part4 金策問題
あの世は異世界に入りますか?part4です。
「ここが例の野草が生えてる草原か?」
俺は今、0円生活を脱するため、野草を探しにやって来た。
「草原…だよな?」
草原と呼ばれるそこは地獄だという事もあり、とても草原には見えなかった。
「まぁ、異世界だし、一々気にしてたら負けか。」
こうして俺は野草摘みを始めた。どうやら、この世界の住人ならだれでも鑑定スキルが使える様だ。ただし、最初期は名前が分かるだけ。品質やlv、その他の情報は鑑定スキルを強化しなければならない。
「要するにさっさと金集めてlv上げしろって事か。」
こんな所で時間を食って居られない。俺は黙々と野草を摘んだ。
集中しているとあっという間に時間が過ぎ、もう日は沈んでいた。
「さぁって、本日の成果を確認しますか。」
俺はパンパンに野草が詰まっている袋片手に素材屋へ向かっていた。
「おぉーいおっちゃん。野草買い取ってくんね?」
驚く事にこの村の素材屋の親父は人間だった。てっきり店は鬼が全て営んでいる物だと思っていた。
「あぁ…野草か。今回は買い取ってやるが次からは野草は買い取らんぞ。」
辛辣な発言を受け、俺は困惑する。
「野草がダメってどういう事だ?!」
「野草は新しくこの村に人間がくるたび売りにくるから有り余ってるんだよ。薬草とかそういう物を売るなら売って欲しい。」
薬草類なら、例の草原に生えていた気がする。明日以降は薬草類を採取するとしよう。
「そんで、この野草。一体いくらでも売れるんだ?」
この世界の相場が分からないが、数日はやり過ごせる位は金が欲しい。
「そうだな…これだけの量だと、銅貨47枚…って所だな。」
この世界の通貨は銅貨、銀貨、金貨の三種類だ。銅貨100枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚となっている。通貨の仕組みはかなり王道のスタイルでわかりやすい。
「47枚か…おっちゃん。そこをなんとか48にしてくんね?」
宿屋一泊で銅貨5枚。食事込みで考えると銅貨8枚。要するに最低でも5日は生きられるという事だ。ただ、後1枚あれば6日生きられる。
「中々厳しいな…これでも相場より若干高値で買い取っているんだ。これ以上は…。」
必死に懇願すればどうにかならないだろうか?
「頼むおっちゃん。この通り!」
両手を合わせて懇願する。
「…仕方ないな。特別に48にしてやるよ。」
「マジか!?サンキューおっちゃん!マジ神!明日は大量の薬草摘んでくるわ!」
作戦が成功し、懐が温まった所で、宿屋へと向かう。
「流石に今日ほどの大量の薬草はいらないんだが…」
聞こえなかったフリをしてそそくさと退散する。
「さて…と。飯食って早く寝て明日も稼ぐか…。」
まだ不慣れな事が多いが、少しずつ慣れて来た。文字は全部覚えたし、短文も数文だが覚えた。魔法剣士向きの武器は銀貨2枚、銅貨30枚で売っていた。明日の収入次第では意外とすぐに武器を買えるかもしれない。もしかしたら、華の異世界ライフへ一歩ずつ近付いているのかもな。等と考えながら、宿屋へと向かい明日へ備えて休んだのであった。
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