第0話 騒がしい村と眠る赤毛の少女
第0話 騒がしい村と眠る赤毛の少女
村に入ると、普段より明らかにざわついた空気が漂っていた。
子供たちは走り回り、村人たちは口々に声を上げる。
何かがあったのか、村全体が慌ただしい。
「……なんだ、これは」
ユウトは眉をひそめ、リリアと並んで広場へ足を進める。
肩の上のヒヨコも羽を小さく震わせ、「ぴよ……」と警戒心を示す。
広場の中心で、人々の視線が一点に集中していた。
木陰に横たわる少女――赤く長く流れる髪が地面に広がり、背中には小さな翼が折りたたまれている。
目は閉じられていて、瞳の色はまだ見えない。
「……あれ、誰?」
ユウトは息を飲む。
「リリア、あれ……人間じゃないよな?」
リリアも目を見開き、肩をすくめる。
「……そうですね。あれは、竜族だと思います」
「竜族……?」
ユウトは首をかしげる。
リリアは少し説明するように声をひそめた。
「竜族は、人間と似ている部分もあるけど、翼を持つ個体や魔力に長けた者もいるんです。
血筋によって特異な力を持つこともあるって聞きます。
この子はまだ小さいけど、成長すれば飛べるかもしれないです」
ユウトは慎重に近づき、ヒヨコを肩から下ろす。
小さく羽を震わせ、「ぴよ……」と鳴き、眠る少女をじっと見つめる。
村人たちは慌てつつも、少女を囲んで静かに見守っていた。
「森で見つけたんです、眠っていたんです」
「怪我はなさそうですが、しばらく眠っていたみたいで」
眠る赤毛の竜族少女――その存在が、村に静かな緊張と好奇を生んでいた。
ユウトにとっては未知の生き物だが、リリアの説明で少し理解しつつも、慎重に状況を見守る。
この少女が物語にどんな波乱をもたらすのか、まだ誰にもわからない。
村はまだ騒がしい。
子供たちの声、村人たちのざわめき――
その騒がしさの中、ユウトとリリアは少女を見守りつつ、慎重に村の中へ足を進めた。
――こうして、物語は新たな局面へと動き出す。
未知なる竜族少女の眠りが、二人の冒険にどんな影響を与えるのか――
静かに幕が開かれたのだった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
ユウトとリリアが出会った未知の存在――眠る赤毛の竜族少女。
物語はまだ始まったばかりですが、この出会いが二人の冒険にどんな波乱をもたらすのか、ぜひ楽しみにしていてください。
次の章では、この少女がどのように目覚め、そして物語に影響を与えていくのかが描かれます。
引き続き、一緒にユウトたちの冒険を追いかけましょう!




