表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平成初期型!!  作者: 稲田心楽
70/121

5ページ目

 

 彼の有頂天面を見たくないが報告はしないといけない。ありのままを伝えるのは釈に触るが──。



「……みたいやで」


「ん? 聞こえまへんがな。そんなボソボソ言われたら」


「飯ぐらいならOKだとっ!」


「マジでっか! それは光栄ですわ!」



 彼の表情を見ていると、ルカに対して本気なのかもしれない。もっとふざけて、神経を逆撫でするようなはしゃぎ方をするんじゃないかと想像していたが、安堵混じりのその笑顔がそう感じさせた。



「で、東京の女や食堂合コンの歳下女はどうするのかね?」


「あれは遊びでんがな。ルカと良い感じなったら全部綺麗にしまっさかい」



 適当な男だ──僕はそんな器用に振る舞えない。自分の事をもっと融通の効く男だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。臨機応変なたてを見てあんな風になれたらどんなに楽だろうと思た。



「近ちゃん、たてと何か面白い事でもやるんか?」



 レプとリーくんが肩を組みながら会話に入ってきた。僕は事の経緯を彼等に説明した。



「は? お前、趣味悪すぎやろ。ルカとか」


「リーくんはん、そない言いまっけどルカはスカート短いでっせ」


「いや、大体の奴が短いやろが。どういう基準やねん」



 確かにうちの学校の女子は、全体的に見てもスカートが短い。僕の思い違いかもしれないが、学年が上がるごとにさらに短くなっている気がする。



「俺はあの3人やったら断然高橋やな。同い年には興味ないけど」


「レプもか? 俺も。あいつええよな」



 リーくんが僕の方を見て笑った。彩乃との事を知っているのは江戸やんとリーくんだけだ。



「彼氏いてるやろ。あのクラスは」



 レプとリーくんの話しを聞いて、とんでもない事に気がついてしまった。世の中には僕以外にも沢山男はいる。当然、彩乃を狙っている男もいるだろう──。学校だけじゃなく、バイト先や、地元の友達、盛り沢山である。そして時の流れは平等であり、ライバル達は自分達のペースで彩乃をモノにしようとしているはずだ。そんな事を妄想していたら胸がざわつき始めた。グズグズしていると、取り返しの付かない事になってしまう。そうなる前に何か手を打たなければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ