第17話 勇者の付属品〝アクセサリー〟
16歳にして日本最高峰の剣道の大会の優勝者である高校1年の颯斗は、
勇者召喚に巻き込まれて、異世界に転移する。
自分は勇者の付属品だと言う颯斗だが、
人の限界を遥かに越える力を驚く程の速さで付けていく。
「話の内容は理解いたしました……とは言え……」
「信じられない?」
「いえ、そんな……貴方の強さは、目の前で見ましたから……
ただ、なかなか話についていけなくて……」
「ハハハ……ジェブと戦ってるの見てないからな……
姫さん、強いんだって?でも双剣って?」
「双剣がどうかしましたか?それと私の事は、エレーナと」
「さっき、以前獲得したスキルを試してみたんだけど……
龍神の加護をもらった時、心眼のスキルを獲得したんだよね。
スキルのレベルが上がったのか、
他人のステータスも、ざっくりだけどわかる様になったんだ」
「あの……スキルって普通1つなんですけど……
と言うか、むしろ何も持ってない人が大半ですよ?」
「そう?俺今、11個のスキルを持ってるけど?」
「……驚きです……」
「で、エレーナのスキル、確かにあるけど、
なんか文字が薄い……なんだろ?
しかも双剣のスキルって書いてある前に不自然な空白あるし……」
「………………」
「エレーナ、魔力量多いんだろ?双剣って感じじゃないよな?
だからかな?なんか違和感があるよ」
「…………」
「じゃ、俺はこれで、宿で休んで明日また迷宮に潜るんで」
「迷宮を攻略したのに、また行くのか?」
「目的の半分は達成したけど、残りの半分は未だだから」
「ランクアップだろ?十分上がったじゃないか?」
「まだまだ……だって1層から、27層まで途中全部飛ばしたんだよ?
その後戻ったけど、いまだ5層までしか攻略してない」
「……ごめんなさい……」
「だからそれはもういいって。
ギルマス、俺、いまだレベル152……これじゃあ全然足りないんだ……」
「あの…………今なんと?レベル〝152〟と、聞こえたのですが……」
「ん?そうだけど?」
「だって……私こんなに頑張って53……て言うか……
そもそも人の最大値は100……ですよね?」
「らしいね……でも俺、この世界の人間じゃないから……」
「元の世界って言われたのはそう言う意味なのですか?」
「勇者召喚に巻き込まれたみたい……
なぜだか、こっちに来たのが3年遅れたんだけど」
「巻き込まれた?」
「そ。勇者の付属品が俺……」
「本気で仰ってます?勇者さん達のレベルご存知ですか?
あの国……ハイメル王国からいなくなった当時、神の祝福を受けた上で、
3年修行して60前後だったと聞いています。
それでも規格外のことだと言われているのですよ?
貴方も3年遅れたということは、
ちょうど今、その頃の勇者と同じ、この世界に来て3年目……
3年で、レベルいくつと仰いました?152?
貴方こそが、神の祝福を受けた真の勇者なのでは?」
「ハハハ、俺は付属品さ……じゃあね……」
「あの方、過小評価も甚だしいですね……」
「ん~~……そうじゃないと思いますよ。
あいつはきっと、勇者とか言われて、持ち上げられるのが嫌なんですよ。
自分の強さは、充分分かっているはずですよ。
そうじゃなきゃレベル300なんて目指す訳ないでしょ?」
「さ、300?何故300なんですか?」
「魔王が300くらいなんじゃないかと言われているからでしょうな」
「勇者に変わって魔王討伐をするつもりなのでしょうか?」
「そうは考えていないと思いますよ。
そもそもあいつは魔族や魔王が悪だとは決めつけていないようです。
ただ、万が一そうでなかった場合……大切なものを守りたい……
それだけの力を持っていたい……ただそれだけですよ」
「…………大切な方がおられるのですね…………」
「ん?どうかされましたか?あいつの守りたいものは、家族や友人……
既に姫様もその1人なのでは?」
「え?私?……何故その様に思われるのです?」
「姫様を助ける為に、sss級魔物の迷宮ボスと戦ったって言ってましたよ」
嬉しそうに顔をほんのり桜色に染めるエレーナだった。
「さ~て……今日も潜りますか。
行った事のある場所ならどこにも行ける……便利な〝転移〟……
まだ、スキルのレベルが低いから、遠くにはいけないけどね~
〝転移〟…………
あれ?昨日出来た〝転移〟が出来ない?」
「ん?転移出来んのか?どうしたんだ?
まあ、だったら転移部屋に行ったら良いだろ?
行った事のある層には、その部屋から行けるぞ?」
「う~ん……おかしいな?魔力は十分足りてるし……
何で〝転移〟出来ないんだ?
仕方ない……転移部屋?ジェブ、それどこだっけ?」
「ここもダメだな……転移部屋が作動しない……」
「そんなはずは……もしや、昨日から迷宮のコアが暴走気味……
あの姫さんが持って来た、ルール破りの魔道具のせいか?
ボスの俺も居なくなって……何か、この迷宮ずいぶん変化しているかもしれん。
雰囲気というか……気配というか……昨日までとは何かが違う……
「はあ~仕方ない……1層からやり直すよ……」
「だったら、アイテムボックスに食料とか買い溜めして、
潜りっぱなしの方が良いぞ?
毎回1層からだと、なかなか先に進めんだろ?」
「でも、これだけ魔物がいたら寝たり食事したりする暇ないだろ?
潜りっぱなし……ってのは、無理があるんじゃないか?」
「横穴掘って隠れたら良い。魔法で簡単に掘れるだろ?
入口塞いたら、お前が休む間俺が見ててやるよ」
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