part9 窃盗疑惑騒動
あの世は異世界に入りますか?part9です。
更新遅れてすんません。次回の投稿は1/13の予定です。
異世界初の戦闘を終え、熟睡していた莉音は突如セレスに叩き起こされた。
「何だぁ…?俺は今眠いんだが…?」
「そんな事言っている場合じゃありません!レイさんが…リオンさんのお金を盗み取ろうと…」
「何だって!?」
眠いなど戯言を言っている場合ではない事に今更ながら気付く。
「違う!」
直後、怒気を孕んだ叫びに身を震わせる。
「そいつが…セレスが金を盗み取ろうとしていたんだ!俺がそれを止めようとしたら…とんだ言いがかりだ!」
二人の意見が食い違っているのと、眠気でまだ脳が回っていないので、状況がイマイチ把握できない。
「…とりあえず、順番に話を聞いていこう。俺は今の状況がイマイチ把握できていない。…じゃあ、先にセレス。君から話を聞こう。何があった?」
セレスは今にも泣きそうな震えた声で話し始めた。
「はい…私は、自分の部屋に入ったあと、疲れを癒すためにすぐ眠りにつきました。ですが…先程物音がした為目が覚めたんです。そうしたら、レイさんの声が聞こえたので、声を掛けようと思ったら…レイさんはリオンさんの部屋に入って行ったんです…」
「——違う!俺はそんな事していない!」
怜の怒号により話が中断される。
「…怜、お前の言い分は後で聞く。今は状況の整理をしているんだ。ちょっと静かにしていて欲しい。」
「うるさい!そいつがやったんだ!莉音、信じてくれ!」
物分かりの悪い怜に我慢の限界を迎える。
「——信じてくれも何も、俺はその時は寝ていた。だからどっちが犯人か分からない。」
「———何が言いたい?」
怜がイラついた様子で答える。
「お前が犯人ではないと言う証拠は?無いのなら黙っていろ。」
「———ッ」
俺は今セレスに話を聞いているのだ。怜の話を聞くのは今じゃ無い。
「じゃあ、セレス。話の続きを…」
「分かりました。リオンさんの部屋に入って行ったレイさんを見て、何となく嫌な予感がしたんです。だから、私はレイさんに話をしに行こうと思ったら…レイさんが、リオンさんの金銭袋を漁っていたんです…。」
「……なるほど。」
とはいえセレスの言っている事が正しいと言う証拠は無い。あまり気は進まないが、怜の話を聞くしか無い。
「…んじゃあ怜、お前の話を聞かせてくれ。」
「……分かった。」
怜は怒りに震えながら、口を開いた。
「俺は宿屋で莉音たちと別れたあと、少し休んで酒場に行ったんだ。そこで少し飲んだ後、眠くなったから宿屋へ戻った。そして、深夜にふと目が覚めてな。再び寝付けなかったから、夜風にでもあたりに行こうかと思ったら…莉音の部屋に入るセレスを発見した。ちょっと声を掛けようと部屋を覗いたら…セレスがお前の懐を弄ってた。何やってるんだと止めに行こうとしたら、セレスが急にお前の事を起こして…今に至る…と言った所だ。」
「ふむ…。」
怜の話を聞いたら、余計話がややこしくなった。一体どっちが本当の事を言っているんだろうか…?と、そこで
「違います!レイさんがやったんです!」
「俺はやってない!莉音、信じてくれ!」
「…どっちが正しいんだ…?」
ここで口論になっても意味がない。と怜は酒場についてくる様言ってきた。
「酒場に言ってどうすんだよ?」
「酒場の親父に俺身の潔白を証明してもらう。」
…決定力には欠けるが多少は信頼出来るかもしれない。…などと考えているとセレスが声を上げた。
「それなら、リオンさんの金銭袋の指紋検査を行うのが一番手っ取り早いんじゃないでしょうか?私の意見も、レイさんの意見もどちらかが金銭袋を触っていると言う共通点があるので、そこが別れば犯人も一目瞭然だと思います。」
「なるほど…それが良いかもな。」
正直、酒場に行くのは乗り気じゃなかった。莉音は酒の匂いがあまり好きではない。
「んでもさ、そんな事してくれる所あんのか?」
そんな都合の良いところがあるはずもなく…
「ここです。」
あった。
「この村の警察さんたちは優秀ですよ。年中無休で基本的にいつでも空いてます!」
「なるほどな。じゃあ、早速検査してもらおう。」
そして、俺たちは警察署へ足を運んだ。
「すみません。指紋検査を行って欲しいんですけど…」
「…何故?」
俺は事情を説明する。
「なるほど。パーティー内で窃盗疑惑があるから、事件解決に協力して欲しい…そう言った所ですか?」
「はい。状況理解が早くて助かります。」
確かにセレスの言う通り優秀だなと思う。
「では、指紋検査を行う物と、皆様の指紋を拝借致します。」
一応中身の枚数を確認して警察に渡す。
「庶民からお金を盗む様な真似はしませんよ。」
「まぁ、そうですよね。」
そう言って警察は笑うが、なんとなく不穏な気配がする。…今後はあまりここに来たくない。
「では、検査を開始致します———!」
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