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社畜だった俺のスキルはガチャだけ。気づいたら最強になっていた  作者: 1315
序章:出会い――ユニークスキルの覚醒
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第10話 奇跡の短剣

第10話 奇跡の短剣


俺は震える手を伸ばした。


視界はぼやけている。


呼吸をするたび、胸の奥が焼けるように痛む。


古代種の巨大な牙が振り上がる。


その標的は――


リリア。


「……やめろ」


声が出ない。


体も動かない。


それでも俺は、最後の力で目の前の画面に触れた。


その瞬間――


強い光が弾けた。


森の景色が白く染まる。


時間が止まったみたいだった。


そして視界の中央に、文字が浮かび上がる。


━━━━━━━━━━━━


ガチャ結果


精霊の短剣


━━━━━━━━━━━━


次の瞬間。


光がリリアの手元へ集まった。


折れていた短剣の柄が、突然まばゆい光を放つ。


地面に落ちていた刃の破片が、ふわりと宙へ浮いた。


まるで見えない力に引き寄せられるように、


破片がゆっくりと柄へ近づいていく。


「……え」


リリアが小さく声を漏らす。


破片が柄に触れた瞬間、


強い光が広がった。


刃が――


再生していく。


欠けていた部分が光で満たされ、


銀色の刃がゆっくり形を取り戻していく。


そして――


一本の美しい短剣が完成した。


透き通るような銀色の刃。


柄には流れるような紋様が刻まれている。


刃の表面には、淡い光がゆっくりと流れていた。


まるで生きている武器のようだった。


「……」


リリアは息を呑んだ。


だがその瞬間――


古代種の巨大な爪が振り下ろされた。


ドォォン!!


地面が砕ける。


土と落ち葉が吹き飛ぶ。


だが――


そこにリリアはいなかった。


「……!」


俺は目を見開いた。


リリアの体が、横へ滑るように動いていた。


さっきまでとは明らかに違う。


軽い。


速い。


まるで体が風になったみたいだった。


リリア自身も驚いた顔をしている。


「体が……軽い……?」


古代種が低く唸る。


赤い目がリリアを捕らえる。


そして――


突進。


ドン!!


巨体が森を揺らす。


だがリリアは地面を蹴った。


スッ。


体が流れる。


巨大な爪が空を切る。


風圧が髪を揺らす。


リリアはそのまま古代種の懐へ潜り込んだ。


「はあああっ!!」


短剣が振り上げられる。


そして――


振り下ろされた。


ズバァッ!!


鋭い斬撃が森を切り裂く。


古代種の肩から血が噴き出した。


「グォォォォォ!!」


古代種が怒りの咆哮を上げる。


森が震える。


だが確かに効いている。


さっきまで刃が通らなかった体が、


今ははっきりと切り裂かれている。


リリアはすぐに後ろへ跳び、距離を取る。


呼吸を整える。


そして手の中の短剣を見つめた。


刃が静かに光っている。


「ユウトさん!」


リリアが振り向く。


その瞳が強く輝いていた。


「この短剣……すごいです!」


俺は地面に倒れたまま、小さく笑った。


「……だろうな……」


胸が痛む。


呼吸が苦しい。


それでも――


希望は戻った。


古代種が低く唸る。


赤い目がリリアを睨む。


怒りが空気を震わせる。


だがリリアは一歩も引かなかった。


短剣を握りしめる。


その瞳にはもう恐怖はない。


「もう逃げません」


リリアが静かに言った。


「ユウトさんが守ってくれたから」


彼女は古代種をまっすぐ見据える。


短剣の光が静かに揺れる。


そして――


「今度は私が戦います」


古代種が地面を蹴った。


巨体が突っ込んでくる。


森の空気が揺れる。


だが今度は違う。


リリアは恐れない。


短剣を握りしめ、


真正面から古代種へ踏み出した。


戦いは――


完全に反撃へと変わった。

第10話をここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。


絶体絶命の状況の中、ユウトが最後に託したガチャ。

そして現れた一本の短剣――それがリリアの手に渡り、戦いの流れは大きく変わりました。


折れたはずの短剣が再び輝き、

恐怖に震えていたリリアが前に踏み出す瞬間は、物語の中でも大きな転機となりました。


ここまで物語を追いかけてくださったこと、本当に感謝しています。

ユウト、リリア、そしてヒヨコの冒険はまだ始まったばかりです。


この先には、さらに強い敵や新しい出会い、

そして二人の成長が待っています。


もし少しでも楽しんでいただけたなら、

これからの物語も見守っていただけると嬉しいです。


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

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