第6話 レベル上限♾️
16歳にして日本最高峰の剣道の大会の優勝者である高校1年の颯斗は、
勇者召喚に巻き込まれて、異世界に転移する。
自分は勇者の付属品だと言う颯斗だが、
人の限界を遥かに越える力を驚く程の速さで付けていく。
「名付けか~~良いけど……
そんなのした事ないからな……
えっと……ピンク寄りの薄紫の髪……
可愛らしい顔に姿……」
「えっ?か、可愛らしい顔……」
「〝ライラック〟……そういう名の可愛い花が、
俺のいた世界にあったな……
うん、君の名は〝ライラ〟……じゃだめ?」
「今、その花が頭に浮かんだわ……
ライラ……うん! 気に入ったわ。
とても素敵な名前ね……ありがとう、リック」
「気に入ってくれたなら良かったよ。
それで……もう一つのお願いって」
「いつか、私より遙かに大きな世界樹を見つけたら、
それが私の母……これを母に渡して欲しいの」
「世界樹って世界に一本じゃないんだ?」
「そうよ。私の母がいるの」
「で、何?これ?」
「世界樹の涙の雫……
これには私の魂の一部が入っているの。
無くさない様にペンダントにしておいたわ。
いつも身に付けていて欲しいの」
「まじか……こんな可愛いペンダント、
俺には似合わなくね?」
「そう?じゃあこうして……」
ペンダントを両手で包み込むと、
手の中から淡い光が溢れ出した。
「これならいいでしょ?」
「うん、シルバーの細い線が周りにあしらわれて、
凄くかっこいい感じになったね。
これを君のお母さんに渡せば良いの?」
「ええ、お願い出来るかしら?」
「それは良いけど……
俺がその世界樹の所に行く事なんてあるのかな?」
「間違いなく行くことになると思うわ。
私にはある程度の未来が見えるの」
「そうなのか?で、君のお母さん……それはどこに?」
「それは教えられないのよ」
「???ライアン様は、場所を知っているのですか?」
「そうだな……確かに知ってはいるが、
世界樹の同意がなければ、
いかにリックと言えど、
その場所を教えることは出来ない」
「それでも貴方は、
いつか私の母の元に辿り着くと思うわよ?」
「そうなんだ?……まあいいや。
だったら、預かっておくよ」
「助かるわ。近年、聖なる泉の近くに、
世界樹があるのではと、
ハイメルの王家が、躍起になって探している様なの。
禁術とされている魔道具まで使い、
探索をかけるものだから、
その不快な魔力に追われて、
この辺りは魔物が増えて……」
「それで、退治しても退治しても、
魔物の数が減らなかったのか……」
「もしここが見つかり、私に何かあっても、
この涙の雫さえあれば、
精霊として母の元で復活できるの」
「王家は世界樹を探して、どうするつもりなんだろ?」
「普通なら、
見守り、安定したマナを供給しようと考えるのだが、
驚いた事に、切り倒し、金に変えようとしている様だ。
世界樹は、葉の一枚でも、価値があるからな……」
「呆れた……この国の王族達は馬鹿なの?」
「紛れもなく馬鹿だな。
私利私欲の塊みたいな連中だ」
「ハアハアハア……参った!
おい、リック、お前とんでもなく強くなったな?
冒険者を引退したとは言え、
この国1番と言われた、
この俺がまるで歯が立たないとは……
元々持っていた剣の技術。俺が教えた技術。
その2つを、お前なりに融合させた今のお前の剣は、
まさしくこの世界の那岐神影流だ。
不思議なものだな……
で、お前のレベルはどこまで上がってるんだ?」
「ん?レベル?この前久しぶりに、
ステータス確認したら105だったよ?」
「ひ……105?それは確かなのか?」
「さあ?よく分からないけど、
ステータスを見ると105と出てるよ」
「今、この国の最高が俺の74。
ましてや俺達獣人や人族の最大値は、
100のはずだぞ?
長年そう言われ続け、
未だ100を超えるどころか、
そこに達した奴すらいないぞ?」
ステータスを見ればわかるが、
〝?/100〟となってるだろ?
つまり、100が限界値な訳だ」
「いや〝105/♾️〟ってなってるけど」
「それ本当か?〝♾️〟……無限大?
リック……お前には上限がないって事か?
召喚された人間だからか?
一体お前は、どこまで強くなるんだ……」
「魔法を使える様になって、魔法レベルが上がったら、
総合のレベルが急激に、どんどん上がったんだよね。
相乗効果なのかな?」
「お前が無意識にやっていた身体強化が、
魔法を覚えた事で、
さらに強化された可能性もあるな。
前から戦闘中、ぼんやり光っていたが……
本気になると、より一層輝きが増す」
「そうなのかな?自分じゃ良くわからないや」
いつしか二人は、親子のような距離感で話していた。
「ギルドの人間には、冒険者カードに反映されて、
どうせ隠せないから仕方ないとしても、
レベルを他人に聞かれたら、
半分くらいに話していた方がいいぞ。
変に警戒されると、動きづらくなるだろ?
例えばだ……魔王城に行って、
もし魔王とかに正直に話せば、
脅威とみなされかねない……
まあ最も魔王はレベル300くらいだと、
推測されているらしけどな」
「300?まじか……遥かに及ばないのか……
でも何で推測?」
「レベルが違いすぎて、
人には誰にも鑑定出来んからだろ?」
「今更なんだけど……
人と敵対している魔族の領内に入れるのかな?」
「この国以外は、
特に魔族と敵対しているわけではないんだ。
勇者の知人だと名乗り、名前を告げれば……
少なくとも、話が勇者たちの耳に届くはずだ。
友好的……とまではいかなくても、
門前払いはされない……と思いたいところだが……
う~ん……どうかな?」
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