夏の奇妙な出会い
「あっついなぁ~暑さで頭がやられちゃいそうだ…」
雲一つない晴天、決して屋根一つでこの暑さを凌げるはずもなく。
「少し、お隣よいですか?」
「全然大丈夫ですよ、てかここバス停なんで。」
「(少し、顔が見づらいな…出来れば顔を拝みたかったんだけどなぁ
…まぁいいか)」
「お話良いですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
「この村は昔神が居たんです。
村の人々はその神に恐れ、祠に封印し、今もなお恐怖に怯えてるんです。
神の祟りに、怒りに」
「…それを僕に言ってどうして欲しいんですか?
まさか生け贄にでも?そうなったら僕は抵抗しますよ。」
「そういうことを言いたいんじゃなく、今も昔も村の人々は目に見えない恐怖に怯えている。
だから、あなたが寄り添ってあげて欲しいんです。
夏目」
「なんで…僕の名を?
…あれ、誰と話してたんだっけ…
何故か分からないけど、内容は忘れちゃダメだと脳に直接語りかけられてるみたいだ。」
「再開があんな感じでよかったのかい?」
「良いんです。
あの子をもう一度見れただけでも満足なんです。」
「そんなもんなのかねぇ、人間ってのはよく分からない生き物だ。
…でも、そんな笑顔されちゃこの村を祟るのも惜しくなってくる。
…標的変えるかぁ、次はクズが多そうなところとか
あそことか良いじゃん、次はあそこだな。」
「これで、あの子はどう変わるのかは私には分からないけど。
良い子になって欲しいな、私の子供たち。」
この奇妙な出会いでなにが変わるかは本人たち次第。
この者たちの行く末を見届ける観測者は君たちだ。