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>>Tips:国家/戦争/戦争ルール
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▽国家
プレイヤーは国家に所属することでその国家が運営している施設を使用することができます。
所属する国家を変更したい場合は亡命を行う必要があります。
これは所属したい国家の代表もしくは権限のある者のもとまで赴き亡命を申請、受理されることで完了します。
亡命が受理されるかどうかは担当者の裁量に任されています。
場合によって亡命に何かしらのクエストの達成を世給されることもあります。
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▽戦争
戦争は異なる2陣営間で起きた領地トラブルを武力をもって解決するために用いられます。
戦争には明確にルールがあります。
詳細は戦争ルールを参照してください。
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▽戦争ルール
戦争のルールは下記のとおりです
その1
領土に攻め入る攻撃側陣営と領土を守る防衛側陣営に分かれて行う。
その2
勝利条件は敵の総大将を討伐する/撤退させる/降伏させるのいずれかが達成されることとする。
その3
戦争の終了条件は上記勝利条件を満たした時、または戦争継続時間が一定時間を超えたときとする。
その4
戦争は攻撃側陣営が宣戦布告を行い、その宣戦布告を受け取った防衛側陣営が戦争可能期間の中から戦争を行う日時を指定する。
その5
宣戦布告を行えるのは領土を持つ集団の長に限るものとする。
その6
戦争を行った集団は一定期間中、宣戦布告を拒否することができることとする。
その7
攻撃側勝利時は攻め込んだ領土を獲得することとする。防衛側勝利時は攻撃側から賠償金として金銭とアイテムを獲得することとする。
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>>Tips:国家/戦争/戦争ルール End
◆ゼクス
ゼクスの領主、オーベさんを殺して私がゼクスの町の代表となって1両日が経過しました。
私は領主館のなかで最も大きな会議室の上座に座りTipsに追加された3項目に目を通していました。
と言うのも、先刻アルベルツ王国から正式に宣戦布告が届いたからです。
私の目の前にはクランメンバーが勢ぞろいしています。
ゼクス陥落時にいなかった生産職メンバーにも事の経緯を説明しています。
だからこそ皆戦争は避けられないと理解しています。
さて、どうしたものでしょうか?
私は皆を見回して口を開きました。
「とりあえず戦争についてはいったん置いておきましょう。意図せず国家を運営することになりましたがそちらについて話し合いましょう。」
私のその言葉を聞いて皆は頷きました。
一応納得は得られたと思い、私は話を続けます。
「国家を運営と言ってもどうすればいいのか分からないので手探りでやっていくしかありません。現状発生している問題に対して1つずつ解決策を講じていきましょう。では、現状ゼクスの町で何か問題は起きていますか?」
私のその言葉を聞いて皆は考え込みます。
私も一緒になって考えますがゼクスの代表となってから町に出ていない私にはどのような問題が出ているのか分かりませんでした。
そんな時、ハーロウさんが手を上げました。
「発言をいいでしょうか?」
「はい。ハーロウさんお願いします。」
「ゼクスの町が私たちの手に落ちた直後に生き残った衛兵と冒険者が主導となって町の住民がフュンフの方へと逃げていきました。それに伴い今現状ゼクスの町は閑散としています。」
確かにその報告は受けていました。
今現在、ゼクスの町にはほんの僅かなNPCとプレイヤーが残っているだけです。
外から新たにやってくることもありません。
しかし、私たちプレイヤーにとっては大きな問題とは思えませんでした。
私のそんな思いを裏切るようにしてハーロウさんの言葉は続きます。
「そこで町の主要機関が機能しなくなってしまっています。教会は人がいなくても問題ないのですがギルド等の施設は問題があります。エスペランサさんが動いてくれたおかげで図書館の方は大きな問題とはなっていませんがギルドの方は早々に手を打った方が良いかと思います。」
「ギルドと言うと冒険者ギルドや犯罪者ギルドですか?機能していないというのはどういうことなのでしょう?」
「リンさんに上げていただたギルド以外にも生産者ギルドや商人ギルドなどもですね。新規の依頼が出てこないだけでなく既存の依頼を達成してもその報酬を受け取ることができません。何よりギルドの預け入れ、引き出しができないのが致命的です。」
なるほど確かにそれは重要な問題です。
私自身多くのアイテムやお金をギルドに預けている。
それらが取り出せないのはまずいですね。
「私の方からもいいかな?」
続いてエスペランサさんが口を開きました。
「はい。お願いします。」
「先ほどの話にもあったように図書館の方でも司書がいないために本の管理ができていない。現状は図書館への入場を禁止して内部の本を私が整理することで問題となっていないが正常な状態とは言えないだろう。何より私に司書としての権限が無いから整理するにしても制限がかかってしまう。」
「補足しますと問題となっている施設は図書館以外にも訓練場等も同じような状態です。現在は入場を禁止している状態ですね。」
「なるほど分かりました。」
私は一言そう言うと頭の中で今の話を整理します。
何処の施設もそこを運営していたNPCが抜けてしまったために問題が起きています。
現状はそれを行える人がいません。
施設を運営するために権限も必要となります。
そちらは………。
私は手元で国王の権限を確認していきました。
権限は私が各自に付与することができますね。
なら問題となるのは人手不足でしょうか?
「今確認しました。国王の権限で各施設の代表者の権限を付与することができます。これにより私たちでも施設を運営することができるようになります。残る問題はどの施設も共通して人手が足りていないということだと思いますが違いありますか?」
「その認識で間違いありません。」
「では、その問題について話し合いましょう。人手不足ならば他から人を連れてくる必要があると思います。しかし、私たちがこの町を手に入れた経緯からアルベルツ王国からNPCを連れてくるのは難しいと考えます。この考えについては相違ありませんか?」
私の問いかけに皆が頷いて肯定を示します。
それを確認した私は再び口を開きます。
「NPCを連れてくるのが難しいならばプレイヤーを連れてくるしかありません。その方向で考えたいのですがいいでしょうか?」
「待ってくれ。俺たちプレイヤーは常にこの世界にいるわけではない。ならば施設を運営するような立場につくのは難しいのではないか?何よりそんなことをするためにこのゲームをしているやつはいないだろう?」
私の意見にオレグさんが反論を口にしました。
確かにその通りです。
プレイヤーである以上この世界には何かしらの目的があってきているはずです。
その目的がギルドなどの施設の運営などと言う人は少ないでしょう。
しかし、そうするとNPCもダメ、プレイヤーもダメとなります。
どうしましょう?
私がそんな風に頭を悩ましているとマテリーネさんが口を開きました。
「ちょっといいかなー?」
「はい。マテリーネさん、何でしょうか?」
「少し前に話したと思うけど、錬金術にはホムンクルスを作成することができるのー。ホムンクルスにそれらの施設の運営を任せたらどうかな?推測になるけど恐らく問題ないはずだよー。」
それを聞いて皆の顔に驚きの色が浮かびます。
私も同じです。
盲点でした。
人手が足りないなら作ってしまおうとは思えなかったのです。
「そう言うことなら技師の方でもオートマタを作り出すことができるぜ。ホムンクルスと同じで施設の運営くらいならできるだろう。」
マテリーネさんに続いてオレグさんもそう口にしました。
それは初耳でした。
ホムンクルスにオートマタ。
これらを作れることができれば今見えている問題の大部分を解決することができるでしょう。
私は少し希望が見えてきたので顔が綻ぶのを感じます。
「マテリーネさん、オレグさん。ホムンクルスとオートマタの作成に際して必要なものは何でしょうか?」
「ホムンクルスの方は設備と素材だね。素材は魔物からとれるものと植物からとれるものが主かな。」
「オートマタの方も同じように設備と素材だ。ホムンクルスと違うのは主な素材が鉱石系ってことだな。」
それを聞いて私は安心します。
丁度いいことにゼクスの町は鉱山と森林に囲まれた都市です。
植物系だろうと鉱石系だろうと素材は手に入れやすいです。
問題は設備の方ですが………。
「イヴァノエさん、設備の方は作成することができますか?」
「相談は事前に2人から受けていた。問題ない。」
「分かりました。ではイヴァノエさんは錬金設備と技師設備を優先的に作成お願いします。素材の採取については戦闘職の6人で行うことになりますがいいでしょうか?」
私は周りを見回してそう聞きました。
皆はそれに頷くことで肯定を示しました。
「では、そのようにお願いします。次の問題についてです………。」
会議はまだ続きます。
問題はまだまだ山積みです。
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