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第35話 いざ世界樹のもとへ

16歳にして日本最高峰の剣道の大会の優勝者である高校1年の颯斗りくとは、

勇者召喚に巻き込まれて、異世界に転移する。

自分は勇者の付属品だと言う颯斗だが、

人の限界を遥かに越える力を驚く程の速さで付けていく。

「本当に付いてくるの?」

「だって、私だって世界樹見たいもの……」

「森はきっと危険だよ?それにあるかどうかも保証できないけど?」

「それでも行く」

「………………」

「迷って彷徨ったら、私と何日も離ればなれよ?それでも良いの?」

「エレーナの匂いを嗅げないって言いたいのか?」

「なっ!そんなこと言ってないでしょ!」

 〝クンクンクン……〟

「ちょっ……!」

「汗臭っ……くないな?あんなに暴れてたのに?」

「たくさん汗かいたのにクンクンすなっ!ど変態!

 ねえ……本当に臭くない?……」

「うん、良い匂い……」

「私、世界樹の所まで付いていって良い?」

「うん、良い匂い……」

「良いのはどっちよ?私ついて行くからね!」


 〝クンクンクン……〟

 エレーナは、自分の腕の匂いを嗅いてみた。

「自分では分からないか……」

「あっ、ずるっ!」

「何意味不明なこと言ってるのよ?」

「俺、エレーナの匂いなしでは生きていけないかも」

「馬鹿……貴方、10年後、1人で過去に行くのよね?1年間も?」

「やっぱ、行かないかも……」

「……やっぱり馬鹿なの?」

 でも、そう言うエレーナの顔は、なぜか嬉しそうに赤く染まっていた。



「こっちで良いの?」

「うん、真っ直ぐ世界樹に向かってると思うよ?

 今日1日、全く迷ってないな……どこが迷いの森なんだか?

 これってむしろ呼ばれてるって感じじゃん?」



 陽が(かげ)ってきたので、野営の用意をし、

 焚き火の前で、夕食を取る2人。

「魔物も居ないし、マナが多くて、凄く気持ちのいい山道よね?

 私には、世界樹が見えないけど、あと、どの位離れているの?」

「ちょうど半分くらい来た感じかな?明日中には着くんじゃない?

 転移魔法が使えれば直ぐだったのにな……」

「前に、何人か転移魔法使える人がいて、

 使ったら、その人達、ことごとく、どこかに飛ばされちゃったんでしょ?」

「らしいね。他国まで飛ばされた人がいるって、総師範が言ってた。

 あれ?でも呼ばれているなら転移魔法使えるんじゃね?」

「だめだったら取り返しがつかないからやめときましょ?」

「……だな……」

「まあ、良いんじゃない?歩くのも楽しいわよ」

「まあね。エレーナと、たくさん話もできるしね」


「じゃ、私、そこの温泉入るわね。覗かないでよ?」

「一緒に入ろうよ?」

「恥ずかしいからやだ」

「何を今更……もしや、太って、俺に見せられないとか?」

「残念でした~~その手にはのりません」

「ああそうかい……フフフ……俺は透明化だって、出来るのだよ?」

「……お馬鹿……まあ、暗いし……良いか……一緒に入る?」

「はい、喜んで~!」

「確かに喜んでいるんでしょうけど……使い方が違う様な……」


「ちょっと、何ランプ煌々(こうこう)とつけてるのよ?」

「……暗いから……この岩場、足元が危ないですよ旦那?

 わたくしに他意はございません」

「他意だらけの悪い顔してるじゃない?」

「滅相もございません……」

「ちょっと……どこ照らしてるのよ?」

「岩場を照らした後は、なだらかな丘と……少し下の花畑……」

 〝パコ~ン!〟

「イテッ……あ~……平和ですな……」

「その変な話し方禁止……」


「ねえ、リック……月の光が、あそこだけなんか変じゃない?」

「どこ?」

「私じゃなく、あっちを見てみて!」

「ん?あそこは、世界樹があるとこだよ?

 エレーナにも、なんか見えるの?」

「言われてみれば……すご~く、大きな木に見えなくも……」

「へ~少し見える様になったんだね?

 この温泉のお陰かな?このお湯、マナに満たされてるよ。

 エレーナの、肌も、すべすべ……」

「きゃっ!どこ触ってるの……」



「どう?今日中に着けそう?」

「?……気をつけて……何か……おっと!」

 いくつかの高い木から矢が一斉に飛んできた。

 〝カンカンカンカン……〟

「エレーナ!お見事!腕上げたね」

「貴方の道場で……って、のんびり喋ってる場合じゃ……」

「そんじゃあ、俺からも挨拶するかな……」

「敵じゃないと思うわ。殺しちゃダメよ?手加減してね」

「余裕っス」


 颯斗が、地を蹴った。一瞬で速度が上がり、

 光が駆け巡っている様にしか見えなくなる。


 〝ドサドサドサ……〟

 何者かが、20人ほど木から落ちてきた。

 1人、色の違う服装の男に剣を突きつける颯斗。


「あんたがリーダー?俺、敵じゃないよ?ライアン様の弟子で、

 女神様に言われて、エレーナが世界樹見たいって付いてきて、

 昨夜、温泉入ったら、世界樹が見えて、肌がすべすべ……」

「何わけわかんないこと言ってるのよ。落ち着いて、リック。私が話すわ。

 私達は、女神様の〝世界樹に行く様に〟と言う導きで、ここに来ました。

 決して怪しい者ではありません。

 私は、ガードナー王国第一王女エレーナです。

 彼は、如月颯斗。異世界から召喚された勇者です……多分……」

「リ……リクト?貴方が?……す……済みません……

 女神様の神託は受けております。

 ここに人が入って来たのは初めてで、

 貴方のあまりの、魔力量に動揺してしまいました……」

「女神様の神託……そうか……皆さん大丈夫かな?怪我とかされていませんか?」

「はい、大丈夫の様です」

「良かった……それでは早速、世界樹に案内してもらえる?」

「もちろんです。……あの……一つお聞きしても?」

「何?」

「先程、〝ライアン様の弟子〟と……

 もしやハイメルの精霊の長の、ライアンでは?」

「そう……だけど、知り合い?」

「ライアンは私の叔父です。

 この地の長をしている私の父が、ライアンの兄なのです」

「ああそうなんだ……それで、ライアン様は、世界樹の事知っていたんだ……」

「ハイメルの不穏な動きが気になり、世界樹の幼木を守る為に、

 ここを離れ、1人移り住んだのです」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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