すべてのファンに捧げる詩のようなもの
あの頃はよかった。
あの時代に戻りたいと、
思ったようになったのはいつだっただろうか。
いつから合わなくなりはじめたのだろう。
昔は寝る間を惜しんででも見ていたのに。
いつから新参を疎ましく感じはじめたのだろう。
最近のものを否定してもあの頃には戻らないのに。
今も思い出す。
あの頃にもっとやることをしておけば良かったんじゃないかと。
こういうことをいうと皆、口を揃えてこう言う。
「老害」だと。
でも分かってほしいんだこの気持ち。
意を共にする仲間たちと作りあげた楽園が、
後から来た者に踏みいじられるなんて嫌だったんだ。
自分たちが認めたものが踏み台にされていく。
自分たちが好んでいたものが簡単に抜かれていく。
何も知らないものたちが世代交代と称える。
認めたくない。
求めていない。
世代交代など望んでいない。
そうして今を否定した。
最近のものは~
こんなものを好んでいるやつは~
憤怒にとらわれ周りへとあたり散らす日々。
でも周りはついてきてくれなかった。
ふと後ろをふりむくと、
いつの間にか仲間たちはいなくなっていた。
今度は虚無感にかられた。
冷静になって自分の行為を省みれるようになった。
何をしていたのだろうか。
こんなことして何になるというのか。
残ったのは後悔と罪悪感だけだった。
あの頃はよかった。
あの時代に戻りたいと、
でももうあの頃には戻れないんだ。
仕出かしてしまった罪を償わなければならないんだ。
今だって、認めたくないさ。
でも、否定だけはしたくない。
今には今の良さがあるのだろう。
自分には理解できないけど。
新参の人よ。
自分のような人間にはならないでくれ。
古参の人よ
名誉を傷つけてしまったことを深く詫びたい。
一人の元ファンより