吸血鬼と魔女1
【吸血鬼と魔女1『魔女に恋した吸血鬼とその吸血鬼に恋した魔女(仮)』 歌詞バージョン 出会い編吸血鬼○○バージョン】
吸血鬼バージョン
常に旨いものを求めてきたオレ
幼い頃からそう育てられてきた
だから、オレが求める血は乙女の血
そんなある日、乙女の血より旨い物を知った
それに手を出したものは己を失うと噂で聞いた
でも、それを味わいたいオレは努力をした
友の協力もあり、努力を実らせたオレは
遂に、魔女の血を飲む決意をした
それはまるでこの世の物とは思えない旨さ
それを味わうためにオレは毎夜魔女の血を求めた
だが、それは危険な行為だった
でも、そのお陰で、魔女にも魔力の種類があることがわかった
オレに丁度良いのは4種類の魔力を持っている魔女
その魔力の味を求め、毎夜彷徨う
そんなハロウィンの真夜中
運命的な出会いをはたす
その魔女から漂う甘いりんごの匂い
その匂いにつられて、その魔女の元へ向かう
「貴女こそ、オレの運命の相手。お会いしたかった」
あ然としているが、頬を染める魔女
そんな魔女にオレはこう囁く
「又、満月の夜にお会いできる時をお待ちしております」
魔女が頷くのを見てオレは微笑み、その場を去る
オレはニヤける頬と高鳴る胸の鼓動に不思議と幸福感を得ていた
【吸血鬼と魔女1 歌詞バージョン 出会い編魔女●●バージョン】
魔女バージョン
友人と2人、でハロウィンの夜を人間界で過ごす
でも浮かれてばかりじゃあいられない
だってこれは進級試験
困っている人を探して彷徨う人間界
周りを見ても、困っている人はいない
困り果てて夜空を見上げるが、そこは満天の星空
それを見つめていると何かがキラリと光った
それを見つめていると、魔女の血を狙っている吸血鬼が目の前に現れた
私は咄嗟の事に驚いていると吸血鬼が私を敬うかのように一礼をしてきた
「貴女こそ、オレの運命の相手。お会いしたかった」
「運命的の……、相手……」
私の口から紡がれた小さな呟きに笑顔で頷かれる
それを見た私は泣きそうになった
今まで、そこまで私を必要としてくれた人はいない
私がその言葉を噛み締めていると吸血鬼に囁かれた
「又、満月の夜にお会いできる時をお待ちしております」
私は自然と頷く
吸血鬼は羽を羽ばたかせ、満天の星空に溶けていくかのように見えなくなっていく
それを見つめながら私は胸の奥がなった気がした
それに戸惑いながらも、嬉しさを感じていた
【吸血鬼と魔女1 歌詞バージョン 出会い編γγの気持ち】
私の友達●●が恋した
恋をしたのが瞬間的にわかってしまった
本来なら祝福すべきだ
●●からどんな種が出るのか見たかった
でも、それは出ない
だって、相手が吸血鬼だから
でも、●●が恋に落ちるのもわからなくはない
あんな言葉を言われたら誰だって嬉しいと思うし、恋に落ちて恋をすると思う
私だって同じことを言われたらきっと恋に落ちていた
●●の事が羨ましい
だけど、それと同じくらいに吸血鬼の事が憎い
この感情に振り回されそうだ
でも、振り回されたら魔力が落ちるのは明白
だから、私は今に生きる
そうしなければ魔女として生きていけない
●●の為
いや、自分為に
だから、今は、●●を祝福する
憎い吸血鬼は今は目の前にいないから
だから、私は●●にこう言った
「この事は、私達だけの秘密ね」
ウインクして言うと●●が、抱きついてくる
吸血鬼●●を泣かせたら許さないから
私は静かに決意した
【吸血鬼と魔女1 歌詞バージョン 逢瀬編吸血鬼○○バージョン】
吸血鬼バージョン
初めての待ち合わせに心踊る
何時ものような食事に感じるのとは違う感覚
何時もはどんな味か分からない
でも、今日はオレ好みの味
楽しみすぎて夜も眠れず
少し寝不足気味のオレ
当日の夜、待ち合わせ場所に向かうオレ
まだ充分に早いはずなのに、そこには待ち望んだ魔力をもつ彼女
オレはニヤケル顔を引き締め、彼女の前に降り立つ
それに気がついた彼女が微笑む
それを見たオレはそれだけで満足感を得た
会って直ぐに吸血では味気ない
先ずは彼女の周りに漂っている魔力の余波を味わいたく会話を始める
彼女の仕草一つ一つが心地良い
それを感じているだけでも満足感を得られる
だけど、彼女の魔力も味わいたい
オレは一応確認の為にたずねた
「オレは吸血鬼。分かってるよな……?」
すると、首を縦に振り、頷く彼女
それを見てオレは彼女を優しく抱き締める
オレは吸血鬼で彼女は魔女
本当は惹かれ会ってはいけない関係
こうして会ってもいけない関係
本当は敵対する関係
こうして抱き合ってもいけない関係
本当は恋をしてはいけない関係
でも、オレは彼女のもつ魔力に惹かれる
彼女のもつ柔らかさに惹かれる
彼女の笑顔に微笑みに惹かれる
彼女の仕草に惹かれる
彼女の全てに心から惹かれる
こうなってしまったらもう後には戻れない
オレは毎回覚悟を決めて彼女の魔力と血を吸血する
きっと彼女とオレは同じ気持ち
同じ心を感じている
同じところに堕ちていこう
「貴女の事が大好きで、心から惹かれています」
【吸血鬼と魔女1 歌詞バージョン 逢瀬編魔女●●バージョン】
魔女バージョン
今日も私は朝からあの日の事ばかり考えている
それはハロウィンの夜に出会ってしまった吸血鬼の事
忘れたいのに忘れられない
約束の日まで後数日
私はどうすれば良いの?
あの日の事を知っているのは私の友達だけ
相談なんて出来ない
言えるわけがない
だって、相手は吸血鬼だもの
誰に相談したって反対される、拒絶される
私はどうすれば良いの?
分からない、いえ、答えははっきりしてる
「私は……」
やっぱり言えない
誰にも言えない
こんなことが魔女の誰かにバレたら何をされるか分からない
私はどうすれば良いの?
そんなある日、仕事先の先輩に声をかけられた
「最近、どうした。何か悩みでも……」
それを聞いた私の頬を涙が伝う
それを見た先輩は早めの休憩を取り、私をランチに誘う
そこで何も言えない私
でも、先輩には全てお見通し
だから、何を言われるか怖くて、私は震えていた
そんな私を先輩が優しく抱き締める
「大丈夫……。私はお前の味方だから……」
顔を上げるとそこには優しいいつもの先輩が居た
それからの私は少しだけ前を向きな気持ちになった
私を運命の相手と言ってくれた彼
彼を少しだけ信じてみよう
ただ会うだけ
ただ会うだけ、これなら大丈夫
自分にそう言い聞かせその日を迎える
その日は朝から少しドキドキしていた
何処かで異性と待ち合わせするなんて初めて
なんだか胸の奥がムズムズする
だから待ち合わせ時間より大分早くその場所に到着
彼はまだかな?
彼は私と会ってからお話をしてくれた
彼の話は心地よくて楽しい
ずっと聞いていた
すると、彼が真剣な表情で私を見る
「オレは吸血鬼。分かってるよな……?」
やっぱり、血を吸われる
でも、不思議と怖くなかった
血を吸うだけならもうとっくに血を吸われ尽くされている
それをされていないのだから、血を吸われることに怖さを感じない私がいた
だから、頷いてしまった
首筋に寄せられる彼の唇
初めての感覚に戸惑う私
私の首筋を舐める彼の舌
初めての感触に戸惑う私
私の首筋に牙をさし吸血
吸血と一緒に魔力も吸われている
だけど不思議と痛くない
なぜだか気持ちよさを感じている私
少しの間血と魔力を吸っていた彼
「ありがとう。最高の味だ、君を手放したくない」
そんなことを言われたのは初めて
初めて会ったときに「運命の相手」
2回目に会ったときに「手放したくない」
まるで幼い頃に読んだ絵本に出てくる王子様のようなセリフ
私は戸惑いながらも嬉しさを感じる
「ありがとう……」
でも、私は魔女で彼は吸血鬼なの
私はどうしたら良いの?
答えを教えて
私は恋の迷宮に迷い込んでいく
この恋の先に何があるの? 教えて……わたし……
【吸血鬼と魔女1 歌詞バージョン 追憶編吸血鬼○○バージョン】
彼女に別れを告げられた
その日の事はあまり思い出したくない
でも机の中に大事にしまわれている手紙
それだけは毎日のように手に取り眺めるのが日課
それに触れていれば彼女の仄かな魔力に触れられる
今は彼女の魔力の味に似ているリンゴを毎日食べて過ごす
吸血鬼がリンゴを食べて過ごすなんて
笑われると思うが、それしか彼女を思いだし過ごす術がない
彼女との想い出は楽しく甘美なものばかり
それに触れていれば幸せだが、同時に寂しくなる
だから、想い出には触れたくない
そんな毎日を過ごしていたある日
人間界に住む元吸血鬼の友人から連絡があった
「お前の想い人、こっちにいる」
それを聞いたオレは慌てて友人の元へ向かう
そこへ行くと不思議と仄かに彼女の魔力を感じる
だけど、それは、不思議な感じ
オレと居た時には感じることがなかった安らぎ
それを感じたオレは寂しさを感じた
友人と友人の彼女に励まされどうにか立ち直る
その日は久しぶりに友人の家で過ごすことにした
そこに数日いて気が付いた
彼女の魔力は夜になるとほんの少し感じる程度
朝になれば仄かにしか感じない
それを不思議に思ったオレは彼女を探し出すことにした
「どこにいるんだ……返事をしてくれ……!」
【吸血鬼と魔女1 歌詞バージョン 追憶編そして……編 魔女バージョン●●&■■】
彼と会うことに戸惑いを感じる今日この頃
彼と会っていると満たされる私
きっと彼もそうだと思う
でも、私の周りは違う
私と彼を認めてくれない
だから、私はこの場所から消えることにした
それを決意したとき、私は一人部屋で泣きじゃくる
その声を聞いていたのは誰もいないハズだった
でもそれは違った
魔女界の女王様は何でもお見通し
だから、その時女王様に言われた
「全て忘れて人間になってみる……?」
その言葉は私にとって魅力的
直ぐに飛び付いてしまったが、後悔はない
だから、私と縁が深い人達に手紙を書くことにした
勿論……、彼にも……
そして、人間になる日がやって来た
それは女王様が住む、お城で行われる
私が人間として生まれ変わる日
私の大事な人達と別れる日
そこには魔女界で私と縁がある人が集まっていた
でも、彼だけがいない……当たり前だけど
「魔女として生きた時間、すごく楽しかった……! 皆、ありがとう……、大好きよ……」
気が付くとそこは辺り一面芝生の絨毯
「ここは……?」
辺りを見回してもここが何処だか分からない
そこへ数台のの馬車が通りがかり、私の目の前で止まる
見つめていると、見目麗しい男性が馬車から下りこちらへ近づいてくる
「お嬢さん、突然で申し訳ない。貴女こそ、運命の相手……」
その声を聞いた私は何故か涙が溢れて止まらない
それを見た見目麗しい男性は私の手を取り馬車へ案内する
「とにかく、お城へ向かいましょう」
それからの私はお城で見目麗しい男性の婚約者として過ごすことになった
この男性、実はお城の第一王子
することなすこと全てにおいて、気品が溢れている
それを見ていると不思議と誰かと比べている私がいる
すると王子様は必ずこう言う
「誰か想い人でもいたのですか……?」
悲しげな口調、悲しげな雰囲気
それを察して謝る私
そして力強い後ろからの包容
それに不思議と安心感を覚える私
私は誰なの? 誰か教えて……
読んで頂きありがとうございました。