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おっさんの異世界のんびり冒険ライフ  作者: 時雨暁
第一章 シチリンド王国
5/19

5.おっさんの馬車の旅、そしてネーリシの街に着く前編

5話目の投稿です


誤字脱字がありましたら感想文などでお知らせください

 異世界転移した俺こと麻野新は、Eランククエストをこなしながらアルクスの街に暮らし、今度はダンジョンのある街、ネーリシに出発した。



 乗り合い馬車に揺られながら、アルクスの街が遠ざかるのを眺め、次の街ネーリシに出発した。

 馬車は2台で並走して進んでいて、片方が冒険者や平民などが乗る馬車でもう片方は保存食や魔物避けのアイテム、魔物の素材などが乗っている。

 やはり冒険者や平民の中でも生活魔法の一つ、収納魔法を習得している人は少ないようで、携帯食がなくなったら、売っているらしい。

 俺は二週間分買ってあるので問題無いが。

 馬車に乗っているのは目を瞑って腕を組んで静かに座っている二十代後半の冒険者、さっき自慢話をしていた若い冒険者と母親と娘の平民だ。

 貴族は基本、自分の馬車を持っている為、こんなのは使わない。

 基本と言ったが、例外として、家を継げない次男、三男又は貴族の娘で婚約者と結婚したく無いとか、冒険者をしてみたいからと家を飛び出したり、家を勘当されたり家が没落したため仕方なく冒険者になったりなど、冒険者になる事が多い為、元貴族が乗っていることがある。

 そいつらは、冒険者になったばかりだと、やれ、○○しろとか、やれ○○家の次男、三男だとか言ってきたりして、冒険者などに高圧的な態度をとることが多いが、大半はギルドの方で調べられて、冒険者資格を剥奪される事が多いらしい。

 その後もう一度、冒険者になった場合は大人しくなるそうだ。

 この話はミリアナさんから聞いた話で、偶々、休日に出掛けていたミリアナさんとばったり会って、話をしていた際に貴族の事が出てきた時に聞いた。

 他にも貴族の趣味で冒険者になっている人もいるらしい。

 さっき自慢話をしていた冒険者はアルスロード伯爵の次男らしくて、聞いてもいないのにペラペラ喋っていた。

 何でもアルスロード伯爵家は代々魔法と剣が優れていて軍に選抜されるとか、それでは何故、冒険者などをやっているのか?。

 冒険者になる事によって、魔物の討伐による実戦経験と盗賊退治による殺人の経験と対人戦を経験させて慣れさせる為らしい。

 いつか俺も盗賊などの犯罪者を相手にしなければならない時が来るだろうが、その時、相手を捕まえられればいいが、殺さなければいけない時は相手を殺す事はできるのだろうか。

 アルクスの街が見えなくなる頃には日が暮れて、夜に差し掛かっていた。

 馬車も止まり、端に寄せると御者は野営の準備に取り掛かった。

 二十代後半の冒険者は一人で火を起こし、携帯食を食べていた。

 アルスロード家の次男は御者が用意した食事を食べ、母親と娘の二人は火を起こし、その上に鍋を置いてなにかを作っていた。

 俺も薪を集めて火を起こして、収納した保存食を出して食べていた。

 皆食べ終わるとそれぞれ眠りについた。

 俺は御者に交代に見張りはしないのか聞いてみたら、魔道具で危険を報せてくれるのがあるので問題ないそうだ。

 当然馬車に乗って寝静まった頃に殺人や盗みなどの犯罪にも反応するらしいから安心して寝られるそうだ。

 俺も馬車に座って、寄りかかって眠った。

 次の朝、起きて身体を伸ばし、外を見ると既に皆起きていた。

 それぞれ朝食を取り、馬車に乗り込んで出発した。

 動き出した馬車から外を眺めながら、ぼんやりしていた。

 ネーリシの街まで約一週間はかかるらしいので、それまでは退屈な時間が続くだろう。

 そんな事を考えていると、急に馬車が止まったので何事かと思って前を見ると、魔物が道の真ん中で寝ていた。


「あれは、シルバーウルフだ」


 シルバーウルフ、たしかランクDの魔物だったな。何故こんなとこにいるんだ。

 この道にはスライム、ゴブリンなどのEランクの魔物位しか生息していないと聞いていたんだが。


「しかし、何故こんな所にいるんだ?ここら辺に出る魔物じゃ無い筈なんだがな」

「遠回りするか?」

「いや、ここら辺に道はない、それに森の中にはポイズンマッシュっていうDランクの魔物がいる、毒を撒き散らす厄介な魔物だ、不思議と森からは絶対に出てこない、だから道の方が安全なんだ」

「となると、あの魔物を倒さないといけないわけか」

「そういう事だな」


 その後は誰が倒すかを相談したところ、二十代後半の冒険者であるナターカと言う名前の男と俺が協力する事になった。

 自慢してた冒険者であるアルスロードの次男はどうしたと言う話なのだが急に体調悪くなったと言って辞退してきた。

 まあ、普通は死の覚悟なんて無いもんな。俺もそんな覚悟はない、だが、やらなければならない時はやるのが冒険者というものだと思う。

 取り敢えず、作戦としては、俺の気配遮断と暗殺者で近づき急所である頭を刺してから、ナターカが攻撃するといった感じだ。

 俺はさっそく気配遮断を使い、気配を消してからゆっくりと近づき、目の前まで来ると短剣を構え、そのまま脳天目掛けて突き刺した。

 その瞬間にシルバーウルフは飛び起き暴れだした。

 すかさずナターカが接近してシルバーウルフの左眼を斬りつけたのと同時にすぐさま右眼も斬りつけた。

 俺はもう一度脳天を突き刺し、暴れるシルバーウルフを抑えつけた。

 抑えつけたのは一瞬ですぐに振りほどかれて、吹き飛ばされた。

 その間、ナターカは首目掛けて剣を振り下ろした。

 首が切断されて、そのまま絶命した。

 俺とナターカは息を整えるとお互いてを出し、ハイタッチをした。

 シルバーウルフを倒したあと他の人たちが見に来て、安心した様子で俺たちとシルバーウルフの死体を見た。

 死体は俺の収納魔法で収納し、ギルドで換金してから分ける形になった。

 また馬車に乗り込み進み始めた。

 進み続けると森の道を抜けて草原が広がっていた。

 お昼になったので、草原に一旦止まり、周りに魔物がいないか確認した後、馬車を降りてそれぞれ食事をし始めた。

 のどか草原で食事をとる、まさにピクニック気分だ。保存食だが。

 食事を取り終わると、再び馬車に乗り、草原を後にした。

 草原が終わり、また森の道に入ると道のあちこちに白いゼリー状のものが動いていた。


「あれはスライムか?」

「ん?知らないのか?あれはホーリースライムと言って回復魔法を使うスライムだ」

「魔法を使うのか?」

「ああ、他にも魔法を使うスライムはいるが、このホーリースライムは何故か怪我した者を治すんだ」

「怪我した者を?」

「そうだ、怪我した魔物には回復魔法を掛けないが、こちらが怪我したら近寄って回復魔法をかけるんだ。何故そうするかは未だに分からないらしいが」


 なるほど、魔物の中にはこちらに無害な者もいるという事か。


「あと、ホーリースライムのドロップアイテムは核と回復の粘液で、両方共回復魔法の補助に役に立つ」


 時間が合ったら、そんな魔物を探すのも良いかもしれないな。

 馬車は進み、森を抜けて(ホーリースライムの森と言うらしい)村にやってきた。

 ネーリシに行くまでに村はここ含めて二つあるらしくて、いつも村を経由して行くらしい。

 村に寄らないで行けば、もう少し速く着くらしいが、それぞれの村に用がある者もいる為と道中滅多に無いがさっき出たシルバーウルフなどの強い魔物や盗賊などを相手にしたりして、道具や武器防具の消耗などで道具の補充や武器防具の整備をしなければならない時もあるためらしい。

 確かに魔物と戦闘すれば色々と消耗する。さっきはたまたまうまくいった為、消耗しなかったが、いつもうまくいくとは限らないからな。

 この村の名前はホリスラ村と言うらしく、何でも三百年前にこの村に来た冒険者が名付けたとか。

 その冒険者はミズノ・アオイと名乗ってたらしい。俺と同じ日本からの転移者っぽいな。

 詳しく聞こうとしたが、それ以上は知らないらしく、知りたいなら村長に聞くしかないらしい。

 村長の家の場所を聞いて、向かった。

 村長の家に着くとドアをノックして待っていると、ガチャリと音がしてドアが開いた。

 出てきたのは女性で歳は二十代後半から三十代前半位で茶色の長い髪をしていた。


「あの、なにか御用でしょうか?」

「はい、こちらが村長の家と伺ってきたんだが…」

「はい、そうです。父になにか?」

「ああ、実はミズノ・アオイと言う冒険者の話を聞きたくてね。他の人たちに聞いたところ、村長が一番くわしいと言われてね。それで訪ねてきたんだ」

「なるほど、分かりました。どうぞ中へ…」


 そう言われ、居間に案内されてた。

「座って待っていてください」と言われ、大人しく座って待っているとドアが開き、そこから老人が入ってきた。


「お待たせしてすまぬの~」

「いえ、こちらこそ時間を取らせてしまって」

「よいよい」


 老人も向かい合う様に椅子に座り、こちらを見た。


「ワシがこのホリスラ村の村長のアバムじゃ。それで、ミズノ・アオイについて知りたいのですかな?」

「そうです」

「ふむ、ワシが知る限りの事をお話しようかの」


 それから、村長が知る限りの事を話してくれた。

 ミズノ・アオイはこの世界、アンバウズとは違う世界、チキュウと言う世界から来たそうだ。

 何でも稀に違う世界から来る者達がいるらしく、ミズノ・アオイもその一人らしい。

 そういう人達を渡り人と呼んでいるそうだ。

 渡り人達はどの者も、この世界に来ると強い力を授かって来るらしい。

 例えば、最初から剣聖や賢者などの最上級のジョブを持っていたり、鑑定眼・極や絶対防御などの強力なスキル、ステータスの値がSだったりと様々だ。

 俺の場合はどうなんだ?特にこれと言って変わり無かったと思うんだが。

 そんな事を思ったが、冒険者に言われたことを思い出した。

 確か、俺のレベルが上がるのが早いとか、スキルを取得するのが早いとか。

 もしかして、俺のはステータスが強い力として影響してるのか?。

 レベルの上がり幅とスキル習得率の早さがそれに当たるのだろうか?。

 もう少し様子を見て、他と比べて差がかなり開く様であればその二つがこの世界に転移した時の恩恵なのだろう。

 他にも渡り人達は、自分達の世界の道具や技術を教えているそうだ。 

 複式演算やガチャポンプ、他にも農業の品種改良、魚などの養殖等など様々事を教えて広げたそうだ。

 この村は畑を耕して生活しているみたいだ、その際、魔物の餌を栽培しているそうだ。

 何でも魔物のミルクからミルクを取って、バターやチーズを作って、行商人に売っているそうだ。

 これも渡り人が作り方を教えてくれたそうだ。

 その後も色々教えて貰い、ついでに村長の家に好意で泊まらせてもらった。

 次の朝、朝食をご馳走になり、お土産としてチーズまでくれた。

 挨拶をして別れて乗り合い馬車の方に向かった。

 乗り合い馬車につくとナターカとアルスロードの次男、あとあの親子がいた。

 それに加え、二十代前半の美人の女性がいた。

 鎧を着て、腰には剣をさしていた。

 冒険者にしては整い過ぎているような気がするが…。

 ならば騎士なのだろうか?そんな事を思いながら馬車に乗った。

 ガタガタと揺れなが進み、何もない見渡す限り木々と相変わらず周りを徘徊している魔物のホーリースライム、時折そのホーリースライムを刈っている冒険者がいたが、倒したあと何故か悔しそうにしていた。

 多分、ドロップアイテムが出なかったのだろう。

 偶にそういう事がある。俺もスライムやゴブリン、アルミラージ等など刈っている時、偶に出ない時があったしな。

 それを過ぎると草原+川が流れていた。そこで休憩をとり、昼ご飯にした。

 その際女性騎士?は川まで行き、川の中を見つめて剣を抜き、川の中を刺した。

 剣を持ちあげると魚が剣の先に刺さっていた。

 それを抜くと火を起こし、木の棒に刺して焼き始めた。

 俺も保存食を出し、モソモソ食べながら、ちらりと女性騎士?の方を見ると、あちらもこっちを見てきた。

 目が合い、すぐさま目をそらしたが、向こうは何秒か立ってから焼いた魚を取り食べ始めた。

 食べていると徘徊しているスライムが一匹近付いてきて、こちら?を眺めているので、試しに保存食を目の前に差し出したら、身体の中に取り込み、消化していった。

 もっと欲しかったのか、今度は胡座をかいた上に乗ってきた。

 自分も食べながら、乗ってきたスライムに保存食を与えて、過ごした。

 昼食も終わり、スライムを立ち上がった時に下ろし馬車に向かった。

 馬車にそれぞれ座ったが、女性騎士?が俺の向かい側に座って、こちらを睨んでいた。

 俺はそれを気にしない様に草原と川を眺めた。

 草原にはスライムが徘徊しており、川には魚が偶に川から飛び跳ねているのが見えた。

 いざ、馬車が進もうとした時、馬車にポスンとスライムが乗ってきて、そのままズルズル進み、また飛び跳ねて、俺の膝の上に乗っかった。


「おい、お前テイマーだったのか?」

「いや、そんなジョブはなかったはずなんだが」


 そんな事を言いながら、ステータス確認すると、ジョブの所にテイマーの文字があった。


「いつの間にかテイマーのジョブがあるな」

「なるほど。まぁ、気づかない内に取得していたっていうのは時々あるからな、実際」

「そうなのか?」

「ああ、だから、スキルやジョブ、称号などの取得方法がわからないものもあるんだ」

「なるほどな、所でテイマーの条件はわかっているのか?」

「ああ、わかっているぞ、と言っても俺が知っているのは二つだがな。一つは魔物に餌などを与えたりして好感度を上げるやり方でもう一つは魔物と戦い、屈服させるやり方だ」

「俺は前者の方法を行なったと言うことか」

「餌でもあげてたのか?」

「ああ、食事している最中に近付いてきてな、俺の喰っていた物をあげたら取り込んで消化してから、胡座の上に乗ってきたから、さらにあげたら懐いたみたいだ」

「それで、スライムが追ってきたわけか」

「そうみたいだな」


 ステータスを確認すると確かにテイマーLv1とあった。

 他にもスキルの欄には意思疎通Lv1、契約召喚Lv1、テイマー鑑定の三つがあった。

 確認を終えるとステータスを閉じて、また話をし始めた。

 そのやり取りの間でも女性騎士?はこちらをにらみ続けていた。

 だいぶ進み日も暮れてきた頃、馬車を止めて、野営の準備をし始めた。

 俺も準備をして、契約したスライムと食事をした。相変わらずスライムは胡座の上に乗っかり保存食をねだっていた。

 何で分かるのかは、多分スキルの意思疎通のおかげだ。

 まあ、分かると言っても、なんとなくだが。レベルが上がれば、念話みたいので話せるのだろうか?何にせよ仲間になったんだから仲良くやっていこう。

 テイマー鑑定でステータスも見れるみたいだ。

 スライムのステータスはこんな感じだ。



 ―――――――――――――――――――――――――――――

 スライム(ネームなし)Lv1

 体力:100

 魔力:80


 力:E

 素早さ:F

 丈夫さ:E

 器用さ:F

 運:D


 ジョブ


 スキル

 消化


 称号


 ――――――――――――――――――


 見事に低いステータスだ。でも、レベルを上げれば強くなるしな。

 それにテイマーの場合はレベルが上がりにくくなる代わりにテイムした魔物にも経験値が分配されるらしいのでありがたい。あと、スライムの名前も決まった。

 安直だが名前はライム、スライムのスの字を取った感じだ。

 名前を貰えて嬉しいのか、ライムは胡座の上から降りて、俺の周りを飛び跳ねながら周った。

 その後また、胡座の上に乗っかり、こちらにご飯をねだってきた。

 食事も終わり、馬車に座って眠りについた。ライムは俺の足元に来て、足に擦り寄りながらモゾモゾして眠りについた。

 朝になり、起きて食事を取り出発した。

 ライムは俺の膝の上に乗り、プルプル震えながら俺の方に向いた。

 俺はライムが落ちない様に子供を抱きかかえる感じでライムを支えた。

 それが微笑ましいのか、親子がこちらを見ていた。

 ライムを撫でながら周りを見てみると、何やら変な感じがした。

 ナターカや女性騎士?も急に雰囲気が変わり、周りを警戒し始めた。

 俺もスキルの気配察知で確認すると、複数の気配があちこちから感じた。

 俺も短剣を抜き警戒していると、森中から人が出てきた。

 ボロボロの革の鎧や武器など持ち、こちらに徐々に近付いて来た。


「おい!金目の物と女は置いてきな!そうすれば命だけは助けてやるよ!」


 脅したあと、リーダー格の男はゲスた笑みを浮かべた。

 それに釣られたのか仲間たちも同じ様にゲスた笑みを浮かべて、こちらを見ていた。

 特に女性を舐め回すように見ていたので、女性騎士?と親子の三人はそれぞれ、余計に警戒したり、恐怖で怯えたりしていた。

 アルスロード家の次男は馬車の後ろに行き、頭を抱え蹲りながら震えていた。

 相手は山賊?盗賊と言うのか?そういう類なのだろう。

 俺はナターカの後ろに隠れるとスキルの気配遮断を使い、上手く森に向かい隠れた。

 盗賊達が二人に集中してる間に森の中を静かに移動し、リーダー格の近くの茂みまで来た。

 神経を研ぎ澄ませ、いつでも飛び込める準備をして、チャンスを待った。

 リーダー格が仲間たちに向かって顔を向け、号令をかけた途端、俺は飛び出し、リーダー格の首に向かって短剣を突き立てた。

 リーダー格は声を出せずに刺された首から血が吹き出し、倒れた。

 そしたら、次々と盗賊が逃げ出したがナターカと女性騎士?が殺していって、森に逃げ込んだ何人かは俺が殺した。

 初めて人を殺したが、何も感じなかった。普通なら嫌悪したりすると思うのだが。

 ぼ~っと立ち尽くしているとナターカが声をかけてきた。


「どうした?立ち尽くして?」

「ああ、初めて人を殺したんだが、嫌悪感などが無くてな・・・」

「なるほどな。まあ、確かに、普通は吐いたり、手に残る感触などに嫌気が差したりするな。でも、どちらにしろ冒険者をしているなら、いずれ通る道だからな、Cランクから上は護衛や盗賊などの討伐も含まれているから、対人戦が多くなるぞ」

「そうか…」


 いまだに何も感じないまま自分の手を見てから馬車に戻った。

 盗賊の死体は集めてから顔を見て、手配書と照らし合わせて無いことを確認したら、薪を集めて燃やした。

 聞いたところによると死体はほっとくとアンデットになってしまう為、こうやって燃やすそうだ。

 死体は全て燃やし、骨となった物は細かく砕いて、土に埋めた。

 馬車に乗っていた親子と貴族の次男はいまだに震えていて、それを御者が落ち着かせていた。

盗賊の装備品などは次の村かネーリシの街で売って分配するそうだ。





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