表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

すべてのファンに捧げる詩のようなもの

作者: 一人の元ファン


 あの頃はよかった。


 あの時代に戻りたいと、


 思ったようになったのはいつだっただろうか。


 いつから合わなくなりはじめたのだろう。


 昔は寝る間を惜しんででも見ていたのに。


 いつから新参を疎ましく感じはじめたのだろう。


 最近のものを否定してもあの頃には戻らないのに。


 今も思い出す。


 あの頃にもっとやることをしておけば良かったんじゃないかと。


 こういうことをいうと皆、口を揃えてこう言う。


 「老害」だと。


 でも分かってほしいんだこの気持ち。


 意を共にする仲間たちと作りあげた楽園が、


 後から来た者に踏みいじられるなんて嫌だったんだ。


 自分たちが認めたものが踏み台にされていく。


 自分たちが好んでいたものが簡単に抜かれていく。


 何も知らないものたちが世代交代と称える。


 認めたくない。


 求めていない。


 世代交代など望んでいない。


 そうして今を否定した。


 最近のものは~


 こんなものを好んでいるやつは~


 憤怒にとらわれ周りへとあたり散らす日々。


 でも周りはついてきてくれなかった。


 ふと後ろをふりむくと、


 いつの間にか仲間たちはいなくなっていた。


 今度は虚無感にかられた。


 冷静になって自分の行為を省みれるようになった。


 何をしていたのだろうか。


 こんなことして何になるというのか。


 残ったのは後悔と罪悪感だけだった。


 あの頃はよかった。


 あの時代に戻りたいと、


 でももうあの頃には戻れないんだ。


 仕出かしてしまった罪を償わなければならないんだ。


 今だって、認めたくないさ。


 でも、否定だけはしたくない。


 今には今の良さがあるのだろう。


 自分には理解できないけど。


 新参の人よ。


 自分のような人間にはならないでくれ。


 古参の人よ


 名誉を傷つけてしまったことを深く詫びたい。


 一人の元ファンより


 


 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ