作業している。
のどかな風景だった。
俺は銀髪の少女を背負いながら、村へ向かって歩いていた。
「すみません……重くないですか?」
背中から、少女の申し訳なさそうな声が聞こえる。
「大丈夫。全然重くないよ」
本当は少し重い。
でも、さっきモンスターを倒してレベルが上がったせいか、体が軽い気がする。
「それより、名前聞いてもいい?」
俺が聞くと、少女は少し恥ずかしそうに言った。
「リリアです」
「リリア?」
「はい。リリア・エルフィーナです」
エルフィーナ。
なんだか貴族っぽい名前だ。
「俺はユウト」
「ユウトさん……」
リリアは少し考えるような顔をした。
「その服、変わっていますね」
「あー……」
俺はスーツを見下ろした。
この世界では完全に浮いている。
「遠くの国から来たんだ」
とりあえず適当にごまかした。
その時だった。
「リリア!?」
村の入口にいた男が叫んだ。
数人の村人がこちらに走ってくる。
「どうしたんだ!?」
「モンスターに襲われて……」
リリアが説明する。
すると村人たちの顔色が変わった。
「グレイウルフか!?」
「しかも三匹も!?」
そして俺を見る。
「……あんたが倒したのか?」
俺は少し困って答えた。
「まあ……一応」
その瞬間。
村人たちがざわついた。
「嘘だろ……」
「一人で……?」
どうやら結構すごいことらしい。
リリアは嬉しそうに言った。
「ユウトさんが助けてくれたんです!」
その言葉を聞いて、村人たちは一斉に頭を下げた。
「本当にありがとう!」
「命の恩人だ!」
突然のことに俺は慌てた。
「いやいや、そんな大したことじゃ……」
すると一人の村人が言った。
「ユウトさん、もしかして冒険者ですか?」
「冒険者?」
その言葉に俺は首をかしげた。
するとリリアが説明してくれた。
「モンスターを討伐したり、依頼を受けたりする人たちです」
なるほど。
完全にゲームの世界だ。
「近くの町に冒険者ギルドがあります」
リリアは続けた。
「ユウトさんなら、すぐ登録できますよ」
冒険者ギルド。
それってつまり……
「クエストとかあるの?」
「はい!」
リリアは笑った。
「モンスター討伐や護衛など、色々あります」
俺は少し考えた。
この世界のことはまだ分からない。
でも、モンスターがいる以上、戦う力は必要だ。
それに……
俺には無限ガチャがある。
「……よし」
俺は決めた。
「冒険者になってみるか」
するとリリアの顔がぱっと明るくなった。
「本当ですか!?」
「うん」
「それなら、明日町まで案内します!」
その時だった。
頭の中にまた声が響いた。
《日付が変わりました》
《無限ガチャが使用可能です》
「……!」
そうだった。
このスキルは1日1回ガチャが引ける。
俺は心の中でつぶやいた。
(ガチャ)
その瞬間。
目の前に画面が現れた。
━━━━━━━━━━━━
ガチャ結果
SSR
無限収納バッグ
容量:無限
━━━━━━━━━━━━
「……は?」
思わず声が出た。
無限収納?
つまり――
「アイテム無限に入るってことか!?」
完全にチートだった。
俺は確信した。
この世界で、
俺はとんでもないスキルを手に入れてしまったらしい。
俺はまだ知らなかった。
このスキルが、
王国も魔王軍も巻き込む大事件の始まりになることを。
⸻
第3話を読んでくれた皆さまへ
第3話「冒険者ギルドとチートスキル」を読んでいただき、本当にありがとうございます。
ユウトが村に到着し、リリアとの距離も少し近づき、
そしてついに《無限ガチャ》の力が本格的に動き始めました。
今回登場した SSR「無限収納バッグ」 は、
これからの冒険で大きな役割を持つ重要なアイテムになります。
まだユウト自身も、このスキルの本当の可能性には気づいていません。
しかし、この力がやがて――
王国、強敵、そして世界そのものを巻き込む出来事へと繋がっていきます。
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたなら、とても嬉しいです。
それでは、次の物語でまたお会いしましょう。
ユウトとリリアの冒険は、まだ始まったばかりです。




