エンドロール49 【都立夢異世界部活学校卒業へ】49/兄と弟6
【徳太】と【芳一】の話は続いている。
【徳太】は、
「視点ねぇ・・・
目線を変えただけでどうにかなるものかねぇ?」
と言った。
【芳一】は、
「前に、年上の弟子を取ったって言ったろ?
その時、弟子に教えた事の1つに小説を作る上で大事なのは視点って書いた事がある。
それを兄貴にも教えるよ」
と言った。
「へいへい。
作家先生は何を教えてくれるんで?」
「ある時、小さな男の子がペットの飼い犬に逃げられてしまい、近所の大人で色々と探し回りましたが結局は見つける事が出来ませんでした。
でも小さな男の子はペットの飼い犬を見つける事が出来ました。
これはどうしてでしょう?」
「何だそりゃ?
それは自分の飼い犬だからだろう?
小さな男の子の元に犬が戻ったんだ」
「ぶっぶぅ~。
飼い犬は見失った場所を動いて居ませんでした」
「じゃあ、たまたまだ。
たまたま見つけたんだ」
「違います。
男の子が見つけました」
「じゃあ、何でだよ?
偶然以外に何が出来るってんだ?」
「だからそれが目線だよ。
ペットの犬は小さい男の子の目線で見える位置に居たんだ。
大人はしゃがまないと見えない位置に。
だから、男の子だけが見つける事が出来たんだ。
それが目線だよ。
小さな子供と話す時の特徴だけど上からの目線で話しても小さな子は緊張しちゃうんだ。
そうじゃなくて、小さな子の目線に立って話すと意外に話を聞いてくれたりする。
兄貴は子供が苦手だったからな。
僕が姪っ子達に懐かれていたのはそう言う理由だよ。
兄貴は上から見下ろしてた。
僕は子供の目線で話していた。
その違いだよ。
作品も一緒。
視点をそこに持って行けるかどうか?
それが想像する上で大事なポイントになるんだよ」
「すげぇなお前・・・
何でそんな事が解るんだ?」
「徹底した人間観察だよ。
他人に余り興味ない兄貴には解らないかも知れないけどな。
それが僕の力の一部としてある。
そして、大事なのは積み重ねだ。
兄貴は僕の創作活動を遊んでいるってバカにしていたけど、僕が小説を書くのを遊んでいるって言ってしまえば漫画家やゲーマーはずっと遊んでいるって事になる。
それを仕事にしている人だって居るって事。
それを理解して欲しいと思っている」
「悪かったな・・・
理解力の無い兄貴で」
「いや、話を聞いてくれただけでも嬉しいよ」
と言う話をした。
話はもう少しだけ続く。




