エンドロール29 【都立夢異世界部活学校卒業へ】29/3つ目の作品のリメイク03
【加古川 透】は、小悪党である。
普段は探偵の仕事をしているが、それも人の弱味を握って脅しの道具にするためのものである。
一匹狼を気取っているが、他者に使われる事を好まない性格であり、人の輪があまり好きではない。
そんな男である。
要するに小者の狸である。
そんな男がある情報を入手した。
希代の詐欺師と唄われた【雪城 黄金】には妹が居て、その女狐が【黄金】の遺産を全て手に入れたと言う事である。
【透】は独自の情報網を駆使して、その妹の疑いのある女狐、【雪城 焔】の所までたどり着いた。
【透】は、
「【雪城 焔さん】ですよね?
実はわたくし、お姉さんの【黄金さん】には大変お世話になっていて・・・」
と言うと、【焔】は、
「えぇ。
存じております。
【加古川 透さん】ですね。
姉がお世話になりました」
と返してきた。
【透】は、
(この女・・・
どうやって俺の名前が【加古川 透】だと気付いた?
それに【雪城 黄金】が俺と知り合いなのは当然、出鱈目だ。
わざわざ、俺の話に合わせて来た?
何が狙いだ?)
と思ったが、おくびにもださず、
「世界一周旅行ですか?
奇遇ですね。
俺も同じなんですよ。
宜しかったらご一緒に回りませんか?
これも何かの縁ですし・・・」
と言った。
【焔】は、
「えぇ。
貴方の事はよく聞いておりますので。
貴方をお待ちしていました」
と答えた。
【透】も【焔】もこれが狐と狸の騙し合いになると認識していた。
行動を共にし、相手から情報を引き出し、自分は相手を騙くらかす。
そんな頭脳戦がこの時、始まったのだった。




