Part2 鬼の世界
あの世は異世界に入りますか?part2です。
「えっと…Lvとステータスか…完全にゲームだな…」鬼が言っていた事に対し俺はそう呟いた。
「どうやって見るんだ…?その方法までは教えてくんなかったな。あの鬼。」どこにあるのか探していると、視界の右下にそれらしい項目が浮かんだ。
「おぉ!なんか出たぁ!早速確認してみるか。lvはどうせ1だから良いとして、ステータスは…」
タカハシ リオン Lv.1 exp.0
power 8
defence 7
speed 9
magic power 10
mp 20
「… 」この世界の普通が分かんないのでこのステータスが強いのか弱いのか全く分からない。
「さっさと例の村へ行きますか。」俺は地図を片手に村へと歩み出した。…のだが、
「あれ?おかしいな。そろそろ着いてもおかしく無いはずなんだが…」目的の村が一切見当たらないのだ。
「もしかして、進む方向間違えた…?」だとすると非常にまずい。地図の情報が確かなのなら、あの村周辺以外はこの世界にきたばっかりの人間にとっては危険エリアだ。いつ死ぬか分からない。俺は急いで進んできた道を引き返した。
「おっ、ようやくそれらしいのが見えてきたぞ。」先程来た道を引き返した30分弱、俺はようやく例の村と思し物を発見した。その嬉しさで足取りも軽くなり、早歩きで村へ向かった。
村まであと少しというところで、俺は躓いた。
「———!?」倒れた地面が物凄く熱い。灼熱の大地とはまさにこの事だ。
「あっっっっっちぃぃぃぃぃぃぃ!!!!???」熱さに悶え苦しんでいる俺の声を聞きつけ、村の住人が出てきた。
「オイ、大丈夫か!?」俺は鬼たちに村の宿屋へと連れていかれ、治療を受けた。どうやら俺は大火傷を負ったらしい。
「…で、どうしてアンタはこんな大火傷を負ったんだ?」言えない。言えるわけがない。地面すっ転んだら熱くて大火傷しましたなんて。
「村の手前で火傷したって事は、転んで火傷した…とかか?」一瞬で怪我をした理由を見抜かれ、俺は驚愕した。
「はっはっは。なんだ。そういう事か。安心しな、それは人間誰しもが通る道だからよ。そんな恥ずかしがる事ないぜ?なぁ?」
「そうだな。俺たちも一回は転んだもんだ。まぁ、これからは足元に気を付けな。」転んだのは俺だけじゃない事を知り、少し安心した。
「そういや、アンタはどっから来たんだ?おそらくはあそこだと思うんだが。」俺は地図を出し、やってきた場所を指差した。
「やっぱそこか。じゃあアンタこの世界に来たばっかか。歓迎するぜ。」住人の鬼や人間に歓迎され、この世界も悪くないなと思った。
「この世界に来たばっかって事はアンタ今無職だろ?」職業という概念がこの世界にも存在する事を知り、期待に胸を躍らせて俺は頭を振る。
「じゃあまずは適職診断からだな。ちょっと待ってろ。冒険者ギルドの奴らを呼んでくる。」lvやステータス、職業や冒険者ギルドがあるこの世界はとことん異世界なんだなと感じる。
「おーい、連れて来たぜ。」そこへ、冒険者ギルドの人…いや、鬼がやってきた。そのギルドの受付と思しき鬼は、いかにも冒険者ギルドの受付嬢的な服装だったが、鬼だからか、あんまり可愛いとは思えない。
「この世界にコイツ来たばっかだからよ、適職診断してやってくれ。」
「分かったわ。えーっとあなたの適職は…」俺は一体何になるのだろうか?ステータスを見る限り、魔法使い辺りが妥当だと思うのだが…
「魔法系の剣士一直線ね。」魔法系の剣士という事は…魔法剣士という事ではないのだろうか?となればかなり強い役職を引いたと思うのだが…
「魔法剣士は正直言ってあんまり強くないわ。魔法剣士は使用可能な魔法がかなり少ないし、剣士よりも使用できるスキルが少ない。貧乏器用と言ったところね。まあ、最初は特に苦戦しないだろうけど、後々苦労するわ。まあ、頑張ってとしか言いようがないわね。」それじゃあ、と言って冒険者ギルドの鬼は去って行った。
「もしかして、ハズレ引いたのか?!」どうやら思ったより厳しい異世界生活になりそうだ。
ブックマーク追加、いいね、⭐︎、コメント等よろしくお願いします。もし、よろしければなんでも良いので感想をコメントの方にお願いいたします。