第一章 異変
初めての作品なのでへたくそですし、まだ序盤でつまらないかと思いますが、一生懸命がんばりますので温かく見守っていただけたら幸いです。
プロローグ
20XX年 人類の科学というものはほとんど全ての事象に答えを出した。
重力の正体。宇宙の始まり。生命の意味。さらには死後の世界まで。
しかし、その科学が人類にもたらしたものは。
そしてその数年後、人類は地上から姿を消したのだった・・・。
第一章 異変
「おはよーーーっ!」
初夏のさわやかな風とともに、元気な甲高い声。
「ふぁ・・ぁ・・・はよ。」
「まったく、刹那ったら欠伸なんかして。」
こいつは、クラスメートの有沢唯夏。なにかと世話を焼くオレのお目付け役。らしい。
そうそう、オレの紹介がまだだったw。オレは飯妻刹那。E高校3年の7組。と、まあ詳しい話はまた後にして。
「はやく行かないと遅刻するよ〜」
「わーってるよ」
何の変哲もない日常。二人して学校へと走る。この日常がもろくも崩れることになることなんて、このときは想像もしていなかった・・・。
「おっはよー」
「おう、おはよ。あれーー。」
「なんだテツ。またPCの調子わりぃのか?」
このパソコンオタクは相模徹也。オレの親友で困ったときはコイツ、というかコイツのPCで得る情報が頼りになる。
「最近なんだかベースの調子が悪いらしくて。PCだけじゃなくてケータイもTVだぜ。」
ベースというのは、この世界の中心にそびえ立つでっかい塔のことだ。
ここで、少しオレらの世界について説明しておこう。オレ達市民には大きく分けて3つの身分に分けられる。上から1st、2nd、3rdと呼ばれ1stから順にベースに近いところに居住している。オレ達は1stだ。そして、ベースはこの世界を統率する中心機関で、世界中のPCがここにアクセスし、情報を手に入れる。ここには世界最高のコンピュータがあり世界の気象、経済、事故や出生まで管理しているらしい。さらに世界政府とよばれるこのベースを創造した12人の科学者から成り立つ機関があり、世界政府の人間以外はベースの内部に入ることは許されない。要するに12人のおっさんが基地から世界を牛耳っているのだ。とは言っても、オレ達は圧政に苦しんでるわけでもないので関係ないのだが。
「なあ、お前のアレでまた直してくれよ、刹那」
「えーー。だりぃもん。」
「頼むよー、刹那様♪」
「ったく、こういうときだけ調子いんだからよ。なんかおごれよ。」
というと、オレはPCに手をかざす。途端、中空を眺めながら何かつぶやく。次の瞬間、PCは元のようにベースにアクセスし始めた。
「おほーー、ありがとー。さんきゅ、サンキュ♪」
オレには超能力的なものがある。こういう風に念を送ると壊れたものやらなんやらを直すことができるし、物をつくりだすこともできる。実際、自分でもよくわかっていないのだが。
「でも、最近変だよね。あたしのケータイも調子悪いし。」
「そうかぁ?」
「アナログ人間にはわかんねんだよ。」
「オタクに言われたくねぇよw」
オレもこの異変に気づいていないわけではなかった。ただそれは、機器の異常とかではなく心のどこかに引っかかる、もっと根本的なものだった。
「おい、みんな席つけー。テツはPCしまうーー。」
「せんせー、今日は何かあるんですかー。おめかししてw」
「デートだ。だから今日は定時で帰るから問題おこさんようにー。」
「それでも教師かよーーw」
このテキトーな教師は担任の辻本紘。なかなかのイケメンで長身、運動神経もいいので女子の人気も高い。オレ達3人と仲が良いので、何かと頼りにしている。彼女は10歳下という噂(本人は29)。
「とは言うものの、今日はみんなは帰ることになった。閉校ってやつだ。」
「えっ、なんで?」と、教室中がざわつく。
「なんでもベースからのお達しらしい。詳しいことは知らん!」
「いばって言うなよ。」
「ま、寄り道せず早くいえに帰れ、以上。」
「そんなこと言ったって、突然休みになりゃ。」
「遊びにいくよなぁーー♪」と声をそろえて言う。
結局あのまま、クラスメートの沙紀に誘われて、オレと唯夏とテツはカラオケにやってきていた。
「いきなり、休校ってラッキーだよな。」
「でもやっぱりへんじゃない?」
「沙紀もそう思う?」と女子ふたりは不安そうな顔つきになる。
「たしかにベースが関わってるようだし、妙だな。」
「テツまでどうした?んなことより、歌おうぜw」
オレも気になっていないわけではなかった。街で流れるニュースは、ここ最近の異常に対する午後からの世界政府の発表でもちきりだし、人々も心なしかざわついている。しかし、ここで学生の自分が悩んでいても、さして意味がないように思えた。
と、そのとき、
「きゃああああぁぁぁーー」
3人が一斉に外をに視線を向ける。そこでは、どうやら女性に向かって男が襲いかかってきたらしい。男を通行人たちが必死でとりおさえていた。
「どうしたんだろう・・・。」と唯夏が言う。
「ただの悪漢・・ではなさそうだね。」
とテツがいうのは、騒ぎはそこだけで起きているわけではないのだ。堰を切ったように叫び声や罵声、何かが壊れる音や爆発する音が街中を包んだ。どうしたんだ?
「沙紀ーーー!!」
唯夏の声にオレは振り返る。沙紀が灰皿をオレの頭めがけて振り下ろす。
ガシャアーーーーーン
窓ガラスの割れる音。
間一髪でそれを避けたオレは、弾みで後ろに倒れ込んでしまった。
なおも沙紀はオレめがけて襲いかかってくる。
「・・・シネ・・・ニンゲン・・・!」
とっさに横に転がる。
カラ振りでバランスを崩した沙紀は割れた窓の向こうへと消えた。
「・・・・・あぁ・・」唯夏が声にならない叫びをあげる。
グシャッッ
何かが、潰れた。
「いやあああぁぁぁぁぁぁーーー」
カラオケBOXの一室を混乱と恐怖が覆った。
第一章 完




