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第57話 貴方のその顔は……

16歳にして日本最高峰の剣道の大会の優勝者である高校1年の颯斗りくとは、

勇者召喚に巻き込まれて、異世界に転移する。

自分は勇者の付属品だと言う颯斗だが、

人の限界を遥かに越える力を驚く程の速さで付けていく。

「何だって?悪魔の王と友達になって、

 悪魔が仲間になっただと?

 正気か?リック?

 悪魔を信じて良いのかよ?」

「……は?」

「だからか知らんけど、

 あいつから邪気をまるで感じないんだ。 

 むしろ妙に澄んでる。変なやつだよ。

 でもなかなか面白い」


「……貴方は毎回、想像の斜め上を行きますね」

 サインツは額を押さえた。

「少し慣れたと思っていたのですが……

 これには驚きました。

 ってことは、その“邪神”とやらは、

 孤立無援でしょうか?」

「ああ、でもカイゼルが言うには、

 相当力を付けているみたいだよ」

 颯斗の目が鋭くなる。

「サインツ。既に聖女から集めた聖魔力って、

 どれくらいなんだ」

「おおよそ500人くらいです。 

 そして聖女は神々1柱の1/100程度の魔力を、

 授かると言われております……」

「……ってことは」

 空気が凍る。

「神五柱分?」

「単純計算ならな」

「そこまでじゃないわよ?」

 静かな声。

「母さん?」

「ただ単純に魔力量だけ見ると私達に近いかも……

 元々持っている魔力と足したら、

 私たちを上回るかもしれないけどね?」

「母さん。いつ来たの?俺の話し聞いてた?」

「来たのは今だけど貴方の話は聞いてたわよ」

 女神アステリアは微笑む。

「邪神は神を上回るかもって言った?

 それってやばいんじゃ……

 今から修行しても間に合う訳ないよね?

 母さん邪神の事知ってるの?」

「そんな邪悪な神は居ないわよ?

 自分で神を名乗ってるだけじゃないかしら?

 今まで一度も姿を現していないから、

 私にもよく分からないわ」

「対策が取れないな……

 あっちょっと待って、

 何だこの邪悪な気配は……

 沢山の悪魔の気配も……

 ついに来たのか?

 思ったより早いな……

 カイゼル間に合ったんかな?」


 ーーーーーーーーー


 海底神殿の海上の上。

 轟く声。


「海中の者に告ぐ……

 直ちに聖女達を差し出すが良い。

 さもなくば、お前達に待っているのは全員の死のみ」

「おいおい、あの悪魔の数1万近くないか?

 それにあの邪神とか言うやつ……

 とんでもない魔力……」

「とにかく見つかったんじゃしょうがない。

 結界が破られて海水が入ってきたら全滅だよ。

 今直ぐ海上に浮遊してくれる。

 俺が1人で対峙してくる」


 ーーーー

「ほお……1人で来るとは大した度胸……

 それとも、ただの愚か者か?」

 カイゼルを見つけ目線を送る。

 カイゼルが頷く。


「1人?周りをよく見てみろよ……」

 邪神を取り囲んでいた悪魔1万人が一斉に、

 邪神に向く。

「なっ……何だ?貴様ら?」

 カイゼルがせせら笑いながら言う。

「1人なのはあんたなんじゃ?」

 静かに邪神に近づく颯斗。

「ほお……1人で来るとは大した度胸……

 それとも、ただの愚か者か?ぷぷぷっ……」



「ん?………………」

「どうした?何を黙っている?

 絶対優位になったんじゃないのか?」

「………………」

 リックの瞳が揺れている。



「どうしたんだ?リックは……」

「何か驚いている様に見えるけど」


 更に近づいて邪神の顔を覗く。

 驚愕……困惑……

 そして――信じられないという顔。

「お前……いや……貴方のその顔は……」

「私の顔がどうしたと言うのだ?」

「いや……だってその顔は……」

 颯斗の肩が震える。

「まさか私と会った事があるとでも言うのか?」

「貴方はいつから神に?」

「いつからとは、おかしなことを言う。

 生まれた時から神……

 神として生まれたに決まってるではないか」

「違う…そんなはずは……」

「もう良い。

 聖女達を差し出し私の元に着くか……今直ぐ決めろ」

「……差し出せるわけないだろ」

「そうか。であれば話す事はない、

 下らない話を聞くこともな」

 邪神は両手を広げ天に向けた。

 無数の魔法陣が出現する。

 空が覆い尽くされる。  

 全てがルーン文字の魔法陣である。

「カイゼル……皆んなを少し引かせて」


「なんて数の魔法陣だ……とてもじゃないが……

 いくらリックと言えど、防ぎようがない……」

「ううん……リックの顔を見て、全く諦めていない様よ?

 リックを信じましょ?」



「聖女を含め全員の死をもって後悔するが良い」

 赤く光出す魔法陣、その数千……

 誰もが到底防ぎようがないと思った次の瞬間、

 全ての魔法陣の前に出現し青く光出す魔法陣。

 赤い魔法が青に触れた瞬間、

 白い光の粒へと分解される。

 夜空に散る星のように。

 息を呑む美しさ。


「き、貴様……何をした?

 なぜ人に〝認識できぬ〟魔法陣を相殺できる!?」

「ルーン文字の事は貴方からすべて教わった。

 相殺するのはそう難しい事じゃない」

「私に教わっただと?世迷いごとを……」

「貴方は伝説の大賢者……サイモン」

 邪神の瞳が揺らぐ。

「 俺は直接ではないけど、

 貴方からすべてを受け継いだ貴方の弟子」

「大賢者?ふざけるな。

 私が人の賢者如きの訳はない。

 たとえお前が、

 何らかの方法でルーン文字を取得してようが、

 私の魔法を全て相殺出来るほどの、

 魔力を持つはずはないのだ。

 いったいお前は何者だ?」

「我を忘れて暴走している貴方を止める者……

 いったい貴方に何があったんだ?」

 無防備に邪神に近づく颯斗。

 手を前に出すと、

 人差し指を邪神の眉間にそっと触れさせる。

 突然思いもよらない行動に出た颯斗に、

 一瞬固まり動けない邪神。

 邪神でさえ記憶していない、

 過去の物語が颯斗に流れこむ。

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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