Part.3 異世界文字
あの世は異世界に入りますか?part.3です。
「そう言えば自己紹介がまだだったな。俺は髙橋莉音。よろしく頼む。」
自己紹介をまだしていない事に気付き、俺は自己紹介をする。
「あぁ。よろしく。俺はトリル。まぁ皆宿屋の親父って呼んでるけどな!」
ガハハと豪快にトリル…宿屋の親父は笑う。
「それにしても、まさかの適正役職がハズレとは…こういうのってチート役職とか引けるんじゃねぇのかよ…」思ったよりも異世界は厳しいようだ。
「まぁ、火傷負ってるんだから、今日はゆっくり休め。」
宿屋の親父が優しくそう言う。
「あぁ。明日から色々やらないとだよな。まず文字が読めねぇし、スキルも無ければ武器もない。とりあえず今日は文字の勉強でもしたいとこだが…。」
これからやる事を考えてブツブツ呟いている俺に、宿屋の親父が、それならとこの世界の文字を日本語に翻訳した表の様な物をくれた。
「あくまでそれは文字を覚える為の物だからな。文字を覚えたら、単語と文法も学んで貰うぜ。」
言語だけでも学ぶ事が思いのほか多く俺は驚愕する。
「えぇ!?マジかよ。文字だけじゃなくて単語や文法まで!?英語かよ!俺英語が一番苦手なんだよな…」
異世界言語を覚えるのにも一苦労な様だ。俺が頭を抱えていると近くに居た日本人と思わしき人が教えてくれた。
「大丈夫だ。安心しろ。そんな覚えるのに時間はかからねぇよ。少なくとも英語よりかは簡単だぜ!それに最悪字が読めないなら、字が読める仲間を見つければ良い!」
そいつは満面の笑みでそう言った。
「清々しい程の他力本願だな…」
俺は呆れてそう言った。
「まぁ快斗はそういう奴だからな。ほっとけ。」
近くに居た鬼がそう言った。どうやら彼は快斗というらしい。
「んじゃあ、俺は異世界文字を頑張って覚えるとするかな。」
俺がそう言うと、周りの連中が頑張れよ!などと応援してくれた。
こうして、俺の異世界生活1日目は終了した。異世界文字は半分くらいは覚える事ができたと思う。
世が明け、異世界生活2日目を迎えた。早速起きて宿屋の受付へ向かう。
「おぉ、目が覚めたか。」
「あぁ。よく眠れた。所で宿代はどうすれば良い?俺は生憎一文無しなんだが…」
そう。俺は今一文無しなのだ。
「それなら気にするな。今まで全員そうだったからよ。一応ツケって事にしといてやるぜ。」
懐の深い宿屋の親父に俺は感謝して宿屋を出る。
「しっかし…やっぱ金は異世界生活で必須だよな…」
金が無ければ食料も、武器も、道具も買えない。ゲームオーバー一直線だ。一体他の人達はどうやって金を手に入れたのだろうか…?
「よぉ。莉音。調子はそうだ?」
そこへ、快斗が声をかけてくる。
「あぁ。快斗か。まぁ調子はボチボチって感じかな。それより…お前らって最初金策問題ってどうしてた?」
あぁ、それならと快斗は教えてくれた。
どうやらこの村周辺に薬草が生えていて、皆最初はそれを買い取って貰い金を手に入れていたようだ。そして、その後生活が安定してきたら、武器を揃え、パーティを結成してモンスターを討伐して金策問題を乗り越えるようだ。
「って事はしばらく草刈り生活になるって事か…。」
ラノベ等の様な華の異世界ライフを送るのは程遠い様だ。
「まぁ、最初は誰もが通る道だからな。頑張れよ。」
「あぁ。」
短く答えて快斗と別れる。
しばらくは厳しい生活になりそうだ。
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