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第55話 悪魔の王カイゼル

16歳にして日本最高峰の剣道の大会の優勝者である高校1年の颯斗りくとは、

勇者召喚に巻き込まれて、異世界に転移する。

自分は勇者の付属品だと言う颯斗だが、

人の限界を遥かに越える力を驚く程の速さで付けていく。

「ジェイク総師範」

「おお、これは那岐颯斗創始先生!」

「俺の呼び名長いな……リックと呼んで下さい」

「分かりましたリック先生」

「先生は要らないんだけど……実は……」


 ーーー


「……そのような事態に」

 ジェイクの表情が引き締まる。

「承知致しました。直ちに各国幹部を招集します。

 貴方が開発された通信魔道具で急報を回します」


 ーーーー


「リック先生。出払っているものも多く、

 急ぎ連絡をとってくれておりますが、

 全員集めるのに2〜3日掛かりそうです。

 申し訳ありません」

「そうですか分かりました。

 今の会話で思いついた事がありますので、

 一旦戻ります」


 ーーーー


「エレーナ!」

「キャ!驚いた……急に目の前に現れないでよ」

「悪い!俺ガードナーの迷宮に潜ってくる」

「は?何で今更?」

「魔石を1000個ぐらい集めてくる」

「そんなに沢山の魔石……何に使うの」

「那岐神影流の門下生に、

 聖女の保護に向かってもらうだろ?

 その時、

 危機を知らせる通信魔道具を作ろうかと」

「今から?間に合うの?

 そもそもここに、

 携帯できる様な小さなものはないわよ」

「有るじゃない?俺がエレーナに渡した指輪……

 あれを少しアレンジして……何か造れる気がするんだ」

「……〝気がする〟って言った?」

「うん」

「頼りないわね……」


「でも魔石なら、あなた山ほど持ってるでしょ?」

「ない」

「あるわよ」

 エレーナは呆れ顔。


「あなた魔石を売ったの、

 最初に冒険者登録した時だけじゃない?

 その後何体倒したと思ってるのよ。

 マジックバック確かめてみなさいよ?」

「マジックバック?」

「そうよ?自動で回収してるんでしょ?

 収納項目確認すれば、数もわかるわよ」

「マジで?」

「そんな事も知らなかったの?驚きね〜」


「〝マジックバック〟……あ」

 魔石3万個以上有る」

「規格外ね……呆れた……」

「何処で作業しようかな?

 エレーナの城の俺の部屋に帰るか?」

「うちの城より、防御力も高くて、

 これから拠点になる海底神殿が良いんじゃない?」


 ーーーーーーーー


「と言う事で皆さんに協力いただければと……」

「喜んで協力致します!皆もそれで良いな?」

「「「「おお〜〜!」」」」

「で、もう一つお願いが……

 昨日余った魔石を売ったんですが、

 この金で、食料を買い込んでもらえませんか?

 念の為2〜3千人が、半年位生活できる量を……」

 場が静まる。


「一箇所で買うと色々不味そうなので……」

「颯斗、その必要は無いわよ」

「「「「ど……何処から声が?」」」」

「ごめんなさいね、ここでは姿を表せられないの……

 声だけで失礼するわね」

「母さん?何?必要ないって?」

「あの神殿には居住区があるのは知っているでしょ?

 食料も十分保存してあるわよ」

「いや、何千年前の食料だよ……」

「あら、時間が進まない保管場所よ?問題ないわ」


「あ、あの……どなたと?」

「ああ、この声?俺の母さん」

「先生の、お母上?」

「そ、一応女神のアステリア母さん」

「一応って何よ?」

「め、女神……神様……」

「かしこまんなくてもいいですよ?

 母さんなんだから……」

「あなたは……神の子……」

「え〜と……いったん忘れましょうか」

「…………」


「なら食料は大丈夫か……それならこの金は、

 協力してくれる人に配ってくれる」

「我々にお金は必要ありませんよリック先生」

「いや、暫く家を空ける訳でしょ?

 その間の稼ぎの足しにして」


 ーーーーーーーー


「颯斗様。最初の聖女5人が、

 ガードナー王国から着きました」

「早かったね。

 母さんが通信魔道具に、

 女神の印を付けてくれたから、

 教会から疑われずスムーズに事が運んだんだね。

 この勢いでみんな早く集まってくれると良いんだけど……

 ん?何だこの大きな魔力の気配は?」



「お前が颯斗?」

「そうだけど?あんたは?」

「俺はカイゼル。悪魔の王……」

 空気が凍る。

「こんなに早く嗅ぎつけるとは……予想外だな」

「久しぶりに現れた聖女の魔力が、

 ここに飛んだから見にきてみたのさ」

「目的は?聖女か?馬鹿じゃないか?

 まだ5人しか来ていない。

 聖女を狙うならもっと集まってからだろ?」

「ん?俺の目的は聖女じゃないぞ」

 にやりと笑う。

「じゃあ何だよ?」

「お前だよ?ここに来ればお前に会えると思ってな。

 お前を始末する様に、

 主人(クソ野郎)に命令されていてな」

「誰だよ?その〝クソ野郎〟って?

 何でクソの命令なんて聞くんだ?

 〝クソ野郎〟って言うくらいなんだから、

 そいつの事嫌いなんだろ?」

「俺の仲間がクソ野郎の眷属にされちまっててよ……

 ちょっと逆らう訳にはいかんのだよ」

「誰なんだそのクソ野郎って?」

「自分では〝邪神〟を名乗ってるな……

 本当かどうかは分からん……」

「〝邪神〟?神だと?」

「勝手に名乗ってるだけかもな?」

「お前、引く気は?」

「リックだっけ?お前……めちゃくちゃ強いだろ?

 だから俺だって引きたいのは山々だけどな」

「引けない?仕方ないか?

 俺も今死ぬ訳にはいかんからな……」

 悪魔の王カイゼルの周りをルー文字の魔法陣が囲む。

「待て待て……」

 リックが手を上げる。

「とんでもねえ魔法だってのは分かるけど、

 ここでそれをぶっ飛ばすのは不味かねえか?」

「……」


「俺の作った別次元で攻撃魔法無し、

 肉弾戦……てのはどうだ?」

「ほう?それは面白いな」

「即答かよ?」

 カイゼルが目を細める。

「お前も馬鹿か?俺の次元だぞ?罠かと思わないのか?」

「何だかお前から、そう言う気配を感じないんだよな?

 むしろ、良い友達にさえなれそうな……」

「ははは、面白いなお前。自分の直感を信じるってか?」

 カイゼルが笑う。

「ああ、俺も神の端くれらしいぞ?それくらい分かるさ」

 颯斗も笑った。


数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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